「お米の兄弟」前編 | 春夏秋冬~自然と共に生きる幸せ♪

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「お米の兄弟」前編
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ぽかぽかの春に、田んぼに仲よく植えられたばかりの、お米の苗(なえ)の兄と弟がいました。
でも、あまり仲(なか)が、よくはありませんでした。

いつも、喧嘩(けんか)をしては、にらめっこばかりでした。
負けず嫌(ぎら)いの兄弟(きょうだい)ふたりは、背のびしては、毎日毎日ツンツン!ツンツン!と、していたのです。
「ぼくのほうが背が高いんだ!」
「いや、ぜったいにぼくだ!」
お互いに「負けてたまるもんか!」と、お空へ向かって競争(きょうそう)していました。

やがて暑(あつ)い夏(なつ)が、きました。
ふたりの頭の上には、お日さまがこれでもか!と、ジリジリ!照(て)りつけます。
そして、雨の降らない日が、続きました。
それでも、ツンツン!ツンツン!と、高く伸びる競争(きょうそう)をしていたのでした。

競争ばかりに夢中(むちゅう)に、なりすぎて、兄弟は、自分の足もとの水が、干上(ひあ)がりそうなことにも気がつきませんでした。
兄の苗(なえ)が、言いました。
「なんだか、足がきゅうくつだ。変だなあ!」
すると、弟の苗も気がついて
「兄さん、ぼくたちの足もとを見てごらんよ。水がすっかり乾きそうになってるよ。大変だ!どうしよう?」
ふたりは、大あわてです。

兄も弟も、このままでは、仕方がないので、しぶしぶと競争を休みます。
ふたりで相談(そうだん)しなければならなくなったからです。

そして、兄弟でお空を見上げながら、もう少しだけ、足の根っこを土の下へ下へと伸ばすことにします。
なんとか、窮屈(きゅうくつ)だった足もとがなおりました。

そうしているうちに、雨が降(ふ)りはじめたので「ほっ!」とします。
すると、ふたりの兄弟は、またもや、やっぱりツンツン!ツンツン!と、競争をはじめてにらみ合って背伸びをはじめました。
(後編へ続く)
拙著【心に優しいプチ童話集】より抜粋


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