台風21号、北海道胆振東部地震により被災されましたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。
北方絵画とフランス絵画は同じリシュリュー翼の2階にありました。
仕切りがあるわけではありませんが、北方絵画とフランス絵画は、見分けがつきました。
多分、北方絵画のスポンサーが新興ブルジョワ、飾られるのは個人の邸宅。
フランス絵画はスポンサーが王侯貴族、飾られるのは宮廷。
スポンサーや飾られる場所によって違いが出たためだと思われます。
リシュリュー翼の北方絵画からフランス絵画のコーナーに入ったところに展示してあったのが、
「ガブリエル・デストレとその姉妹ビヤール公爵夫人とみなされる肖像」でした。
描かれているモデルは、右側がアンリ4世(1553-1610年)の寵妃ガブリエル・デストレ、左側が
おそらく彼女の姉妹の一人であるヴィヤール公爵夫人、もしくはバラニー元帥夫人と考えられて
います。
作者不詳 「ガブリエル・デストレとその姉妹ビヤール公爵夫人とみなされる肖像」
右側のガブリエル・デストレの乳房をつまむ、左側の若い女性の愛情のこもった一風変わった
しぐさは、ガブリエルがアンリ4世の私生児を懐妊したことを象徴しているとされています。
その背景では、一人の若い女性がおそらく生まれてくる子供の産着を縫っているようで、王の寵妃が
身ごもっていることを象徴しています。(ここまでルーブル美術館のHPを参考にしました)
アンリ4世と愛妾ガブリエル・デストレの長男として誕生したのは、セザール・ド・ブルボンで、
1598年にヴァンドーム公位を授けられました。
1599年に母ガブリエルが急死すると、母からボーフォール公位とエタンプ公位を継承しました。
セザールは、人生の多くを継母で父の正妻マリー・ド・メディシスと異母弟ルイ13世との政争に
費やしました。
ガブリエルの左奥には男(アンリ4世?)の足が見えます。
なお、アンリ4世の正妃はマリー・ド・メディシスで、二人の子供がルイ13世です。