無理に「脱官僚」やっても墓穴を掘るだけ | My Aim Is True

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まずは今日16日夕方の鳩山首相のぶら下がり取材から。

---補正予算の見直し額が3兆円に若干足りず、2兆9000億円程度と発表された。この額は満足できる額か。

鳩山:「(略)惜しかったなぁというぐらいの数字が一番今の新しい政権にとってはふさわしいのかもしれない。ひょっとして足りてしまうと、何かもう満たされてしまったみたいにね、思ってはいけないんで、むしろ足りない、ちょっと足りないというぐらいが、更に我々の努力目標をね、高く掲げられますから、良いんじゃないでしょうか。新しい政権らしいなと、そう思います」


さあ、大メディア様。ここ数年、各メディアで轟きまくった、あのフレーズを連呼してください。


「空気読めない、人ごとの、ブレまくる」鳩山首相!!と。


論功行賞、お友達内閣!!」と。


大メディア様は、麻生前首相がホテルのバーで秘書官と打ち合わせをしたり、与党幹部と密会をしただけで猛バッシングを繰り広げましたよね?

鳩山首相は夫人とデート三昧

首相になって1ヶ月、夫人同伴の外出は10回。

韓流ファンの夫人と共に、巨人のイ・スンヨプと会食したり(6日)、夫人と共にファッションショーに出演し、美川憲一らと熱唱したり(3日)と大忙しだ。


方向性や内容はともかく、民主党の各閣僚は世界中を飛び回ったり、必死に(無理矢理)補正予算の削減をしたりと、“ハード・スケジュールだなぁ、よく働くなぁ”という印象を持っていますが、鳩山首相は何してんだかなぁという印象です。


大体、「○○省は××億円削減、△△省は××億円増加」なんて言っている時点で、縦割り行政なんだよなぁ。

僕はそうした縦割り行政を是正して欲しいと思っているし、それを主張してきたのが民主党ではなかったか!?


あと、上述の「空気読めない」は間違っているかもしれません。

大メディア様がそうした「空気」を作ってませんからね。

そうした「空気」が作られないと、「昨日、たまたまニュース番組見ちゃった。俺ってインテリ!? みのもんたはいつも良いこと言うよなぁ」という大衆層を巻き込む空気を作ることができないからです。


さて、民主党政権になってから、何故か社民党がまともに思えることが多いのです(笑)。もちろん、左翼思想的なものは別ですけどね。


[産経新聞10月16日]

【代表質問見送りは「自殺行為」】

社民党の重野安正幹事長は(略)、民主党の小沢一郎幹事長が鳩山由起夫首相の所信表明演説に対する代表質問を見送ったことについて、『与党になったから代表質問をしないのは、立法府の自殺行為だ』と非難した。社民党が連立与党を代表して質問するよう要請した民主党の山岡賢次国対委員長に対しても、『あくまでも社民党を代表して質問する。議会制民主主義の基本に触れる』と強調した」


[産経新聞10月15日]

【福島氏、国会法改正に反対】

「(社民党の)福島瑞穂消費者少子化担当相は(略)、民主党の小沢一郎幹事長が官僚の国会答弁を禁止する国会法改正をする臨時国会に提出、成立を図る考えを示していることについて、『運営面で工夫すればいいことで、法律まで作って答弁を禁止するのはおかしい』と述べ、反対の意向を表明した」


まさか、福島瑞穂の意見に同調するとは思いませんでしたが、僕も以前の記事に書いた通り、全く同じ意見です。

しかし、その一方で・・・。


[朝日新聞10月15日ネット版]

【脱官僚ぐらり 「質問取り」、官房長官が依頼】

「平野博文官房長官が各省の国会担当官僚を集め、国会で質問に立つ予定の与野党議員から事前に質問内容を聞き出す『質問取り』をするよう要請していたことが15日、わかった。鳩山内閣が掲げる政官接触を制限する方針に反するとの批判は免れそうにない。(略)

鳩山由起夫首相は15日、記者団に『政務官に質問取りをやってもらうことは官僚依存の脱却からして必要なことかもしれないが、法改正をしないと政務官など増やすことができない』と説明した。首相官邸高官は『今の人員で答弁と質問取りをさせたら政権が回らない』と語り、通常国会で大臣、副大臣、政務官の定員を増やす法律を成立させるまでの暫定措置との考えを示した」


上述の小沢一郎の言う「官僚の国会答弁の禁止」は、菅直人同様、イギリスに倣った「国会答弁は官僚の力を借りず、政治家が政治家の言葉で語る」というものを意識したものでしょう。

ただ、どうでしょうね。

「質問取り」だけを官僚に任せて、国会答弁を政治家だけで、できるのでしょうか

ちなみに、「質問取り」から国会答弁までの作業が、これまでの官僚にとっての激務なのです。

主な流れは①「質問取り」②質問割り振り③答弁作成④大臣などの答弁者への説明⑤国会随行です(参考:「霞ヶ関維新」新しい霞ヶ関を創る若手の会・著、以下同)

民主党閣僚は③④⑤を一体化させた上に、②も行う気なんでしょうね。

ただし、極力、政治主導したとしても、「脱官僚」はおろか、「脱官僚依存」すら不可能なことでしょう。


②「質問割り振り」は質問について、複数の省庁の所管業務に関係のある場合は、最も関係の深い省庁が主担当、それ以外の省庁は副担当となるそうですが、主担当となると責任を背負い込むこととなるため、これまでどこが主担当となるか、押し付け合いになるそうです(笑)。

そして、③「答弁作成」ですが、いい加減な発言をすると、それが将来の「前例」となってしまうため、これまでは一言一句の調整に膨大な時間を要していたそうです。つまり、鳩山首相のように毎日、言っていることがコロコロ変わるようなことは論外なのです。

民主党は答弁及び、その内容も政治家が作成するそうなので、④大臣などの答弁者への説明⑤国会随行は不要なのでしょう。
何と言っても、民主党の政治家は、数百人のエリート官僚が総動員して連日徹夜で行う作業を、数人で行うスーパーマンだそうですから。


僕がもし民主党を潰したい官僚だったとしたら、この国会答弁に罠をかけますね。

どうせ、「政治主導」の政治家だけでは、答弁し切れず、官僚の力を借りるで、答弁に巧妙な罠を仕掛けて、そこを野党に、「あれ、大臣自身の言葉による答弁でしたよね?」と突っ込ませるのです。


そういえば、以前、大メディア様は官僚を「居酒屋タクシー」で激しいバッシングを繰り広げていましたね。

「連日深夜までのお勤めご苦労さまです。ビールでもいかがですか?」という心温まる人情話だと、個人的には、問題となっていた当初からずっと思っていました(これまでブログでも主張してきました)。

都内でタクシーを利用する人なら経験があるんじゃないでしょうか?

僕なんか、初乗り料金の近距離利用でも、タクシーの運転手から「飴でもいかがですか?」とお菓子を勧められることがあります。

それを批判するってことは、こういうことです。


終電がなくなってまで働く官僚はけしからん! 労働時間を短くして、終電前に帰宅するべきだ! 残業手当は一律だから、時給100円程度で国家のために働く官僚はけしからん!!


これって、結局、自治労や官公労の労働組合の主張でしょ?

そういえば、死者100人以上出したJR福知山線の事故なんて、どう考えても、最大の責任者は、数百人の命を背負いながら、無謀な暴走運転をした運転手なのに、事件発生後のメディアの報道は、「JRの日勤教育が問題だ」が中心となっていきましたが、これも労働組合の主張でしょ?

で、最近になっても、「調査書の漏洩」とか何とか問題にして、無責任な運転手の責任を追及する声はほとんどありません。


そもそも、大メディア様と共謀する民主党の官僚バッシングが胡散臭い何と言っても、自治労などの労働組合を最大の支持母体とする民主党である。

官僚に厳しいというイメージがありつつも、実は官僚に優しいというか、官僚に楽をさせることばかり主張していないか!?

そして、それによってエリートたるべき官僚の質がますます悪化しないか!?


「官僚さん、あんまり働かなくて良いですよ。これからは政治家が働きますから、官僚の皆さんはどうぞ休んでいてください」


民主党マニフェストにある、「公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを作る」なんて、完全に労働組合の主張ですし、「定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りあっせんは全面的に禁止する」とのことですが、美味しい天下りが用意されたキャリア官僚はともかく、定年まで働けるんだから国家公務員全般としては美味しいことです。


基本的な僕の主張をもう一度言いますよ。

民主党のやるような、官僚・民間・財界を無視した独裁的な政治主導には僕は反対です。

それらが一体となった政治主導を僕は求めます。

民主党が言う、「天下りの全面禁止」にも僕は反対です。

僕は天下りを是認します。

ただし、そこに生じる無駄をなくし、官僚の質を向上させることを望みます。

結局、天下りさせないで、定年まで全ての国家公務員を雇ってたら、事務次官は定年まで務めて、局長クラスにも新しい風が吹き込まれず、尚且つ、若い新官僚の採用枠が削られてしまいます。

それとも、民主党は人事権を独裁的に振舞う気なのでしょうか!?