第一章からはテーマ「長編寓話」でね 。
「青い猫と虹の一族」四章~虹の一族との日々(10)
~ローズの誤解~の巻き~
ジョイの複雑きわまりない心が揺れる。
何と、一ヶ月以上前に離れたあの屋敷へ戻れるかも知れないのだ。
ラファにバルナバにピースに、そしてラブとマリアに会える。
しかしジョイは、ローズの困惑を見過ごせなかった。
『多分、ローズの悲しみは僕のそれより深いんだ。モーリーが語っていたではないか。
人間は、死を受け入れ難いんだと・・。死後に虚しい夢を持ちたがり、理屈を設けて何としても死人と繋がっていたがるとも・・。
きっと僕達、猫のようにはいかないんだ』
ジョイは、いつの間にかローズが大好きになっていた。
大柄ではあるがいつも細やかな配慮をジョイに示し
「寒くなかろうか」「寂しくはなかろうか」と気遣ってくれることに感謝していた。
だから愛と平和を求めたかった。
『その感謝をどのように表すべきだろうか?』
ジョイは、窓から差し込む柔らかな光に眼を閉じた振りをして考えた。
続いてジョイは突然、餌に向かい歩き出す。
そして残していたフードを猛烈に食べ始める。
『見ていて欲しい。僕は、もう元気になって・・こんなに食欲があるんだから!まだまだ大丈夫!春までここにいられるんだ』
と、訴えた。
家族は驚いて、ジョイへと一斉に視線を注ぐ。
ところが、ローズが呻き泣き出した。
「どうして?ジョイ、今の話を聞いていたのね。それで、戻れるのが嬉しくて食欲が出たのね?ひどいわ、ジョイ!」
ジョイは完全に誤解されてしまった 。
その(11)へ続く (by ゆうゆ)
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