「ライト兄弟の秘密」を読んで | センテンスサワー

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20世紀初頭、ライト兄弟は初めて飛行機を飛ばした。

当時、「人間はどのような機械をもってしても空を飛ぶことはできない」と唱える科学者がいたようだ。

誰もがそんなことなど無理に決まっていると思っていただろう。

それでもライト兄弟は空を飛ぶという夢を追い求めた。

時間と労力を費やし、度重なる実験を経て、ついにライト兄弟は人類の夢を乗せて空を飛んだ。

それが一世紀も前の出来事である。



それでは簡単にライト兄弟について他己紹介をしよう。

ライト兄弟とは、兄のウィルバーライトと弟のオービル・ライトのことである。

アメリカ出身の動力飛行機の発明者で、世界初の飛行機パイロットである。

彼らは自転車屋をしながら研究を続け、1903年に飛行機による有人動力飛行に世界で初めて成功する。

もっと詳しいことを知りたい方は、ウィキペディアで調べてください。時間があれば「ライト兄弟の秘密」を読んでくださいね。



それではライト兄弟が飛行機を発明した時代について解説したいと思う。

歴史的背景を知ることはとても重要であり、彼らの偉大さを改めて実感できるのでは。

ということで少しばかり振り返ってみよう。


1893年、デュリー兄弟によりアメリカでガソリン・エンジンを搭載した自動車が完成する。同時期に、蒸気自動車や電気自動車が凌ぎをけずっていた。自動車レースなどで、ガソリン・エンジンの性能が評価され、実用化に向かう。

1903年、ライト兄弟が飛行に成功した前後に、自動車会社が続々と誕生する。フォード社やゼネラル・モーターズが創立。

1901年、USスチール(製鉄会社)設立の年。鉄の時代到来。日本では、八幡製鉄が完成しており、軍艦が建造されはじめる。数年後、日露戦争。

そして1908年以降に、アメリカ、ヨーロッパで飛行機の発展が急速に進む。

この辺りから、航空黎明期に突入する。

各地で、ライトフライヤーのコピーが作られはじめる。

飛行機競技会が開催され、スピード、高度、飛行距離を競い、新たな記録を更新し続けた。

まさに「素晴らしき飛行機野郎」の世界だった。

しかし、この飛行機開発競争の中で、ディフェンディングチャンピオンであるライト兄弟は、競合の中に埋没してしまう。

皮肉なことにライト兄弟は初めて飛行に成功したが、その後は順風満帆とはいかなかった。


1909年、ライト兄弟は投資家たちの協力を得て、ライトカンパニーを設立する。

ライトフライヤーは長距離飛行できるように改良され、洗練された無駄のないデザインに変わり、「ロードスター」という愛称で人気となる。

それから数年、ロードスターは改良され続けるが、ライト兄弟の活躍はここまでとなる。



1912年、ウィルバー・ライト、腸チフスで死去。

それ以降、ライトカンパニーは失速していくことになる。

技術的なセンス、商売センス、どの点においても兄であるウィルバーの功績が大きかったため、弟のオービルだけではどうすることもできなかったのだろう。

また彼なくして飛行は成功しなかったことも事実である。

飛行機をさらに発展させるには設備や軍資金が重要で、そのためにはマーケティングに力を入れ、生産技術を向上させる必要があった。残念ながらオービルにはその能力が欠けていたのである。




その後、航空界で注目されたのはグレン・カーチスという実業家である。

彼は技術だけでなく、経営能力や資本金、そして設備まで備えていた。彼には人間としての魅力もあった。

そして彼をバックで支えていたのは、電話機の発明で有名なグランハム・ベルである。

彼らの出会いは、ベルが航空機用エンジンをカーチスに発注したことがきっかけである。

この本には、カーチスも同じくらい取り上げられていて、その話も実に興味深い。

次回はその話をしよう。



そして1914年、第一次世界大戦勃発。

翌年、1915年、アメリカとヨーロッパで戦闘機が登場し、空中戦が始まる。



というのが、一連の流れであり、過程である。

輝かしい栄光の影で、並行して様々な物語が進行していた時代だと思う。

発明が人を救い、また発明が人の命を奪う。

結果はどうであれ、夢とロマンが数々の発明を生んだことは事実である。

ライト兄弟も同様に命をかけて夢とロマンを追いかけた。




人間には翼がないから、飛びたいとか思うんだろうな。

鳥が空を飛び、儚くもそこに自由を感じたのかもしれない。

過去の偉人はぼくらから様々な夢とロマンを奪っていく。

そして無責任に世界を少しづつ自由にしていく。

残り物の夢とロマンはあまり面白みのないものばかりで、くだらねえ世の中だよなと、思っちゃたりする。

でも、それはそれでニッチなところに夢とロマンを探す作業も楽しいのかもしれない。

てことで、本日はこれまで。