私がまだ結婚する前、今から30年も前のことです。
当時、お付き合いしていた男性がいました。彼から結婚したいと言ってもらいました。
しかし、返事もせずにうやむやのまま私は今の夫と交際をはじめました。
今でも当時の彼が夢に出てきます。
晴れない気持ちが私の中にありました。
生死もわからない人のことを、どう片付ければよいのか分かりません。
私はプロポーズを断りたくありませんでした。
彼と結婚しているはずの私は、現実にはいません。別の人と暮らす心の矛盾を片付けたかったのです。
「プロポーズしたことはお忘れ下さい」
サマンサが彼に伝えると、穏やかに微笑んでくれました。後悔のない彼の姿をみていました。
二人にとって過去の良い思い出に変わった瞬間です。
もしも、過去に忘れがたい記憶との葛藤があるとき。
それは未だ心で片付かない出来事かもしれませんから・・・。