5秒間の沈黙 | Le quattro stagioni

Le quattro stagioni

あなたと心の四季を旅して・・・

 

 

 

 

こころをこめて 手嶌葵

 

 

 

 

 

 

一昨年の夏に失神をして 脳外科に掛かりました

その時の担当の医師は30代後半くらいの

まだ少しどこかに子供っぽさの残る方でした

MRIの結果は 何時くも膜下出血を起こしてもおかしくない状態

と言うことで 急いで改善治療を始める事になりました

 

 

 

 

 

 

数カ月すると 身体中の痛みで動けなくなり

全身がパンパンに浮腫みだしました

他の病気で掛かっている先生方は 口を揃えて

脳外科で出されている薬の副作用だと言われます

 

それを脳外の先生に伝えると 半べそをかいたように

「なんだよなんだよ!みんな僕のせいにして!じゃぁ大学病院に行こうよ!」

 

 

結果的には そのお蔭でまた違う病気が発見され

そちらは めでたく正しい治療で回復中なのですが・・・

 

 

 

 

 

 

暫くしたころ 脳外の診察で先生にお逢いすると

先生の髪の毛がすべて消えていたのです

 

その次の診察は代理の先生で そのことをお訊きすると

「訊かないでやって 可哀想だから」と

 

 

 

 

 

 

先日の診察の時に 6月のMRIの予約を入れ

帰り際に「それではよろしくお願い致します」と言うと

先生がじっと目を合わせたまま黙っています

どうしたのだろう?と不思議に思っていると

姿勢を改めて穏やかに「こちらこそ 宜しくお願いしますね」と仰いました

 

 

それからずっと その時のことが気に掛かっていて・・・

 

 

 

 

 

 

数日前 脳外から電話があり

私の担当の医師が急に退職をしたので 予約の変更をと言うことでした

先日の診察の時には何も仰っていなかったのに・・・

 

 

「先生は お元気なんですよね?」

 

「ええ…」

 

 

 

 

 

私はきっと あの5秒間の沈黙の時の

先生のお顔を忘れることはないだろうと思いました

 

 

 

先生のお陰で 周りの人への言葉を後回しにしなくなりました

今伝える大切さを 考えるようになりました

 

そして今 こうして元気にしています

ありがとうございました

 

 

 

 

 

 

今日は簡単に 塩焼きそば♪

 

 

 

 

シシャモを焼いて ^^

 

 

 

 

一番好きな楓 花散る里が芽吹きました

真っ白な新芽の向こうに 夕月が観えます

美しい季節です

深呼吸をしたくなる季節です