2024年1月14日(日)、デンマークに新しい国王が誕生しました。
コペンハーゲンのクリスチャンボー城バルコニーで行われた即位宣言の儀式を見るために集まった群衆の数は正確にはわかっていません。でも、デンマーク工科大学の研究者が複数の写真を解読させた結果、クリスチャンボー城前の広場には、約7万5千人がいたらしいです。
もう少しそばで見ると、デンマークの国旗を持っている人でびっしりです。
長男夫婦と孫のT君も、この群衆の一人でした。私はスクリーンで見ちゃったけど、歴史的な瞬間、その場にいたい人たちの気持ちはよ〜く分かります。
人が集まっていたのはこの広場だけではなく、約1km先のアメリエンボー宮殿からクリスチャンボー城までの道や広場も、往復する王家の人たちの姿を一目見ようと集まっていた人たちで埋め尽くされていたようです。
デンマーク、おめでとう!
素直に喜びたいです。
BBCニュースのダイジェストが雰囲気が伝わって良かったので下に貼り付けます。
さて、国王即位で新しく誕生したものが2つあります。今回はそのことについて書きます。
その一つは「座右の銘」です。もっとわかりやすく言うと「国王のモットー」です。
デンマーク語ではvalgsprog、直訳すると「選ぶ言葉」というのですが、それは君主が常に心に留めて戒めにするために「選ぶ言葉」です。明治、大正、昭和、平成、令和と言った、日本の元号に相当するものだと書いたら、もっとわかりやすいかもしれません。
これは少なくとも500年は続いているデンマークの伝統だそうです。
クリスチャンボー城で、メッテ首相によって、慣例通り、国王即位の宣言が行われた後、新国王フレデリック10世によって、国民への最初のスピーチがあり、その最後に「座右の銘」が公表されました。
Forbundne, forpligtet for kongeriget Danmark
お互いに結びつき、責任がある、デンマーク王国に
ちなみに、マルグレーテ2世の言葉は「Guds hjælp, folkets kærlighed, Danmarks styrke」(神の助け、国民の愛、デンマークの力)でした。「「座右の銘」には、「神」と言う言葉が使われることが多かったので、フレデリック10世のモットーには神が欠けている、と批判する人もいます。
はじめてのスピーチも、選んだモットーも、国王らしさや社会が反映されている、良いものだったのではないか?と私は思います。
涙もろい新国王は、バルコニーに姿を現して、群衆の前に立つなり涙ぐんでしまうのですが、スピーチは、落ち着いて、分かりやすく、評判通りに親しみ深く、とてもとても素敵で、立派でした。
そして、もう一つの新しく誕生したものは?と言いますと……
モノグラムです。
新国王のロゴって言ったらわかりやすいかな?
モットーにせよ、ロゴにせよ、14日、クリスチャンボー城のバルコニーから、首相によって即位宣言された後はじめて発表されて、それまでは極秘でした。
それが、下のモノグラムです。