Mr. Leeに会いに  (2015/3/17 ラオス) | MY LIFE AS A PIG

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山と農業と旅を愛するAkihisaのブログです。
高崎高校→北海道大学農学部→銀行員(札幌・鹿児島・福岡・US)→旅人(日本縦断・世界一周)→大分大学医学部(編入)→明日は何処…
大分朝読書コミュニティBunDoku主宰/NPO法人NICE GWCコーディネーター/財務経営アドバイザー

10年振りのMr. Leeに会いに、ラオスはバンビエンVang Viengまで。
彼は、自分にとって人生の一つのターニングポイントになった韓国IYC(UNESCOユースキャンプ)のディレクターです。

've met Mr. Lee again in Laos!
10 years has passed from the 40th IYC. People and the world may have changed some. But he is same as before. That make me very relieve and happy.
Thank you so much :)

久しぶりに会った彼は、昔と変わらずカッコ良いおじさまでした。韓国のユネスコを辞めて、今はラオスのバンビエン近郊の農村中心にスローライフとコミュニティ開発支援等をしつつ暮らしています。
(たぶん本人は開発developmentという言葉は好きじゃないんだけど、他に上手い表現が思い当たらず…)



普段はOrganic Farmの奥の小さな家を借りて、必要最低限の暮らし。
小さなキッチンと、トイレとシャワーと、パソコン一台と小さい本棚と…。



ユネスコでもyouthの仕事をしていましたが、ラオスに来てもそれは変わってないみたいで、今はラオスの農村のyouthと、そして韓国から訪れるyouthのために情熱を持っていました。



「…今コーヒーを入れてくれた子は、高校を中退して家の農業を手伝ってたんだ。ラオスでは子供がそうやって学業を諦めるのは今も普通にたくさんあることなんだけど。
ここ(YOUTH CENTER)でスタッフを募集したとき、英語が全く話せず、コーヒーを飲んだこともなくて、とてもシャイで初対面の人と話せないような女の子が母親に背中を押されて応募してきてくれた。それから2年経った今、その子はぼくらの予想を遥かに上回って成長してくれた。
ただそれを、待つことが大事なんだ。急かしたりすぐに結果を求めてはいけない。その子の成長を、ちゃんと待ってあげられること。見守ってあげられること。そうして初めて、人はこんなにも学び、成長していくんだ」




「ラオスには孤児院がない。親のいない子どもたちは、どんなに遠い親戚であっても連れてきて育てるし、隣の人たちでも面倒をみてくれる。一人の子どもを村が育てるというのがここではとても当たり前のように行われている。1、2歳の子どもも一人で村中を歩き回り、遊ぶ」



「ラオスは早いスピードで変化していて、人々はその変化を受け入れている。だが、変化への期待と不安が同居している。変化の方向が正しいかどうか、少し立ち止まって考えなければならないと思う。経済発展だけでなく、社会、環境、経済、精神がバランスよくともに発展する道はないのだろうかと」



「「なぜ?」と私は聞く。IYCの若者たちにもそうだったし、今ラオスで関わる村人たちにも必ず聞く。何度も聞く。ラオスの人々は、そう考えることに慣れていない。普段「なぜ?」と問うことなく生きている。でも、その問いを考えながら生きていくとき、彼らは自分の人生を生きることができるはずだ」



「ここにも一緒に行動をして働く青年がたくさん居る。そして、ここは韓国の青年たちが疲れたらやって来て休む場所でもある。
人の暮らし方を教わる場所を作りたい。韓国の青年たちにはこんな場所が必要なのに、韓国にはこれ以上の場所は無い」




「今でも私は旅をする。去年は中国の内陸部に3ヵ月。何週間も同じ村に滞在して、朝からずっと市場にいた。そこで何をするわけでもなく、場所を決めて座って、ずっと見ている。例えばある女性が自分の畑で採れた野菜を売りに来る。ほんの数個だけだけど、市場の一角にそれを並べて座る。売れる日もある。全く売れない日もある。でも、特に彼女はそれを気にする風はない。売れたら良いし、売れなくても良い。それはただそれだけのこと。彼女は自然に生きていて、自分に起こることを受け入れている」

「持っているものは何もないが、ないものも一つもない」

「貧しいのは不便だが、その小さな不便がわたしたちを人間にしてくれる」


…たくさん話したいことがあって、たくさん吸収したいことがありました。
一日だけだったけど、日程を切り詰めてでも会いに行けて良かったです。

近いうちに、もっとゆっくりと滞在したいです。
そしてラオスのことももっとたくさん知りたいです。




追記:

2007年に韓国の田舎で農作業をしてたときに(←謎)たまたま近くを通って知り合った日本希望製作所さんで、Mr. Lee(本名イ・ソンジェ)の韓国語記事が日本語訳されているので、興味がある方はぜひ!

ラオスの話 (1) 地元を守る若者たち
ラオスの話 (2) だれが地域を守るのか? 世間の‘水’をちょっと飲んでみた若者たち
ラオスの話 (3) ラオスを訪れる韓国人たち
ラオスの話 (4) 韓国の青年達の感受性を育てる
ラオスの話 (5) 現場の言い分
ラオスの話 (6) システムではなく人が生きている
ラオスの話 (7) 垂直の人生から水平の人生へ
ラオスの話 (8) ラオスは何処へ行くべきか?
ラオスの話 (9) 開発か、発展か?
ラオスの話 (10) ミスター・リーではなく アイ・タムディとして生きる