カラスの「ぷらいど物語」 雪の中の母さん(2) | 春夏秋冬~自然と共に生きる幸せ♪

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「雪の中の母さん」(2)
やがて、雪が降りやみました。
静かな銀色(ぎんいろ)の大地に向けて、雲の間からほんの少しだけ光がさしはじめています。

「母さん、エサはみつかるのー?」
「そうだよ、ぼうや!」
母さんのサラリは答えてからすぐ、黒い羽を大きく広げて、バサッーと飛んで、少し離れた畑の雪の上におり立ちます。
ピカリは電線の上に残ったまま、母の姿(すがた)をくりくりの眼で追いつづけます。
しばらくして、母が大きな声でよびました。
「ぼうや!ここまでおいで!」
「わ~い、エサがみつかったんだぁ~!」
ピカリは覚(おぼえ)えたての急降下(きゅうこうか)で、母の傍(かたわ)らにじょうずに着地できました。
口ばしで積もった雪を少しかきわけると、人さまに使い物にならないとされて、捨てられた小さな芋(いも)がいくつもころがっているのがみつかったのです。
「おいしいねぇ!母さん」
「おいしいねぇ!ぼうや」
二羽は、食べて満足(まんぞく)しました。
「さあ、山に帰ろうねぇ」
母が言ったその時でした。

「やーい!サラリの親子だぁー!そんなまずいエサ、食べてるのカァ~?カラスとして恥ずかしくないのカァ~?」
仲間(なかま)のカラスが母と子をやじりました。
母サラリはそれに目もくれずに、ピカリに、もう一度言います。
「さあ、山に帰ろうねぇ、ぼうや!」
そうして、ゆっくり飛び上ります。
ピカリも、母を追って、あわてて小さな羽を広げて飛びました。
母と子のカラスの親子は、日が沈(しず)んでゆく空を南の山の森へと向かいました。
安心して眠れるところへもどるのでした。
(3)へ続く
拙著【カラスの童話 「ぷらいど物語」】より抜粋。
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(The above is written by ゆうゆ)