【オススメ本】境界性パーソナリティー障害 | 児童養護施設で働いて思うこと

児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っています。

境界性パーソナリティー障害を、病院で判定されることは稀だと聞いた。

本を読み漁ったり、ネットを調べたりしていきつくのだと思う。

 

もし境界性パーソナリティー障害について知りたいと思う方がいたら、一番おすすめの本。

 

 

【アマゾン商品説明より】

普段はしっかり者で思いやりのある人が、急に逆ギレする、わざと人を怒らせる、不可解な言動を繰り返す、それが境界性パーソナリティ障害だ。現代人に急速に増えているこれらの例は「性格」の問題でなく、れっきとした病。ある「きっかけ」で突然そういう「状態」になり、果ては場当たり的なセックスや万引き、自傷行為にまでエスカレートする。彼らの心の中では何が起きていて、何が問題なのか。理解しがたい精神の病を、わかりやすく解説。

 

岡田さん自身、プライベートで関わったことがあるらしく、とても丁寧に書いてくれてある。

パーソナリティー障害の本人も、関わる人も、どちらにも理解を促し、力になってくれる本。

 

私がこの病気と知り合ったのは、施設で。

施設にいた子で、みんなが困っていて、でもどうしていいのかわからない。

みんなが愛情を注げば注ぐほど、行動が過激になっていった。

脅す発言も増えていった。愛情を試す行動だった。こちらをわざと怒らせようとすることも多かった。

 

例えば、わざと物を壊す。お皿やコップがいくつも割られた。

窓から外へ投げられたこともある。

そして、○○さん(その時々の職員)が悪いからこうなった、と言う。

「○○さんが、こうだったから、壊れたんだよ。わかってる?」

「これは、○○さんのせいだからね。自分が(私に)したこと、よく考えて。」

そして決め台詞は「~してくれないなら、脱走するから。私なんていなくなった方がいいと思ってるんでしょ!」

本人は必至そのもの。自分の機嫌を取ってくれることでしか、愛情確認ができない。

そんな過激な行動に、いう事を聞くしかなく、でも満たしてあげることもできないので、永遠に繰り返される。

 

そして、突然、打って変わって泣いて謝る。素直で優しいかわいそうな子どものように。

「ごめんなさい・・・いけないってわかってるに・・・どうして私ってこうなんだろう・・・」

そんなときは、抱きしめて守ってあげたくなる様子だった。

過激で攻撃的な面と、泣いて孤独に苦しむ面を、行ったり来たり。

職員は疲弊していった。優しい職員ほど。

そしてみんな、ビクビクしていた。

 

ある職員が、この名前を見つけてきた。「境界性パーソナリティー障害」。

そこからいくつか本を読んで勉強した。

なるほど、その子そのものだった。

 

そして、本を読むと、私の中にもある要素がたくさんあった。

特に、若いころ。高校生とか。

あまり表に出さなかったけれど、心の中に抱えていた葛藤。

いつ、どうやって、自分はこの精神状態から抜け出したのだろう。

よく思い出せない。

でも、若い時の苦しさを思い出した。

きっと、誰でも少しずつ共感できると思う。

表に出したかどうかに違いはあれど。

 

今本当に困っている人は、是非読んでほしい。きっと何かの助けが得られるはず。