花筏 | 謎のこうのとり 

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日曜日、満開だった当地の桜、本日の春の嵐で見事に散りゆきました。


暴風雨の中、ずぶぬれになりながら職場に向かう道。

突風に押し戻されながら橋の上を怖々歩いていると

水量が増した川一面薄墨色の桜の花びらが

勢いよく流れていました。


今頃は広い海を漂い、旅をしていることでしょう。


旅といえば、この川でひと冬を過した渡り鳥たちもそろそろ旅立ちが

近づいています。



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同じ間隔をあけ、お行儀よく休んでいる鳥たち。

西の空に沈んだ太陽が雲を茜色に染めた名残りの夕暮れの中、

橋の上でしばらく鳥たちを眺めていました。


地図もコンパスもカレンダーももっていないのに、決まった時期に

旅立ち、そして戻り、また去っていく・・・・不思議だなぁ・・・・・

もしも私が何かに変身できる力があるとしたら、迷わずこの子たちの仲間となって

旅がしたいと妄想の世界にどっぷりつかっていたら

もう辺りは闇にどっぷりつかっていました。


桜の花びら、渡り鳥、私もどこかに旅したいと思いました。