極意 | 「明海和尚のソマチット大楽護摩」

「明海和尚のソマチット大楽護摩」

ソマチット大楽護摩は、古代ソマチットを敷き詰めた護摩壇
で毎朝4時から2時間かけ護摩を焚きカルマ浄化、種々護摩祈願を行なっている。

そくしんじょうぶつぎ

即身成佛義

こうぼうだいし くうかい   せんじゅつ

弘法大師空海 撰述

ろくだいむげ            ゆが

六大無礙にして常に瑜伽なり

ししゅまんだおのおのはな

四種曼荼各々離れづ

さんみつかじ                 そくしつ あら

三密加持すれば速疾に顕わる

じゅうじゅうたいもう        そくしん

重重帝網なるを即身と名づく

 

 

第1句

六大無礙にして常に瑜伽なり

 

第2句

四種曼荼各々離れづ

 

の内容に関しては、皆様はすでに学んできました。

 

今回は、

第3句

三密加持すれば速疾に顕わる

に関して勉強します。

 

第1句、第2句は、

即身成仏の理論(体)であり、姿(相)です。

(この世で、この身このままで、仏に成る。

決っして生きたままミイラになるという即身仏のことではありません。

心だけでなく身体も含め覚ることです。)

 

 

第3句は、働き(用)・作用・行動・実践を意味します。

 

三密加持ということを行えば、時間・空間において速時・速座に顕れる(願いが叶う。観想している内容が現実化する。)ということ。

 

 

三密とは何?加持とは何?

 

 

三密

身口意(しんくい)

身密・口密・意密という

みっつの秘密。

 

 

身密とは身体の秘密

特に手の働き、手の形で表現されます。印契(いんげい)と言います。

 

 

猿と人間の大きな違いとして手があげられます。5本の指が自由自在に動かせるのは人間のみです。

 

 

左手には以下の意味があります。

 

 

 

右手には以下の意味があります。

まとめると次の表になります。

 

よく皆さん、神仏に接する時に合掌をしますね。

 

真言密教では合掌の形として特に金剛合掌を重要視します。

 

 

 

左右の手の意味にも記載されていますが、

左手は衆生(人間界)

右手は仏(仏界)

を意味します。

 

右手親指を上にして

左右の指の第一関節を

交互に

組み合わせる。

 

金剛(ダイヤモンド)

のように堅くしっかりと

人間と仏が一体無二となる

合掌(印契)です。

 

法界定印

 

宇宙(法界)を司る印契です。

阿字観を行う際に使用します。

密教では右手が上です。

 

曼荼羅に顕れる仏菩薩は全て印契を結んでいます。

 

各々の印契には全て詳細な意味(働き)があります。印説(いんどき)と言います。

 

これが身密の働きです。

 

 

口密とは、

音、言葉、真言のことです。

 

 

音、声、真言、言葉、にパワーがあるということです。

 

空海選述

『声字実相義』に

 

五大に皆ひびきあり

(内外の五大にことごとく声響を具す。一切の音声は五大を離れず。五大はすなわちこれ声の本体、音響はすなわち用(働き)なり)

 

十界に言語を具す

(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏の十界にそれぞれの言語がある。みな声によっておこる。この中で真実の言葉は仏界の言葉であり、その他九界の言葉は妄である。)

 

六塵ことごとく文字なり

(色声香味触法に各々文字の相がある。)

 

法身はこれ実相なり

(あらゆるものを生み出しているものは五大(地水火風空)であり、五色(黄色、白色、赤色、黒色、青色)である。生み出されるものは先生である仏と生徒である生き物と物質である。この三種の世界には無辺の差別がある。これらを法然(仏の言葉、真言)と随縁(生き物、物質)の文字という。)

 

 

意密とは、心、精神。

経典に説かれる

各々の仏の三摩地に住せよ。

 

阿字観の三密を確かめると

 

身密  法界定印。

口密  阿字、あ〜という音。

意密  五大による宇宙生成。

 

となります。

 

加持とは、

加持祈祷の加持。

 

例え話がある。

 

雲ひとつない夜

満月が神々しく輝く。

清浄。

清涼。

光明。

の三徳を有す。

 

 

 

目の前に池がある。

風もなく、

揺れもなく、

鏡のような池。

満月が本物と同じように

映し出される。

 

 

満月が仏様の世界(加)。

池が我々衆生の世界(持)。

 

 

人間は生きていく間に

知らず知らずに

三毒(貪瞋痴)という

煩悩のおおもとが身に

ついてしまう。

 

際限のない貪り。

怒り。

愚痴(愚かさ)。

 

特に厄介なのが愚痴。

癌、痛風、尿管結石にかかり

痛い、痛いと叫ぶ。

これも愚痴。

今度の上司、いや〜な感じ

やだな〜

これも愚痴。

 

むさぼり

怒り

が対象を限定しやすいのに対し、

愚痴(愚かさ)は範囲が広い。

厄介ですね。

 

三毒が身につくと

池に風が吹き

波がたち

綺麗な満月は消えてしまう。

 

満月(仏様)が神々しく輝き

教えを説いているのに

波だった池(我々)は、

教えを受けることが

できない。

 

 

このような状態でも

三密を行えば

一瞬のうちに

波だった池は、

鏡のような池となる。

 

これが三密加持。

 

五鈷杵の中の満月。