一章からはテーマ「長編寓話」でね 。
「青い猫と虹の一族」五章~重なる愛の奇遇(10)
猫の鳴き声が真冬の玄関に響いた。
「ニャーニー!ニャーゴー!」
猫式挨拶である。
「ニャー!ゴロゴロ!」
とジョイが答えながら駆け出し、ドアに向かう。
しかし玄関は開かない。
ナンシーは気付きもしない。
身軽なジョイは、急いでナンシーの机に飛び乗った。
「お~っ!びっくりしたわ~ジョイ!どうしたの?」
と、ナンシーは現実の世界へ帰って来た。
「ミャーゴ!」とアニーが、ドア前で鳴いて見せる。
ナンシーが急いでドアを開けると、現われたのはバルナバであった。
「あら~、ジョイのお友達ね」
バルナバは歓迎するナンシーの足下へ擦り寄り敬意を示す。
「まあ~、愛嬌のある猫ちゃんね。どうぞ、中へお入りなさい」
さすがバルナバである。
初対面で、なんと・・ナンシーの気に入る猫となる。
ナンシーは、自由に遊ぶようにと述べてから再び机に向かい自分の世界へと吸い込まれていった。
女主人はいながらにして不在なのである。
最早、そこは三匹の猫の館になる。
バルナバはこの日初めてアニーに会った。
アニーは恥ずかしそうにしながらも丁寧に淑女らしい挨拶をする。
『「初めまして、よくいらっしゃいましたわ。私、ジョイの妹のアニーです。兄と仲良くしてくださって感謝してました。宜しく』』
バルナバの方はいつもの陽気さを抑えて、これまた若き紳士らしく恭しく振舞う。
『「こちらこそ、アニー!君に会えて嬉しいですよ。僕はジョイの親友のバルナバというバーミーズ種です。以後お見知り置きを・・・」』
その瞬間、ジョイが「ン~グ~!」と猫笑いを発する。
二匹の日常を知るジョイには、可笑しくって我慢が出来なかった。
ジョイは当然、自分に続いて二匹も一緒に笑うものと次の瞬間を期待する。
ところが、
バルナバは気取ったままだし、アニーは恥じらいのままだ。
しかも、
『「何か、可笑しかったかい?ジョイ」』
と真剣に語るバルナバである。
『「お兄様ったら!」』
とアニーがジョイをにらむ。
そして、この状態はバルナバが帰るまで続く。
その(11)へ続く (by ゆうゆ)
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