お別れの挨拶 №67下北沢で待ち合わせというと、お気に入りの喫茶店で私を待っていたKさん。それは決まった席なのですが、私がドアを開けるといつも「ここだよ!」とニッコリして手を挙げてみせるのです。 それは突然、夢のように現れました。いつもの喫茶店に居るKさん。穏やかな笑顔で手を振る姿に、私も思わず手を振って答えました。テーブルにつくことはなく、映像はそこで終わりです。 その日、Kさんは旅行先から帰宅した晩、帰らぬ人となりました。 人は本当のお別れを告げる時、互いに手を振って挨拶するのだそうです。