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児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っています。

以前書いた、里親さんへ行った4歳の子どものお話。

里親さんの元で、幸せに育ってほしいと願っていた。

 

 

 

 

ところが先日、悲しいニュースが知らされた。

その里親さんから、養子縁組を解除されてしまったという。

理由はわからない。

何があったのだろう・・・。

悲しい気持ちでいっぱいになった。

 

里親さんに何か事情があったのだろうか。

そうであってほしい。

「この子とはあわない」「育てるのが大変」なんて理由ではありませんように・・・

ただ祈るしかない。

 

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別の子の話で。

児童養護施設で働いていた時に、心が荒んでいた、ある子どもがいた。

幼児期に親と別れ、

里親に出されて、

里親さんから断られて施設に入り、

また違う里親に出されたけれど、

また断られて、施設に戻ってきた。

私が出会った時は小学生だったけれど、

すぐにイライラして、とても暴れやすく、大変な子供だった。

大変だったから里親さんから戻されてしまったのか、

心の傷から暴れるようになったのか・・・。

 

生いたちを想像しただけで、胸が苦しい。

何回も自分の居場所をなくす経験。

自分は大人に見捨てられたと思ったかもしれない。

どれほどの不安や悲しみと戦っているんだろう・・・。

 

施設の担当職員は、

「もう絶対に里親には出さない、もし次に里親にだすなら、私が里親になる」

「絶対にこの子は私が守る」という強い意志で、辛抱強くその子と向き合っていた。

どんなに暴れても、叫んでも、飛び出しても。

疲れてしまうだろう毎日に、温かいまなざしを絶やさなかった。

私にはとても真似できなかった。

そんな風に愛情をもって接しても、何年たっても、暴れる行動も性格も、おさまることなく続いていた。

子育てというのは、すぐには結果がでない、本当に根気のいることなのだと私は途方にくれた。責任の重さに立ちすくんだ。

 

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このブログを始めてから、心ある里親さんが本当にたくさんいることを知った。

きっと、施設という場所の特性上、そういう心ある里親さんは家庭内で完結し、私達と関わることはなかったんだろう。うまくいかない里親さんや親御さんと繋がりやすんだろうなと思う。

だからこそ、私たちがサポートするんだと思って頑張っていたけれど・・・

やっぱり悲しかった・・・

 

一時保護所で出会ったあの4歳の子どもは、今どこで過ごしているのだろう。

どこかの施設に入ったのだろうか。

どこにいても、幸せでありますように。