「こんな事して何になる?」
僕は彼の目をまっすぐ見た。
「ナニモナラナイカモシレナイ。デモ、ワタシハニホンジンガニクイ。アイスルカゾクヲコロサレタニクシミガ、アナタニワカリマスカ?」
彼は憎しみの眼差しで僕を見た。
「わからない。でも、憎いのは戦争だって言ったじゃないか!」
「タシカニセンソウハニクイ。デモ、ニホンジンハユルセナイ」
銃を握る彼の手に、力がこもる。
「確かに日本人がした事は許される事じゃない。でもそれは、お互い様だろ」
僕は、もう必死だった。
「ソウデスネ。デモセンソウトハ、コロシアウキョウギデス。サァ、ハヤクメノマエのニホンジンヲコロスノデス!」
僕は銃を構え、そして発砲した。
バーン。
彼の体から、血が吹き出す。
そして彼は、人形のごとくその場に倒れた。
「ごめんね」
僕の目に涙が流れたその瞬間、後から撃たれた。
バーン。
生暖かい血が、僕を包み込む。
不思議と痛みはない。
倒れた僕を笑いながら蹴る敵の兵士。
意識が朦朧とする。
「コレガセンソウダ」
敵の一人が冷たく言い放ち、彼等は家から出ようと回れ右して歩き始めた。
僕は最後の力を振り絞り、3発砲した。
バーン。バーン。バーン。
弾は見事に命中し、3人とも倒れた。
「逃げろ」
僕はのろのろと起き上がり、日本人一人の縄をほどいた。
「ありがとう」
彼は涙を流し、僕にお礼を言った。
「生きて…」
これが、僕の最後の言葉になった。
戦争とは何だろうか?生きるとは?死ぬとは?今の日本人は大切な物を見失っている…。親が子を殺し、子が親を殺す。全く知らない赤の他人を平気で殺し、人を精神的に追い詰め殺し、辛さや孤独に耐え切れず自ら命を絶つ。みんな、命の大切さを忘れているよ。
僕は、もう誰にも死んで欲しくないんだ。
大切な人がこの世からいなくなったら、みんな悲しいでしょ?
死んだら、もう顔を見る事も会話する事も笑いあう事も出来ないんだよ。
だから命は大切なんだよ。
どうか忘れないで。
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