野球小説「カチスタ野球部」第1話
膀厨胱弌(ぼうずこういち)くんは、
コーちんの愛称で親しまれている
私立カチスタ学院高等部1年B組に所属する
褐色肌で坊主刈りの小柄で華奢な少年です。
ある日、コーちんはメリケン共和国の
メヂャーリーグの世界ナンバー1決定戦である、
にゅうよくジャンキーズとロストどうじゃズが戦う
ワイルドシリーズ優勝決定戦をテレビで観戦して興奮します。
にゅうよくジャンキーズ往年のスター選手である、
デレル・ジンタン選手や2メートルを超える巨体から、
パワフル打撃が売りのアイロン・ジャージ選手。
本国ガラパゴス皇国からメヂャーに
移籍した3冠王のモスラ・鈴木選手など
そうそうたる顔ぶれが勢揃いです。
中でも、コーちんが推しているのは
モスラ・鈴木選手と同じく、
本国ガラパゴス皇国からメヂャーに移籍した二刀流で有名な
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手です。
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手は
2メートルを超える長身に110マイル(約177km/h)を超える速球と、
ブーメランのように曲がって戻ってくる
90マイル(約145km/h)のスライダーが武器です。
さらにシーズンの打撃成績は、打率0.360、60本塁打、打点180
という大活躍ぶりです。
ワイルドシリーズ優勝決定戦は9回裏に
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手が
劇的なサヨナラホームランを放ち、
10得点対9得点でロストどうじゃズが勝利しました。
「オレさまは、ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手
みてえになりてぇ!!カチスタ学院の野球部に入って、
まずは甲子園を目指すぜ!!」
コーちんは激しく意気込み、
明日一番で野球部に突撃入部する勢いです。
名称:コーちん
本名:膀厨胱弌(ぼうずこういち)
性別:褐色坊主刈り低身長オスガキ
性格:生意気
年齢:16
所属:私立カチスタ学院高等部1年B組
職業:学生
身長:131センチ
体重:23キロ
人称:オレさま・オマエ
特徴:坊主刈り・褐色肌・小柄
好き:カチスタ野球部
嫌い:カチスタ野球部を侮辱する輩
趣味:カチスタ野球
特技:カチスタ野球
翌朝、コーちんは通販で買った
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手が所属する
ロストどうじゃズのユニフォームを着こんで
(低身長によりチャイルドサイズ)
カチスタ学院野球部の朝練に乗り込みます。
「たのもう!!たのもう!!オレさまは将来、
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手を超える男コーちんだ!!」
「さあ、野球部に入部してやるから、
とっととオレさまの入部届を受諾しろっっ!!
ヘタクソなテメエらを、ガンガン甲子園に連れてってやらあっっ!!」
するとキャプテンの岬翼くんが言いました。
「えっと、コーちんだっけ!?ボクは野球部主将の岬翼だ!
その意気込みは買うけど、
うちは甲子園に出場できるほどの強豪校じゃないよ。
せいぜい県内ベスト8かな。」
「本気で甲子園を目指すなら提供高校や、
大阪遠いん高校みたいな強豪校に入んなくちゃ。
ウチでいいなら入部させてあげるけど、希望ポジションとかある!?」
「決まってるぜっっ!!オレさま、ピッチャーやりてえよっっ!!
そんでもって4番で二刀流だっっ!!どうだ、恐れ入ったか!!」
するとキャプテンの岬翼くんが言いました。
「キミ、身長が130センチほどしかないのに凄い自信だね!?
よし、球速をスピードガンで測定するからマウンドから
キャッチャーに向かってボールを投げてみてくれ!!」
「うるせえっっ!131センチだよっっ!!」
コーちんは得意満面の笑みで早速マウンドから約18メートル先の
キャッチャーのミット目がけてにボールを投げ込みますが、
スローボールである上にキャッチャーに届きません。
さらにボールが変な方向に転がっていくほどの絶望的なノーコンです。
「どうして……オレさまには才能がねえのか……!?」
コーちんが絶望した表情をを浮かべてへたり込んでしまいます。
するとキャプテンの岬翼くんが笑いを堪えながらこう言いました。
「やれやれ、それじゃ、バッティングはどうかな!?
プププッ、まぁ案の定無理だろうけど、一応ね……」
「ボクはライトを守ってるんだけど、
打撃投手としての腕もそこそこ優秀でね。
打ちやすい、いい球を投げるってチームでも評判なんだよ。」
「コーちん、バットを持って打席に立ちなよ。
打ちやすいコースにボールを投げてあげるから
バットに当ててごらんよ!」
コーちんはピッチングに挫折しましたが、すぐに立ち直ります。
「そうだ、オレさまはピッチングはダメだったが
バッティングセンスはビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手を超える才能を
発揮できる逸材であることに全く疑いの余地はねぇ!!」
「オラオラ!!キャプテン、
ヘボ玉、さっさと投げ込んでこいやぁぁ~~っっ!!」
コーちんはバッターボックスに立ってホームラン宣言をしました。
キャプテンの岬翼くんは、手加減して80km/hくらいのスローボールを
打ちやすいコースに投げ込んでくれました。
しかし、コーちんはのバットは空を切るばかりで、
10球ほど投げ込んでくれたボールが1球もバットにかすりすらしません。
「ん゛お゛お゛お゛~~っっ!!
どうしてオレさまは、ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手のように
バットにボールを当てられねぇんだよぉぉ~~っっ!!」
「コーちんは野球の才能が全くないよね。」
と岬翼くんが言いました。
するとコーちんがこう言いました。
「うるせえ!才能があるとかねえとかじゃねえんだ!!
とにかくオレはホームランを打ちたいんだよっ!!」
「う~ん、初対面の先輩(しかもキャプテン)にいきなりそんな態度じゃ、
チームメンバーはおろか、マネージャーですら無理があるよね。
まあそう言う事で、うちじゃキミは受け入れられないね。
そうだ、それでも野球を諦めきれないならここへ行きなよ。」
キャプテンの岬翼くんは、コーちんに名刺を渡しました。
その名刺には『カチスタ野球部』と書かれており、
「旧パソコン部のプレハブ校舎で活動しております」
との但し書きがあり、簡単な地図が書いてありました。
コーちんは、すぐに立ち直ってこう言いました。
「おお、そうかっ!カチスタ学院高等部には2つ野球部があったのか。
岬翼キャプテンの率いる野球部とは別な野球部があるんだな!!」
「へっ、邪魔したな!オレさまはそっちで甲子園を目指して
将来は絶対100パーセント、メヂャーリーガーだな!!あばよっ!!」
コーちんは『カチスタ野球部』がある、
旧パソコン部のプレハブ校舎へ向かいます。
「たのもう!!たのもう!!オレさまは将来、
ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手を超える伝説の男コーちんだ!!」
「さあ、カチスタ野球部に入部してやるから、さっさと入部届を受け取れっっ!!
しかしオレさまは、カチスタ野球部って一体、何なんだぁぁ~~っっ!?
ってことをまずは訊きたいんだよぉぉ!!」
すると、おかっぱ頭の根暗そうな雰囲気の小柄で華奢な女の子が、
パソコンに向かってマウスをカチカチと動かしています。
名称:クリコ
本名:魔臼駆狸子(まうすくりこ)
性別:低身長美少女
性格:ネクラ・野球ゲームオタク
年齢:17
所属:私立カチスタ学院高等部2年B組
職業:学生
身長:130センチ
体重:20キロ
乳房:AAAカップ←ぺったんこの極み
3サ:59・53・59
人称:わたし・あなた
特徴:ギョロ目・おかっぱ・小柄・華奢
好き:カチスタ野球部
嫌い:カチスタ野球部を侮辱する輩
趣味:カチスタ野球
特技:カチスタ野球
ギョロギョロした大きな瞳の小柄な女の子は、
コーちんの余りの大声に吃驚してしまい、
口をパクパクさせています。
「おい、オレさまがでけぇ声で叫んだからって、ビビってんじゃねえよ!!
察するに、オマエがカチスタ野球部とやらのキャプテンなんだろうが!!」
「ところでカチスタ野球部って何なんだぁぁ~~っっ!?
さっさと説明しやがれってんだっっ!!
オラオラオラァ!!初対面なのにビビり過ぎだぜ!?」
「あ……あの……その……」
女の子は吃音症でうまく喋れません。
「あん!?何なんだ!?早く言いやがれ!!オレさまは気が短いんだ!!
だけどよ、チ●ポコはカッチカチで太くて長いんだぜ!!」
「…… …… …… ……」しーん。
「静まるなっっ!!ここ、
笑うところだぞコラァァ~~ッッ!!」
すると女の子は、コーちんの意味不明な言動に慌てふためき、
冷や汗ダラダラ垂れ流しながら、カチカチっとマウスをクリックしました。
すると、パソコンの画面に『カチスタ野球』と表示されました。
どうやら、カチスタ野球とは1回表裏ぽっきりで、
延長なしのサクサクインターネットブラウザで
遊べる対戦型野球ゲームのようです。
↓こんなやつ↓
パソコンにつないだ立派な4Kディスプレイに
カチスタ野球のタイトル画面が映っており、
矩形波のチープな音楽が流れています。
「オウ、これ面白そうじゃねえか!さっそく始めるぜ!!
オレさまは将来、ビッグフライ・応仁汰(おうにた)選手を超える男コーちんだ!!
さあ、カチスタ野球部に入部してやる!!」
「冴えないドチビな女子部員よ!!
本日からオレさまがカチスタ野球部のキャプテンだ!!」
「文句あっかよぉぉ~~っっ!!早速勝負してやんぜ!!
もちろん、カチスタ野球でなぁぁ~~っっ!!」
女の子はパソコンを操作して、
カチスタ野球部の試合シーンへと移行させました。
女の子はコーちんのあまりにも傍若無人な
言動に対してものすごく苛立っているようです。
「その……わ……わたしがカチスタ野球部の部長である、
えっと……ま……魔臼駆狸子(まうすくりこ)よ!
ク……クリコ部長って……呼んで……」
「オウ、わかったぜクリコ部長!カチスタ野球で勝負だぁぁ~~っっ!!
文句あっかよぉぉ~~っっ!!あっても言わせねえぞコラァァ~~ッッ!!」
クリコは言いました。
「そ……そうね、カチスタ野球はネットで対戦相手を募ることができるけど、
2人で対戦することもできるし、スマホでもプレイ可能なの。あなた……やる!?」
「おおっ!カチスタ野球で、
オレさまは未来のメヂャーリーガーだぞコラァァ~~ッッ!!
そんな偉大なオレさまは、断然ロストどうじゃズでプレイすんぞぉぉ~~っっ!!」
「あのっ、カチスタ野球は……メヂャーリーグのチームは選べないの……
え……選べるチームは、ガラパゴス皇国の12チームのみなのよ……」
「ほう、カチスタ野球なんて全く知らねえが、
オマエが言うんだからきっとスゲーんだろ!?
だからさっさとプレイしようぜ!!」
「わ……わかったわよ……わ……わたしは
チュウチュウドランゴズを選択するわ……あ、あなたは……!?」
「ハンッ、じゃあオレさまは、ジョーシンおニャンコズだ!!
『ヴァヴァス』と『カッケェ』と『おかんだ』のバックスクリーン3連発が
忘れたくても忘れられねぇ!!これぞ、おニャンコズならではの
激アツのメモリアルだよなっ!?」
「あの……『ヴァヴァス』と『カッケェ』と『おかんだ』は
とっくに引退したからいないわ。
あなたはBマウスを使ってね、わたしはAマウスを使うわ。」
「あなたが先攻、わたしが後攻よ。マウスをカチカチとクリックしてプレイするの。
だからカチスタ野球って言うのよ。正式名称はプロ野球カチカチスタジアムなの。
覚えておいてね……わたしがボールを投げるから、あなたは全力で打ち返してね。」
「よし!!任せとけ!!クリコ!!」
コーちんは、ありえないタイミングでバットを振ってあっさり三振してしまいます。
「あら!?あなた初心者だったの……!?自信満々だからてっきり……
トレーニングモードで練習してから始めるべきだったわね……」
すると、コーちんが叫びました。
「バカヤロォォ~~ッッ!!野球はツーアウトからなんだ!!
オレさまは初心者じゃねえ!!次の打席はホームランだ!!」
するとクリコが言いました。
「あら、まだワンナウトよ……しっかりとアウトカウントを確認しなさい……
スコアボードに『ワンナウト』って表示されてるじゃない……
それから、わたしは年上よ!?ク……クリコ先輩かクリコ部長って呼びなさいよ……」
「バカヤロォォ~~ッッ!!オレさまは天才だからアウトカウントは関係ねえんだ!!」
「わ……わかったわ!どんどん打ちなさい、あなた!」
コーちんのジョーシンおニャンコズは3打席連続三振でスリーアウトチェンジです。
「クッ、オレさまはゲームの才能もねえのか!
なんてザマだよ!!クソがぁぁ~~っっ!!」
すると、クリコがコーちんにこう言いました。
「あ……あの……あなたが才能がないというのは違うわ……
あ……あなたはただ単に技術と経験が足りないだけよ……
とりあえず、次は私が攻撃ね……あなたはマウスでピッチャーを操作して投球しなさい。」
すると、コーちんはフォアボールを連発してしまいます。
さらに、冷や汗で制服の半袖シャツを
グショグショに濡らしながら、コーちんは悶絶します。
「なぜだっ!?オレさまは一生懸命操作しているというのに、
ピッチャーが上手く動いてくれねぇ!!」
「ジョーシンおニャンコズの20勝エース、ヤプーだぞ!?
どうしてなんだぁぁ~~っっ!!」
結局コーちんは4回連続のフォアボールで、
ランナーを押し出してしまい、試合終了です。
「あなた、ひょっとしてウルトラバカなの……!?
あなた、なんでストライクゾーンから外れたところばかり狙って投げるのよっ!?
下手くその世界チャンピオンだわ!!」
コーちんは涙でグショグショになった顔で叫びます。
「だってよぉぉ~~……オレさま、
ゲームなんてやったことねえんだよぉ~~っっ!!」
「だから仕方がねぇじゃねえかぁぁ~~っっ!!
ク……クリコぉぉ~~っっ!!」」
(あらやだ、このコーちんって男の子、酷いダメっぷり……
でも、そのヘタレっぷりがとっても可愛いわ。)
クリコはそう心の中で呟きました。
「オレさまはもうダメだ……
リアル野球もゲーム野球も酷すぎるダメっぷりだぁぁ~~っっ!!」
「オレさまは、一生うだつが上がらないまま、
人生を終了してしまうんだぁぁ~~っっ!!ウワァァ~~ンッッ!!」
「え……と……コーちんだっけ!?
し……仕方ないわねっ!じゃあ、あたしがあなたのコーチになってあげるわ。」
(ダシャレではない)
コーちんは涙と汗と鼻水で濡れた自身の手で
クリコの手を力いっぱい握りしめました。
「ク……クリコぉぉ~~ッッ!!ありがとうよぉぉ~~っっ!!
オレさまをいっぱしのカチスタ野球ゲーマーとしてコーチングしてくれぇぇ~~っっ!!」
「ちょっ……握手するにしても、手を洗ってからにしてよ……
あなたの手にこびりついた、涙と汗と鼻水であたしの手が汚れちゃったわ……
ちょっとお手洗いの水道で洗い流してくるわ……」
するとコーちんはこう叫びました。
「すまねぇ、オレさまは早とちりなんだよっ!!
オレさまって、すんげえ勘違いしててよぉぉ~~っっ!!」
クリコは手を洗って再びカチスタ野球部の部室へ戻ってきました。
コーチンはすぐさまクリコに問い質します。
「おい、クリコ!どうしてカチスタ野球部は旧パソコン部のプレハブ校舎が拠点なんだ!?
パソコン部が無くなったとたん、カチスタ野球部が出現したのは何故だっっ!?
それに、カチスタ野球部には他に部員はいないのかっっ!?」
クリコは冷や汗をかきながら、
新入部員であるコーチンにカチスタ野球部について解説します。
「そうね……どこから説明したらいいものかしら!?
その……シンプルに説明すると、パソコン部は潰れたの。でもパソコンは使えるの。」
「そして、わたしの趣味が『プロ野球カチカチスタジアム』
つまり、カチスタ野球だったの。
パソコン部が廃部になって、使わなくなったパソコンを利用して
わたしがカチスタ野球を始めたのが、カチスタ野球部発足のきっかけなの……」
「カチスタは1978年に、ゲームメーカー、ネテンドーが発売した
アダムスファミリーコンピュータ、
つまりアダコンで初めて発売した野球ゲームソフトだったの。」
「お父さんはアダコンで発売された初期カチスタの大ファンで、
よくわたしとカチスタをプレイして遊んでくれたわ……」
「お父さんは残念ながら、脳梗塞で死んでしまったけれど……
わたしは、カチスタの虜になったの……でも、みんな中学生くらいになったら
カチスタ離れをするのよ……カチスタなんてもう面白くねぇから、
やってらんね~や!ってね……」
「友達は全員カチスタから離れていった……
でもわたしは、カチスタから離れられなかった。
そして気づいたらカチスタ野球部を立ち上げていた……そんな経緯なのよ……」
「で、部員は!?」
コーちんがクリコに詰め寄りました。
「わたしと、あ……あなた1人の計2名しかいないのよ……」
すると、コーちんは絶叫しました!
「バ……バ……バカヤロォ~~ッッ!!たったの2人だけ!?
そんな人数で野球できねえじゃねえかっっ!!」
「ち……ちくしょぉぉ~~っっ!!
オレさまは、またしてもロストどうじゃズにスカウトされる
チャンスを失ってしまったぜっ!!」
「もうダメダメだぁぁ~~っっ!!
あ~あ、オレさまの人生終了だぁぁ~~~っっ!!」
コーちんが絶望した表情で項垂れています。
クリコは言いました。
「コーちん……ゲームだから、2人でもプレイ可能じゃない!!
リアル野球とゲーム野球を混同しないで!!」
コーちんはハッとした表情となり、顔を上げます。
「そ……そうだっ!!ゲームだから2人プレイ可能だぁぁ~~っっ!!」
するとコーちんはクリコに向かって言いました。
「おい、クリコ部長!さっそくカチスタ野球をプレイするぞぉぉ~っっ!!」
コーちんはがぜんやる気になります。
カチスタ野球部の部員が2名だと聞いて絶望したコーちんに、
再び希望の光が差し込みました。
すると、カチスタ野球部の部室の入り口で、
野球部のキャプテンである岬翼くんが
2人のやりとりを観察しながらくすくすと笑いました。
名称:岬翼くん
本名:岬翼(みさきつばさ)
性別:爽やか野球少年
性格:礼儀正しい
年齢:17
所属:私立カチスタ学院高等部2年B組
職業:学生(野球部キャプテン)
身長:195センチ
体重:85キロ
人称:ボク・キミ
特徴:イケメン・長身
好き:野球部
嫌い:野球部を侮辱する輩
趣味:野球
特技:野球
「やあ、クリコちゃん。ボクが案内したコーちんは役に立ってるかい!?
彼は野球の才能が無いけど、カチスタ野球部ならきっと役に立つよ。
でもコーちんは野球ゲームのセンスも無さそうだから、
クリコちゃんがコーチしてあげてね。」
クリコは憧れの岬翼くんが現れたので顔を赤らめます。
「あ……あの……岬翼くん……その……」
すると、岬翼くんはこう言いました。
「ああ、ボクはさっきちょうど朝練が終わったんで、
コーちんが上手くやっているのか
気になったもんでちょっと寄らせていただいたところだよ。
それじゃ、ボクは授業があるからそろそろ失礼するね。」
岬翼くんは部室を離れていきました。
「オ……オレさまはロストどうじゃズに所属して3冠王を達成する
チャンスを失ったぜ!畜生ぉぉ~~っっ!!」
コーちんは再び絶望のどん底へと
叩き落されましたが、クリコは言いました。
「仕方ないじゃないの!!あきらめなさいよっ!!
あなたにはリアル野球の才能が無いのよ!! 」
「ゲーム野球も下手くそだけど、練習すれば上達するわよ!!
だから絶望するのはまだ早いわ!!」
「じゃあ早速、カチスタで試合するわよ!コーちん!」
「おう、クリコ!!よろしく頼むぜっ!!」
クリコにコーちん……
部員が2人しかいないカチスタ野球部ですが、
ようやく微笑ましく始動することとなりました。
コーチンとクリコはその後タッグを組み、
野球ゲームカチスタの大会で全国制覇を
成し遂げることになるかもしれません。
つづく……