日米首脳会談でハーグ条約加盟への進展迫られる | 「成功する国際結婚の秘訣」ブログ

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国際結婚をする人であれば、一度は聞いたことがあるであろう「ハーグ条約」

5月にハーグ条約加盟を表明した日本ですが、今回また日米首脳会談でも、野田首相がオバマ大統領から直接、進展を求められるという一幕がありました。

時事ドットコムの記事はこちらから。

ハーグ条約については、

ハーグ条約に関しては、日本が加盟してもさかのぼって適用されない既存の子供連れ去り事案の解決を求める声が議会に強く、身柄引き渡し要求など強硬手段まで取り沙汰される。これまでは主にクリントン国務長官が日本側に善処を求めてきたが、今回、初めて大統領が提起した。

と言及されています。

今までのところ、ハーグ条約に加盟をしても、その前に起きたケースはノータッチという共通認識があったようですが、それも今後は変わっていくかもしれません。

日本とアメリカの外交関係が今後どのようになっていくのかという点もさることながら、このハーグ条約をめぐる考え方の違いは、国際結婚を真剣に考えている人なら必ずおさえておくべき点です。

日本とアメリカでは離婚後の親権についての考え方が大きく違います。先日出会った、日本在住のアメリカ人男性も、日本人の妻と離婚を考えないわけではないが、別れたら今3歳のお子さんには会えなくなることをとても心配していました。

日本でも、離婚後に片方の親にしか親権が認められないという制度をなんとかしようと動いている人たちがいます。「親権.jp」というサイトではかなり専門的な内容や表現ですが、この件についてさまざまな情報を発信しています。

私も実際に日本にいる友人や知り合いで、母親と同じくらい子育てに真剣に向き合い、たとえ時間的には難しくても、それにかける情熱やエネルギーは子供の母親と同等あるいはそれ以上、というお父さんたちをたくさん知っています。

彼らがもし「離婚」ということになってしまい、下手をしたら子供と一生会えなくなる可能性が高いということを考えたら・・・

ハーグ条約自体は国際結婚にしか関係がない話かもしれませんが、この条約加盟という決断は日本人同士の結婚にも大いに関わりのある疑問点を投げかけているのではないでしょうか。

日本でも共同親権が認められればすべて解決といったような話ではありません。どの制度もそれ自体で完璧というわけではなく、家族の数だけさまざまな事情があるわけです。

ただ、子どもと両方の親との関係は、次の世代にも影響する話です。子どもの「家族観」「結婚観」というのは、親たちの関係から学び取られ、形成されるものですから。

その意味で、より多くの人がこの問題に関心を持つことは社会全体にとってもプラスになることではないか、と感じています。