■まな板はお湯で洗ってはいけない?
昔、調理師学校の調理実習でチキンソテーを
カットした業務用の大きいまな板を洗ってる時、
「まな板は水で洗わないとダメだよ!
ニオイが落ちなくなるから」
って隣の班の男子に上から目線で注意された
のを今でも覚えてますけど、その彼は「なぜ」
そうなのか理解してたかどうか・・・
ホテルやレストランの洋食、フレンチとかの
厨房ではこういう白いプラの大きいまな板を使う
厚さ3cmくらいで側面に青や黄色、赤の
ラインが入ってて、色で野菜用・魚用・肉用
みたいに使い分けをする
フツウに日頃やってればわかる通り、
鶏肉をソテーしたときの油と鶏皮の脂がついた
まな板を水で洗おうとすると
脂が冷えて固化して落ちにくくなる
それを経験上知ってる人ならフツウお湯で洗う
■なんでお湯で洗うなって言ったのか?
調理師学校入学当初からすでに
リストランテで働き始めてた私は、
日頃職場でも洗い物をしてたので
こいつ何言ってんだろ・・・って思ったけど
なぜそのDちゃんが私に上から目線だったのか?
それは彼も日本料理店でバイトしてたからで
女子に対してイキっちゃった?
まな板をお湯で洗うなって言うのは恐らく
そのお店で教わったこと=つまり日本料理で
使う木のまな板を洗う時に言われたこと
●木のまな板だとなぜ水で洗う?
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生魚等のニオイが落ちにくくなるから
●なぜお湯で洗うとニオイが落ちにくくなる?
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魚のたんぱく質がお湯=加熱で固化するから
温泉玉子は加熱で固まる温度の差によって
70℃くらいで先に黄身から固まるので
白身ゆるゆる&黄身半熟になる
お肉は65℃以上で長時間加熱すると固くなる
Dちゃんはどこまで理解してたか?
♥まな板を洗う時のお湯の温度♥まな板の洗い方
業務用の厨房だと70℃くらいのバリ熱い
お湯が出る蛇口もある
家では通常39℃に設定してお湯で洗い物
木のまな板は使ってないけど
40℃くらいで生魚や生肉は固まらないので
この程度のお湯なら木のまな板を洗っても
ニオイが落ちなくなるなんてことはない
=お湯で洗っても全然オケ丸♡。.:*・゚
ただしきちんと落とす
→厨房だとブラシを使う
=タワシじゃなくてもオケ丸♡
昔ながらのタワシはヤシの繊維を束ねたもの
この繊維が折れて異物混入のもとになるので
最近ではあえてプラ製が使われる
洗って水で希釈した漂白剤をためたガルド
=番重の中に浸して除菌漂白
または少量を直にかけてラップでおおったり
除菌時間は15分
翌朝まで置く職場もあるけど
漂白剤を洗剤で洗い落してふいて所定の位置に♡
■脂は冷えると固まる♥
冷めたお弁当の豚肉の脂が冷えて白く固まって
ラードみたいになってるのってお弁当あるある
チキンソテーを切る時に使ったまな板も
水で洗えば脂が冷えて固まって落ちにくくなる
●落ちやすくするには何℃がいいか?
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脂の融点=脂が溶ける温度より高い温度の水
=お湯で洗う
鶏の脂・・・30~32℃
豚の脂・・・28~40℃
牛の脂・・・40~50℃
部位によって違う♡常温で固体
Dちゃんは日本料理店で教わったことを
科学的に理解してなかったので
まな板=木だろうとプラスチック製だろうと
ニオイが落ちなくなるから水で洗うって覚えた
でも調理理論の授業でやった
脂の融点の話を理解してれば、
なんでお湯で洗うかわかったはず。.:*・゚
自分で洗ってみれば気づいたのに
Dちゃん3月の料理展示会で↑スパゲッティを
束ねたまま茹でて輪切りのイカに通して、
X'masのパリブレストみたいな
リースをかたどったかのような
とんでも料理を披露しててかける言葉を失った
奇抜なイカ墨パスタ♡
キモチはわからんくもないけど
そもそも食えんの?それ
そんな風に束ねて茹でたらどうなるか
実際に自分で試食してみろっちゅう話
調理理論大事ってDちゃんを見て
アホなりに学びました。.:*・゚
■ハンバーグは手でこねてはいけない?
って話聞いたことある人いるかどうか
お店でハンバーグを看板メニューで出す
プロの料理人も、ホテルの料理人も
ハンバーグをドヤ顔で両手でキャッチボール?
みたいに成形するのがお約束・・・の一方で
なぜ手でこねない方がいいって言われるのか?
♥科学的根拠♥
プロの料理人にも調理師学校の調理理論の
授業で教わった科学的根拠を忘れてる=
理解してない人がチラホラいますけど
●手の体温で脂が溶けて挽肉の結着を妨げる
→焼いてる時に表面が割れて肉汁が
漏れやすくなる原因になる
●豚の脂の融点=溶ける温度・・・35℃
→体温で溶ける
私は昔ハンバーグの巨匠が木べらを使って
こねるのを見て以来それにならっていて、
成形も木べら=手の温度を挽肉に伝えないため
そのシェフは最後にナイフで表面に木の葉の
葉脈を描いてから焼いてたのが印象的で
もちろん上の写真みたいに手でなでて
表面を・・・なんてこともしない
上の写真みたいに表面を滑らかにするのも
木べらでイケる♡手も汚れないし♫♫♬
「両手でキャッチボール=空気を抜く」
もいらない♡
「空気を抜く」は木べらでこねても出来る
焼く前にナイフで表面に木の葉の葉脈を描いても
焼いてる間にそこから肉汁が漏れたりしない♡
ちなみに画像の記事では同じ理由=科学的根拠で
氷水でボウルを冷やしながら手で素早くこねる
うちの職場でもパテカンのときにこの方法で
こねる人がいて、手がバリ冷たいんでいつも
泣きそうになってやってます♡.。.:*・゜
■ハンバーグの焼き上がり♥
↑昔ママが焼いてくれてたハンバーグの
焼き上がりがこういう感じ・・・
表面が焼け過ぎで干(ひ)からびてカチカチ
肉汁を閉じ込めるために表面を焼き固める
的な迷信のせいだと思いますけど
調理の「焼く」は表面の水分を加熱で奪って
炭化する作業なので、
スーパーに売ってる味付きのカルビ肉みたいに
タレに漬けこんでびしゃびしゃになってると
タレの水分が表面をおおってるんで
お肉が焼けないで煮えちゃう
タレの水分がお肉の温度を上げる邪魔をして
焼けるのに時間がかかってお肉も固くなりやすい
こういうタレ付き肉はバーベキューグリルで
余分な水分を下に落としながら焼くか
タレに漬けないでタレを容器に入れて
生肉とセットにして売る方がいい
>
焼いてからタレに絡める
ハンバーグは油多めで焼く
フライパンを傾けてハンバーグを端に寄せて
多めの油に浸して側面を焼く
俵ハンバーグの時とおなじで
キュイエルでアロゼ
=油をすくって表面にかけながら焼く
そうすると焦げて干からびた
ありがちな焼き上がりにならないで、
↓しっとりジューシーに美味しそうな
ビジュに焼き上がり.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚