売りたくない家 №1452売家は閑静な住宅街に建っていました。 持ち主は、早く買い手がみつかると良いのですが、なかなか売れないといいます。 なにしろ彼は過去世で家を売るなどとんでもない、と思っていたのです。 やっとの思いで手に入れた家。みすみす人手に渡すなどできないというのです。 街道沿いに建つその家は、看板を掲げ、職人が往来する立派な家です。江戸時代の頃でしょうか。 サマンサには、江戸の昔の家と現在の住宅街に建つ家が重なって視えます。 なるほど、同じ家主なのですから、しかたない・・・?