日本では何でもないことも、外国生活では一大事。
今回は家の電灯のお話です。
フィレンツェの我が家は、日本で言うところの1LDK(家具付き)である。
外国の家具付き物件は、日本のレ○パレス的なものとは少し違う。
大家の家に、大家私物の家具一式が置いてあって、それを使わせてもらう感じである。
(ゆえに大家のインテリア趣味が存分に反映される)
状況や物によるが、基本的に修理や交換も、大家が手配することが多い。
我が家のリビングの電灯が、わずか入居3日目で点かなくなった。タイミングわろし。
うちは古い建物だからか妙に天井が高く、身長175㎝の夫でも電灯に手が届かない。
ハシゴもないし、電灯そのものの構造も難しそう。
入居直後のトラブルだし、できたら大家になんとかしてほしい。
一応夫から大家に連絡してもらうと、「自分で電球を換えてくれ」と言われてしまった。
ええ、そう言うだろうと思っていたわ…。
うちの大家、ローマ在住だしな(必要な時は、フィレンツェ在住の親族が派遣されます)。
自力での交換を試みる。
夫がテーブルに踏み台を乗せた、なんとも危険な足場でチャレンジするも、
予想通り電灯の構造がよくわからず何も出来なかった。
私もチャレンジしたかったが、運動神経が悪い自分は大事故を起こしそうなので止めた。
自分たちと大家以外に頼れる当てはない。
詰んだ。
けれどよく考えたら、うちにはテレビもないし、リビングがなくても生きていける。
よし、電灯は諦めよう!
リビングは日光が入る時間にだけ、気が向いたら使うものと定めた。
それ以来私たちは、あの部屋を”カフェ”、もしくは”物置”と呼んでいる。
(この写真に写っている家具やカーテンなどは、全て大家私物です)
こんなわけで、私たちは家にいるとき、主に台所で過ごすようになった。
24時間使えるテーブルが台所にしかないからだ。
食事はもちろん、仕事も娯楽も台所。特に苦はない。
ところが、今度は台所の電灯が点かなくなった。
これはリビングどころの騒ぎではない。本当にまずい。絶対に何とかしないといけない。
しかも台所の電灯が点かなくなった時、私は日本に長期一時帰国中だった。
フィレンツェに残された夫の、孤独な戦いが始まる。。。
つづく