石塀小路というこの京都でも特別な場所については詳しくありませんが、
この小さな入口をくぐりぬけるときの、そのなんともいえない感覚はボクにもわかる気がします。
ひょいっと吸い込まれるように入っていくのですが、
進むにつれて、異次元にタイムスリップするような感覚。
期待と畏れ、ドキドキとビクビク、好奇心と歴史の重み、衝動と理性、
そんな子供と大人の気持ちが入り乱れて、そこへ関東人が描く「京都感」が拍車をかける。
そんな見えない魔法が仕掛けられているようです。
この日はお客さんで、そんな石塀小路の「さくら」さんにうかがいました。
ボクのウデでは「さくら」の文字が見えなくてごめんなさい。
写真にはとらなかったのですが、いつ来ても心を奪われる
この石塀小路の通りの情緒にこころ奪われてしまって、ついつい詩人になってしまうのです。
まだ空が青い時間でしたが、むしろそれは幻想的にすら感じられ、
「さくら」さんの趣のある外観をさらに魅力的に照らしていました。
それでは乾杯~!いつもありがとうございます!
今年もまたお互いのために新しいチャレンジをしていきましょうね。
実は考えている構想があって―なーんて場違いな話はさておいて、
「さくら」さんの美味しいお料理をいただきましょう。
お通しで出てきたお皿は横長のもので魅力的なお料理たちがいっぱい!
まずはお酒を進ませる鴨と土佐酢でいただくのれそれ!
奥に見える自家製ちりめん山椒チーズが秀逸!
さくら色した田楽もまたお店ならではの一品ですね。
会話の暖気運転はこうしたお店さんの説明をいただいたお料理の話や
「写真撮ってもいいですか?」のボクのブログの話から始まります。
そしてこちらはボクも初めていただいた「アイスプラント」!
塩味のする野菜なんですね~!この表面のプチプチが特徴的。
そしてここでいっきに京都感が高まります。
なんて美しいお椀なんでしょう!!
光彩によって本当に緑の宝石箱じゃないかってくらいの美しい輝き。
抹茶のように見える緑色はお豆のすり流しですね。
初めてうかがった「さくら」さんですが、すごくステキなお店だと聞いていたもので、
お通しからのこの流れに思わずうっとり・・・。
関東の人間にはたまらない京都感をみごとに演出していただいております。
ただ申し訳ないことにこの日の宴席は諸事情あって、ボクはド緊張しておりまして・・・
特にこの日の前半戦は並みいる人生の大先輩方への配慮から余裕がありませんのでした(汗)
そしてお刺身。名残りのホタルイカが美しく寝そべっていらっしゃいます。
そして、ホタルイカに続いてさらに「春」な一品。たけのこの登場です。
先ほどからお座敷の外の廊下でずっと焼いていらっしゃると思ったのがこのたけのこ。
出てくるまでに、焼けていく香りと音の臨場感をお座敷まで届けようという
お店さんの演出なのですね。ボクは見ているだけで飲めちゃいそうでした。
この緑の葉っぱもじつはわさびの葉なんです!
これだけでいただいても口の中をすがすがしくかけて抜けていく清流感のある爽快な辛さ!
いいですね~、わさびの葉って!
そのたけのこの添え物としては、こちらも春の風物詩、いいだこです。
こんなに春爛漫で責められるともう飲むしかないですね~!!
しかし、このたけのこのホクホクした香ばしさったらないですね。
そして天ぷらの登場です!
お魚の方はアユですね!
このアユの天ぷらがこんなにも麦焼酎に相乗するとは思いませんでした。
後ろのピンクのはまたモチモチしていて美味しい!!
さくら色に施すのはやはりお店が「さくら」さんだからです。
お店の方も「ウチは年間通して(桜が)咲き乱れております!」とおっしゃっていました(笑)
でもこうした赤いものって食欲をそそるものですね。
ってか、先ほどからちゃんとコメントできてなくて申し訳ないですが、
すんごくおいしいのです。一品一品が!さすがは有名なお店ですね。
そしてそしてドドドーンと登場したメインディッシュの一つがこの石焼きのステーキ。
石の上でジュージューいっています!
視覚だけでなくて、この音シズルがまた耳にもおいしく感じられるんですね。
ステーキを売るんじゃない、ジュージューという音を売れ、
なんてセリフを思い出しますね。
ペロリンっと一切れ倒せばそこにはレアなお肉の魅力的な肉汁が!
まさかこのレアなお肉の色彩までが「さくら」色だという仕掛け?( ̄□ ̄;)
いや、さすがにそれはないでしょう。
最後にお鍋の登場です。実はこれがまた絶品!
なんでしょう、すごく味わい深いおダシが特徴的で、じんわりと身体に染みこんでいく感じ。
お豆腐はとようけ屋さんのお豆腐だそうです。懐かしい!好きでよく買ってました。
具はわかめとお豆腐とかつおぶし、というシンプルなものですが、
これだけで日本酒が進んでしまうような、見事なお鍋なのです。
この辺でお酒も手伝ってやっと緊張も解けてきた酒リーマンは
もう、一人でこちらをすすってましたからね。
そこへなんと焼きおにぎりが登場して、それを惜しげもなくほぐしてお鍋の中へ!
ボクだけ飲みすぎてしまったので、おダシ、足していただきました。
待っている間に弾む会話とともにお酒をいただきます。
そういえばボクの目の前のお酒はこんなことになっちゃってます。
麦焼酎の水割りにチューハイに熱燗と和らぎ水。
さすがにこれだけあるとどんなお料理が来ても問題なく受けられますね。
喉が渇いたり口直ししたいときはチューハイで。
揚げものや味わいの濃いものとは麦焼酎でドライに。
和食ならではの繊細な味わいを楽しむなら熱燗で。
そしてついつい進んでしまう熱燗の合間には和らぎ水。
あぁ、もうこれ以上ないくらいの最強の布陣です、ボクにとって。
焼きおにぎりの入ったお鍋がグツグツと煮えてきました!
わー!!!こうやっていただくとまた味わいも別格ですねー!
焼きおにぎりの香ばしさにおダシが染み込んで、また違った表情。
お漬け物は古漬け。しっかりと漬かっててこれがすごく美味しい。
お店の方によればお客さんによっては「腐ってる」 なんて失礼なことを言う人もいるそうですが、
「さくら」さんでは昔からこの味わいで出されているお店の味なのだそうです。
ボクとしてはこれだけでお酒が飲めちゃうので大好き。
乳酸発酵とアルコール発酵の饗宴です!
デザートはやっぱりさくら(笑)とまっちゃ。
さらにはお抹茶のアイス!
これくらいだとボクも美味しくいただけていいですね。
いやぁ、満喫しましたねぇ、さくらさん。
ステキなお店とはお聞きしていましたが、ウワサ以上のおもてなしに大満足です。
お料理もさることながら、お店の方々のホスピタリティも素晴らしく、
石塀小路という場所もあって、ついついほっこり長居したくなっちゃうお店でした。
できればこんなに緊張しちゃう場面じゃなくて、次回はまたゆっくりと来てみたいものです。
ごちそうさまでしたー!!
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石塀小路さくら
京都市東山区八坂神社南門下ル石堀小路
075-541-1522
http://kyo-sakura.jp/
http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260301/26004535/