リメンバランス・コースに出るたびに、親子の関係の大切さを思い知らされます。
親がしたことに対して「許せない」という気持ちをもっているとき、それが思わぬところに現れることがあるのです。
例えば、キャリア方面で「XXがしたい」と思いながらも一歩踏み出せない・・・という女性がいました。
20代前半で、とても礼儀正しい、フレンドリーな彼女は、数年一緒に暮らしているパートナーと一緒に参加していましたが、幼少期に親が離婚し、それから何年もの間、両親が親権を争っていたそうです。
それぞれ、母親、父親に対して、消化しきれていない思いを抱えていましたが、特に父親に対して「自分を守ってくれなかった」ということで怒りを感じていました。
彼女の場合は、これが「自分のキャリア方面でベストを尽くさない」という形で現れていたのです。
一見、まったく何の関係もないような事象ですが、話をしていくうちに、父親に対する復讐の気持ちから、わざと自分の成功のために努力しないという図式になっていました。
"Look what you've done to me" という気持ち・・・つまり「あなたの行いにより、私はこんなになっちゃったのよ」という気持ちから、自分の幸せや成功をサボタージュするということになっていたのです。
本人もまったく意識なく行っていることだったので、そのからくりが明らかになったときは「そんなのまったく意味を成さない」とショックを受けていました。
この女性は、もともと素直な性格だったこともあり、最後には父親を許し、自分のために時間とエネルギーを使おうと決めることができたのです。
自分の番が終わり、晴れやかな顔をしていた彼女はとても魅力的でした。これからが楽しみです。