スイスお花のハイキング2日目。First(フィルスト)~Bachalpsee(バッハ・アルプゼー)まで往復2時間のハイキング。

 

ちょうど中間地点くらいにGummi – Hütte(グンミ・ヒュッテ)という避難小屋 がある、というのをあとでガイドブックを読み返して気がついた。歩いているときはお花に夢中で、それ以外のものは目に入らなかったのだ。もちろん、画像など残っていない。

このGummi – HütteのあたりにWissbach (ヴィス川)という小さなせせらぎが流れている。そのほとりに咲いていたのがこれ。

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ドイツ語名: Dotterblume (ドッターブルーメ)

学名: Caltha palustris (カルタ・パルストリス)

(キンポウゲ科リュウキンカ属)

リュウキンカの仲間だ。こういう湿った場所が適地で、せせらぎの周りにしか生えていない。日本の リュウキンカ や エンコウソウ にそっくりと思ったら、これらは Caltha palustris の変種で、こちらが基本種になっている。ドイツ語で Dotter は卵の黄身、Blume は花、で卵の黄身のような花。

 

 

いちめんの Dotterblume のお花畑

 

撮影の時は白とびするので自動ピント調整機能を使う。そうすると、どうしてもオレンジがかった色味に写ってしまうのだが、実際はこんな明るい黄色のお花。

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(そうするとピントが甘くなる💦)

 

 

㉓ ドイツ語名: Kalk Polsternelke(カルク・ポルスターネルケ)

学名: Bartsia alpina (バルトシア・アルピナ)

(ハマウツボ科バルトシア属)

一日目のハイキングで出会っているお花だが(「#01_4 セガンティーニ小屋への分岐を通過」㉘参照)、インパクトが強くて思わず引き込まれる。


アップで見ると、猛禽類の嘴のようだ。いや、もっと正確にいうと、毛深いところが猛禽類の幼鳥の嘴のよう。

 

 

Myosotis sylvatica(エゾムラサキ)の蕾のアップ。

産毛がふわふわしていてかわいいラブ

 

 

こちらは Gemeiner FrauenmantelAlchemilla vulgaris)の花のアップ。

雨の雫をまとって素敵キラキラ

 

 

㉔ ドイツ語名:Alpen-Kratzdistel(アルペン・クラッツディステル)

学名:Cirsium spinosissimum (キルシウム・スピノシスシムム)

(キク科アザミ属)

一日目のハイキングで出会い済み(「#01_5 テジア・ムライユへの分岐~駆け足のハイキング」㉝参照)のアザミの仲間。今回もやっぱり花は咲いていない。咲いているところを見てみたかったな。

 

 

    霧に煙るお花畑

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黄色いお花たちは Ranunculus acris(キンポウゲ科キンポウゲ属)、Pulsatilla apiifolia(キンポウゲ科オキナグサ属)、Anthyllis vulneraria(マメ科アンティリス属)、Alchemilla vulgaris(バラ科アルケミラ属)など。もう花は終わっているけど、Plantago atrata (オオバコ科オオバコ属)も見える。

 

 

そして、赤紫色のひと際目立つ花はこちら

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㉕学名: Pedicularis verticillata (ペディクラリス・ヴェルティキラタ)

(ハマウツボ科シオガマギク属)

日本の タカネシオガマ と同種。北半球の寒帯に広く分布し、日本では中部地方と北海道の高山の岩地に見られるそうだ。属名の Pedicularis は pediculus(シラミ)に由来し、昔、ヨーロッパで、この仲間の一種がたくさん生えたところで草を食べる家畜にはシラミがいっぱいたかる、と信じられていたことによる。

 

 

 

学名: Pinguicula alpina ピングイクラ・アルピナ)

(タヌキモ科ムシトリスミレ属)

白花のムシトリスミレ。葉の表面に腺毛があり、粘液を分泌して虫を捕まえる 食虫植物。虫が逃げようと格闘すると葉が巻きつき、消化酵素が分泌されて虫から栄養分を摂取する。そのため瘦せた土地でも生育することができるという。英語ではAlpine Butterwort

 

紫色のムシトリスミレ(Pinguicula vulgaris)(「#01_8 アルプ・ラングアルトが見えてきた!」(52)参照)はよく見られるが、白はあまり見られないとのこと。

出会えてラッキーだった💛爆  笑

 

 

 

⑥ドイツ語名: Fruhlings-Enzian(フリューリングス・エンツィアン)

学名: Gentiana verna  (ゲンティアナ・ヴェルナ)

(リンドウ科リンドウ属)

だんだん日が高くなって気温が上がってきたせいか、少し雲が薄くなってきたせいか、Gentiana verna の花が少し開いてきた!チャボリンドウより小型で、濁りのない深いブルーがなんとも美しい。よく似た他の小型のリンドウが夏に咲くのに対し、この Gentiana verna は春に咲く。というわけで、英名も Spring Gentian という。

 

 

 

㉗ドイツ語名: Alpen-Leinkraut(アルペン・ラインクラウト)

学名: Linaria Alpina (リナリア・アルピナ)

(オオバコ科ウンラン属)

紫の上下の花弁にはさまれた真ん中の部分はオレンジ色で、小さいながら目を引く。葉は白っぽくやや多肉質。リナリアの仲間は、日本でもリナリアとかヒメキンギョソウとかいう流通名で園芸種としておなじみだが、アルプスのハイキングコースで見ると思わず「がんばれ」と応援したくなる健気さだ。

 

 

 

㉘ドイツ語名: Wald - Schlüsselblume (ヴァルト・シュリュッセルブルーメ)

学名: Primula elatior (プリムラ・エラティオル)

(サクラソウ科サクラソウ属)

爽やかなレモンイエローが美しく、思わず目を引く華やかな花。春のアルプスを代表する花なのだそうだ。葉は長楕円形で浅く鈍い切れ込みがある。日本のサクラソウもそうだけれど、花の可憐さに比して葉が荒々しい感じがしてはっとさせられる。ドイツ語では Wald=森、Schlussel=鍵、blume=花、で “森の鍵の花” 。茎の先端にかたまって俯いて咲く花の様子を鍵の束に見立てたもの。

 

 

ようやく雨も上がってきたようだ。

Bachalpsee に着くまでに晴れるかな?