「青い猫と虹の一族」三章~信じる心(11)・・・冬編
リーダー猫が今度は、トミーの方へ首の向きを変えて質問する。
『「トミー!君は、アームから、放火犯の名前を聞きましたね。それは誰でしたか?」』
『「あっ!はい・・・あのう、ラファエルだと」』
トミーは低い声で答える。
『「そうなのですか?アーム!」』
リーダー猫の質問が、またアームへ戻る。
アームに、少しずつ反省の様子が伺えたのか、今度はリーダー猫が同じ質問を、優しく尋ねる。
『「そうなのですか、アーム」』
『「あ、はい・・・そうです。すみません」』
と、アームは自分の前肢(まえあし)にある黒いポイントに眼を落とす。
リーダー猫とアームの会話が続く。
『「アーム、君はね。噂を流して中傷するという大きな過ちを犯したのだよ。考えてご覧。
君がラファエルの過去を噂したことは、その過去以上の罪に値するのだよ。
過去は、全く問題ではないのだよ。我々猫グループの大切な掟は何でしたか?」』
『「あ、はい、えぇーと愛です」』
『「その愛の最後の言葉を思い出してみようかねー?アーム!」』
『「えーと、愛は他の者を尊重し、不必要に干渉せずに信じる・・・信じる。
ごめんなさい・・・やっぱり、僕が間違っていました。
ラファ、ごめん。君のことを信じるべきだったよ」』
アームは泣き崩れる。
リーダー猫がさらに優しく言う。
『「アーム・・・愛は信じる!とても簡単に言えるけど、信じる心を持つことは、とても大変な努力が必要だね。
たとえ、ラファエルが過去に過ちを犯したとしても、あくまでも仮にですよ。
きっと誰にも理解できない深い事情があったに違いないと考えてみることですよ。
しかも、それを背負って生きているラファエルを尊重しようではないかね。ではー」』
と、最後に四匹目の猫へと、話は渡される。
その(12)へ続く (by ゆうゆ)
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