サマースクールが決まるまでのエピソード | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

バレエ男子の息子がサマースクールに出発する日が近づいています。


学校から届いた綿密な「出発前のお知らせ」を慎重に読みながら、息子は荷造りを始めています。

盗み撮りした写真。まだ取り敢えず投げ込まれているものもあります。


ベッドや枕のシーツやタオルなどはお金を払えば借りられるようですが、持参するのが望ましいようです。


「お知らせ」と一緒に届いた「校則」には、外出する時は必ず本人がノートにサインする必要があること。携帯電話やPCは寄宿舎では使用していいが稽古場には持ち込み禁止なこと。水以外の飲食物は寮の部屋には持ち込んではいけないこと。男子が女子部屋に行くこと、その反対も禁止なこと。消灯時間が決められていること。などなど、細々と、30箇条の規則があります。そして最後の31条は、「上の規則を暗記すること」で締められていました。


ビシッと規則が決められているのは、安心で、噂で聞く厳しさは感じたけれど、どれももっともなことばかり、気持ちもシャキッとするのでないか?と思うので、保護者としては好感を持ちました。


とにかく、学校までたどり着いたら安心なんだ〜!なんとか着いてくれ〜って感じです。


いやいや「学校に辿り着く」、それって、我が息子にとっては大問題なんです。


なんたって、はじめての一人旅なもので……。


それに何より、実は、うちの息子、かなりの方向音痴なんです。


コペンからニースまでは直行便ではなく、途中ミュンヘンで乗り換えなければなりません。


ニース空港に着いたら、ターミナルを移動して、モナコ行きのバスに乗らなければなりません。


ホント!大丈夫かなぁ〜〜?


17歳だし、子どもじゃないし、携帯持ってるし、口がきけるし、心配するって大袈裟じゃない?って思われますよね?


でもでもでも、ブログにも書いた通り、この春わざわざ休暇を利用して親子3人でニースに行き、ニース空港で乗り換えの予行練習したくらいなんですよ、私たち。


そしてそれでもまだ心配です。


運良くモナコに着けたとしても、ちゃんとバレエ学校の方向に歩いて行くだろうか??? 休暇で行った時、最初に向かったのがカジノだったし、たしかに同じ場所に劇場があったから、そちらの方へ行っちゃうんじゃないだろうか????バレエ学校はそっちじゃないんですけどーーー!!!です。


ホント、あり得る!半端じゃない方向音痴なもので……。


イヤ〜〜、とにかく「無事に着いたよ!」とメッセージが届くまで、出発の日は緊張し続けちゃうと思います。


そんなんなら一緒に着いて行った方が早かったんじゃない?って感じですよね、まったく!


でもその選択はありませんでした。


だって、コペンハーゲンからニース行きのチケット、夏はとってもお高いんですもの!


そうそう、お高い、と言うと、サマースクールの行き先が決まるまでに小さなエピソードがあったので書き残しておきます。


今回のサマースクール。息子は3週間参加するのですが、そのうちの1週間は受講料が免除になりました。残りの2週間は自費で行きます。また、宿泊日は3週間分自分で払わなければなりません。


デンマークの学校からの推薦でサマーを受講できる学校の中には、スカラシップで、受講料が全額免除になるのみならず飛行機代も出して貰えるなど、条件がもっといい学校が、他にも実はあったのです。


だから息子がモナコを選択しようとしたとき、「なんで他じゃダメなんだ!?」と主人に厳しく言われてました。


5人の子に、ただでさえ少ない財産を出来るだけ公平に分割するために、いつ、誰に、いくら投資してあげたかを、しっかり管理している主人です。


「自分で出すならいいでしょ?」と息子が言うので、主人も「そう言うことならどうぞご自由に」ってことでモナコ行きに同意した次第でした。


1週間のトレーニング受講料は600ユーロ。寮を利用する場合、宿泊と食費代が追加され、週につき1100ユーロかかります。つまり、息子の場合、1100x3=3300から免除分の600を引いて2700。合計2700ユーロ(約42万円)かかります。サマーにかかる費用はどこもそんなものなのでしょうか?とにかく、息子にとっては大きな決意が必要な出費でした。


2年間コツコツ貯めていた、研修生として劇場から頂いた微々たるお給料を、ぜーんぶ使ってしまったのかな?


とにかく自分で払っていました。


厳しいことを言ってしまったものの、決意が変わらない場合は、宿泊費/食費まで未成年の息子に出させるつもりは主人にもなかったようで、結局、寮の宿泊費プラス飛行機代は主人が出してあげることになりました。そして息子はスッポンポンを免れた、と言う訳です。


こんな風に気合が入っているサマーなんですよ!


どうにか無事に辿り着いて、いい体験を沢山してきて欲しいです。