途方にくれていた。
恐る恐る電話をする。
「すみません、電車1本遅れます、、

担当者
「え!?・・ちょっと待ってください。
乗り換えの電車は、次は、、、3時間後ですね。」
何~!?

担当者
「絶対に遅れるわけにはいかないので、、
こうなったら最後の手段で、乗り換えの駅から
タクシーで向かいましょう!」
・・この日、私は 『出前講座』 と言って、
協力隊経験者として中学校で授業をすることになっていた。
担当者は、協力隊の派遣元であるJICA関係の方で
今日は付き添ってくれることになっていた。
資料が終わらなくて、電車の中にパソコンを持ち込んで
作業をギリギリまで続け、
山形駅からタクシーで約1時間、
8000円をかけて朝日中学校に向かった。 とほほ・・・

そんなドタバタなど知らない中学1年生74名が
和室の広い教室で並んで待っていた。
持ち時間は、1時間20分。
こんなに長く人前で話したことは、もちろん初めて。
今回は 『国際理解講座』 の授業で、
ベナンの文化について知ってもらうことになっていた。
久々に人前に出たので、緊張しながら話し始めた―――。
その1部をここでちょっと紹介。
※写真は、他の協力隊員が撮ったものも使っています。
・・・・
1.ベナンのファッション
Q クイズ : どっちが男の子でしょうか?
① ②


よ~く見てね。
答えは・・・・・2、ではなく1
理由は? 見たまんま? いえいえ・・
『ピアス』 です。 2はピアスをつけてるから、女の子。
ベナンでは産まれてすぐに、
男の子か女の子か分かるように、女の子はピアスをつけられる。
特に子供は、髪型も付け毛をつけてないと一緒だし、
服も下着一丁で歩いてる子もいるから、
確かに見分けがつきにくい。
Q クイズ : この写真から何が言えるでしょうか?

よ~く見るとシャンプーキャップをかぶっています。
雨が少し降っていたんでしょう。
つまり・・『ベナンでは服よりも髪が大事』 ということが言える。
美容室はベナンにもたくさんあるけれど、
日本と違って 「髪を切るところ」 ではなく 「髪をつけるところ」 。
髪が伸びたら、女の子もバリカンでそって
何時間もかけて付け毛をつける。
天然パーマの髪なので
やっぱり地毛ではアレンジしにくいのかしら。


・服
服は布を買って、オーダーメイドで作ってもらう。
仕立て屋さんはそこら中にたくさんある。
行事があるときはみんなおそろいの生地で服を作ることも。



・モテるポイント
男性は すきっ歯 女性は わき毛
と言われている。
それと男性は、背が低くてひょろっとしてる人が
「かわいい!」 と日本人でもモテていた。
女性は、太っている人。 (特にお腹と腰)
丈夫な子供を産んでくれそうだからだ。
日本人でモテないと嘆いている人、
ベナンに行ったらモテモテになれるかも?

2.ベナンの交通
Q クイズ : この写真から何が分かるでしょうか?

・・『何でもあり』 ってことでしょうか。
一応規則はあるけど、守ってないのがほとんど。
車よりもバイク中心で無免許、ノーヘル、追い越しは当たり前。
車線、信号、横断歩道はほとんど無し。
おかげでしょっちゅう交通事故が起こってた。
ちなみに上の写真のバイクは、
となりのナイジェリアに行って石油を積んでくるための
空タンクを大量に運んでいるところ。
(ナイジェリアで違法な石油を安く買える)
運ばれてきた石油はビンに詰められて路上で売られ、
こんな風に車に入れる。

タクシーはオンボロ。
窓が閉まらないなど、色々壊れていることが多い。
基本は相乗りで、助手席に2人
後部座席に4人乗るというのが基本。 とにかく狭い・・
子供を含んで最高11人で乗ったことがあります。

何でも運んじゃう。





荷物は基本手に持たず、頭に乗せて運んで歩く。


3.ベナンの日常
ほとんどの家には、水道が無いので
井戸や共同の水汲み場から毎日水を汲んでいる。

もちろん、洗濯は手洗い。

洗濯物の干し方、ワイルドでしょ。

貴重な水でお風呂に入る。

家は、基本的に土壁。
すっごいエコだけど、こんな風に壊れやすいという欠点も。

台所。ガスは無いので炭で料理をする。

子供はとっても働きもの。
毎日家事のお手伝いしてる。
田舎では一夫多妻制が今でも根付いていて、
お父さんと一緒に住んでないケースが多い。
子供は平均4~5人。
お母さんの言うことは絶対。
文句一つ言わずに黙って従っている。

4.学校
先生の教え方が怖い。
授業中ムチのようなものを持って、
答えを間違えると ピシッ と打つので子供は泣きわめく。
それでもこりずに、分からなくても手をあげている。
とにかく元気いっぱい。

ベナンでは進級テストで合格点をとらないと進級できない。
家庭の事情などであまり学校に通えず、留年する生徒も多い。
私が訪れたある学校では、なんと
10歳 と 19歳 が同じ教室で勉強していた。
日本で言えば、小学生と大学生が一緒に勉強していることに、、
日本じゃありえないね


などなど。
・・どうでしたか?何か発見がありましたか?
さて、平和に必要なことはなんでしょうか。
それは、違う文化や価値観に触れることで、
日本が一番良い
自分は絶対に正しい
日本を基準にして考える
という狭い考えを無くし、 「違いを受け入れる」 ということが
一番大切なことかもしれませんね。
・・・・
こんな感じで、無事何とか終わってほっとした。
積極的にクイズに参加してくれて、
たくさん笑ってくれて、嬉しかったなぁ。
後日、直筆のお礼の手紙を何通かと
ブログにお礼のコメントをいくつかもらった。
本当にありがとうございました
