スイスアルプスでの3日にわたるお花のハイキングが終わり、Bern観光の一日。

 

さて、腹ごしらえも済んで、坂道を登りバラ公園(Rosengarten)へ到着。この日は超快晴で、気温は30度を超えていた。暑い💦 

 

頑張って坂道を登っただけあり、ここは高台で、Bernの街が見渡せる。

中央にそびえ立つのは Berner Münster (ベルン大聖堂)

 

バラはほとんど終わって見るものはあまりない。

ほとんど写真も撮らなかったのだが、これはきれいに咲いていた。

それに樹名板もついている照れ

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ドイツ語名:Duftrose(デュフトローゼ)

学名:Rosa elliptica(ロサ・エリプティカ)

(バラ科バラ属)

ドイツ語で ‘香りのバラ’ 。その名に恥じず、良い香りがした。野生種のバラのひとつらしい。少し紅を差した感じの、控え目なピンク色の一重の花が、とても可憐で素敵だ。

 

少し行くと、イネ科の背の高い草に紛れて白花のトリカブトが咲いていた。

(キンポウゲ科トリカブト属)

樹名板がついていないので、同定できず💦

トリカブトといえば紫色を思い浮かべるけれど、ヨーロッパではクリーム色のトリカブトがあるらしい。ドイツ語名でWolfs Eisenhut(ヴォルフス・アイゼンフート)(Aconitum vulparia(アコニトゥム・プルパリア))というのだが、これは花の形が紫花のBlauer Eisenhut(Aconitum napellusに似ているので、それとは違うと思う。

トリカブトの名前は、日本では鳥兜・烏帽子にちなむが、英語では monkshood(僧侶の僧帽)というらしい。発想は同じだな。

 

 

ふと見上げると、トゲトゲの実をつけた木があった。セイヨウトチノキだ。

 

ドイツ語名: Gewöhnliche Rosskastanie(ゲヴェンリッシェ・ロスカスタニエ)

学名: Aesculus hippocastanum(アエスクルス・ヒポカスタヌム)

(ムクロジ科トチノキ属)

パリのシャンゼリゼ通りの街路樹として植えられているマロニエはこの木だ。日本に自生するトチノキは実がつるつるだけど、こちらはトゲトゲ。葉っぱは大きな5枚の掌状複葉なのですぐわかった。

ちなみに銀座のマロニエ通りに植えられているのはベニバナトチノキで、セイヨウトチノキと北米原産のアカバナトチノキの交雑種だ。

 

ところで、トチノキ属もいつの間にかトチノキ科からムクロジ科になっていたことに、このブログを書いていて気がついた。う~ん。APG分類にはなかなか慣れない。

 

バラ公園の中で、こんな銘板を見つけた。

奈良県榛原町の浦田善之氏。1975年、奈良からBernのバラ公園に100本のソメイヨシノを寄贈した人がいたとは!急にこの土地に親しみが湧いてきた。

 

寄贈から半世紀近くたち、枯れてしまった木も多いのだろうか。今度は奈良県が協力し、2019年に再植樹している。

 

 

バラ公園を後にし、Berner Münster (ベルン大聖堂)へ。せっかくなのでお金を払って塔の上まで上った。

 

塔のバルコニーから見た景色がこれ!

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これは凄い。なぜここが世界遺産に登録されているのか納得。腑に落ちるとはこのことだ。弁柄色の屋根がどこまでも続く景色は圧巻以外のなにものでもない。アーレ川が自然の要塞とされていたこともよくわかる。

そしてここが今も首都として機能していることに驚きを隠せない。

 

 

 

画像左手のドーム屋根を持つ建物が Bundesuhaus(連邦議会議事堂)

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実はこの景色を見て、あの建物はなんだろう…と調べたら連邦議会議事堂と知り、ん?連邦?国会議事堂ってこと?なんでここに?と不思議に思い、よくよく見たらガイドブックにスイスの首都と書かれていて、めちゃめちゃ驚いたのだった。スイスの首都はチューリッヒという、私の数十年来の過ちを正してくれたのは、何を隠そう、このバルコニーからの景色だった。

 

 

さて、またまたお腹が空いたので、大聖堂の中庭でひと休みしながら、持参したお菓子を食べていたら、この看板が目に入った。

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この絵は、セイタカアワダチソウヒメジョオン(あるいはハルジオン)、それにフサフジウツギ(ブッドレア)だよね?

ドイツ語で書かれているので内容はよくわからないが、外来種のことを言っているに違いない、と写真を撮る。

 

日本に帰ってから、執念でPCに文字起こしし、ドイツ語翻訳機能を使って意味を調べたが、そんなことをしなくても、g〇〇gle photo の機能を使えば、画像から一発で翻訳してくれることを知ったのはその後のことだった。やはり侵略的外来種について書かれた看板だった。

 

 

そして翌日、帰国の途へ

 

言葉に尽くせないほど多くの感動的な体験をしたスイスの旅も終わり帰国の途へ。

空港へ向かう道すがらも、つい植物に目がいってしまう。

 

ドイツ語名: Syrisches Brandkraut, Russel-Brandkraut

学名: Phlomis russeliana(フロミス・ルッセリアナ)

(シソ科 フロミス属)

ラージエルサレムセージ。花が終わったあとのようだ。

花がなくてもこの存在感。

 

Geranium の仲間。園芸種が日本にもたくさん入ってきている。

 

 

ということで楽しかったスイスの旅も終わった。帰国直後は、もうこれで人生思い残すことはない、と思っていたけれど、だんだんと欲深の癖が出て、また機会があればスイスに、アルプスのお花たちに会いに、行きたい気持ちがむくむくと湧いてきた。

 

そんな日はまた巡ってくるだろうか?

諦めずにその日を夢見て、それまでは、日本の野山を徘徊することにする。