移転したビルは某新聞放送会館、新しい事務所で二度目の水曜日を
迎えた。
このビルの会社、「水曜日は残業せずにさっさっと帰ってください」と
朝、全館放送をしている。
「スイスイ帰ろう水曜日」ということずら。
そして、水曜日はいつもの銀行からIくんがやってくる。
Iくんが事務所に来ると、なんだかほんわかして、空気が変わるような気がする。
そして、さっちゃさんも完全に変わる。
いつもは謎会の紳士から頂いたお菓子を引き出しの中に仕舞いこみ
少しずつ頂いているさっちゃさんが珍しくIくんに 「どうぞ」と差し出して
いるではないか。それも2個も
Iくん、素直でかわいいけれど、ホントはおばさんキラーじゃないずらか
なぜかと言うと、「今月、定期預金のノルマがあるんですぅ。お願いします」と
言葉たくみに(しつこくないくらいに・・・適度に)お願いしてきたからだ。
銀行員として、まっ当然のことだけど、ちょっとその言葉の中に
潜む下心がひじょーに気になった私。
しかし、私もついつい「まかせて」と言ってしまった、まんまと罠にかかった
おばさんなのだ。自己嫌悪。
さっちゃさんが水曜日、瞳をキラキラさせてIくんとおしゃべしている姿を
そばで見ていると、「恋する乙女」っていいもんだと
ワクワクするのであった。