なぜ私はここに生まれてきたのでしょう。
この町のどこに惹かれたのかわかりません。
前世、途中で終わってしまったのが東京です。来世、再びここへ戻ろうと思っていたのは確かです。
東京は、葦の生える湿地帯の時代から何度となく住んでいたところです。
馴染みがあり縁の深い土地です。
私は両親が住んでいた土地の神に呼ばれました。
家からそう遠くない場所に目立たない神社があります。
宮司や巫女たちはいません。表通りに面していませんから、地元の人しか知らない小さな神社です。
しかし、境内に一歩足を踏み入れると厳かで凛とした空気に包まれる別世界があります。人の出入りを拒むかのように境内には多種多様な樹木が昼間でも暗いほどに茂っています。
国造りの神様がいるのですから、当然です。
私は、その神の知り合いです。
この世へくるとき国づくりを手伝って欲しいと依頼されました。
綺麗な心ある国にしたいのです。
私には立派な両親が待っていました。
母は仏のような人です。父は全ての私を許してくれました。
私は予定通り、都心の真ん中に住まいを設けました。
生まれる前から予定されていたからです。
人生は決まっていることと、自分で決めるものがあります。
予定は少し変更も可能です。
新しい世が始まります。
私は予定通り、未来に向かって再び心ある国づくりを手伝いたい。真剣にそう思うのですから・・・。
詳細は、また。