かつて、私の夫は喫煙者だった。
非喫煙者が同席しているときは吸わないし、ヘビースモーカーとまでは言えないが、
私と出会った時点ではすでに、ばっちりタバコという物体に依存していた。
「結婚したら禁煙する」
「博士号を取ったら禁煙する」
「引っ越したら禁煙する」
こんな約束と破棄を、何度も繰り返した。
隠れてタバコを吸っていることが発覚し、ケンカにもなった。
まぁ、禁煙中にはよくあることだろう。
減煙(本数を減らす)、禁煙セラピー(本)、電子たばこ、
ニコチンガム、普通のガム、妻による禁煙教育など。
思いつく手段はすべて試したが、どれも決め手にはならなかった。
台湾に引っ越したら、言葉が通じなくて、煙草を買えなくなるんじゃないかと期待した。
しかし夫は、中国語が出来なくても根性で買った。
もう無理かもなと思ったころ。
一緒に一時帰国したとき、実家がある街で、
夫は突然煙草を置いた。
中編へつづく
たばこ吸ったことある?
私が吸ったら命に関わるので、ないです。
(アレルギー体質、軽い喘息あり)
イタリアはかなり煙い…。