白い着物をきたおばあさんが、一心不乱にお餅をついていました。子どもの私は、なぜいつもお餅つきをしているのだろう、誰なのだろうと思っていました。
子どものころに住んでいた母屋で、いつも見ていたおばあさんです。
私たち家族は、敷地内に建てた新しい家に引っ越しました。
母屋には、祖母が一人で暮らしています。
私は大きくなって知りました。
いつも餅つきをしていたおばあさんを家族の誰も見ていないのです。
白い着物のおばあさんは、氏神様の使いでした。
ご先祖は代々、氏子の総代として氏神様をお祀りしてきました。
これからも大切に祀って欲しい、氏神様は世継ぎの彼女に求めるのですから・・・。