ノーベル賞より大きなニュース | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

今年のノーベル化学賞を、アメリカ人の教授ら2人と共に、デンマーク、コペンハーゲン大学のモーテン・メルデル教授が受賞しました。


おめでとうございます。


このニュース、私は偶々覗いたNHKニュースで知りました。


デンマークでは、元々ノーベル賞に対する関心が低い上に、今日はほかの大切な発表と重なってしまったので、報道されるのが日本より遅かったからです。日本は受賞者が毎年のように出るので、ノーベル賞に対する関心の高さが違いますね!


デンマーク人がノーベル賞を受賞したのなんて、一体何十年ぶりですか?これは大ニュースでしょう!と思ったので、何か報道されていないかな?と、デンマークのニュースを直ぐに調べたのですが、その時はまだどこにも何も載っていませんでした。そして、やっと報道されたかと思ったら、もう一つの大切な発表に関するニュースの間に埋もれていて、よ〜く注意しないと見落としてしまう小さな枠に載っていました。


では、デンマーク国民が、それはも〜〜ワクワクしながら、今日か!明日か!と待ちに待っていた、その「もう一つの大切な発表」と言うのはなんだったと思われますか?


それは「デンマーク国民議会総選挙の公示」でした。


もう直ぐ公示されることはずっと前からわかっていたのですが、今日の13時に記者会見で首相によって11月1日に行われることが正式に発表されました。午前中に記者会見が開かれることがわかってから、ニュースはその話題で持ちきりでした。ノーベル賞が発表されたのは12時頃だったので、それこそ、それどころではない、って感じだったみたいです。


政治家も、街頭インタビューを受ける一般市民も、老若男女に関わらず、選挙の知らせに誰もが凄〜く嬉しそう!画面からワクワク感が伝わってきました。


「選挙日までの4週間、今後のデンマークのあり方について、思う存分討論できる」「選挙は民主主義のお祭りだ〜」と言うのです。

「クリスマス・イブみたいなものだ」と言って目を輝かせている政治局の記者もいました。さすが投票率が常に80%を超えているデンマークです。民主主義への意識が違います。


外国籍でも住民登録していると市議会議員選挙の投票権はあるので、それには私も毎回投票に行きますが、投票できるからってワクワクしたことは正直一度もありません。義務だから仕方なく行くって感じです。民主主義が身についていない、と言われれば、そうだと思います。


国民議会に投票できないことも、ちょっと寂しいけど心から残念に思ったことはありません。


現状では、日本国籍を放棄しないと、デンマーク国籍をとれないのですから、投票できないのは仕方ないです。


でも関心が全くないわけではないので、自分と最も意見が一致する政治家は誰なのか知るための「候補者テスト」をオンラインで試して、社会、環境、財政、防衛、移民、難民問題などなど、どんなことが選挙のポイントなのか?を勉強するようにはしています。


デンマーク国民の皆さま、どうぞ思う存分民主主義の祭宴をお楽しみ下さい。私は今回も外野席で観戦させていただくことにします。


追記:

ノーベル化学賞に関するニュースは、その後詳しく報道されていました。デンマーク人がノーベル賞を受賞したのは25年ぶりだったそうです。「20年前の研究だが、一つの研究が社会の役に立つことがわかるには時間がかかる」とメルデル教授。「この受賞が若者たちの刺激になって、化学への関心が高まったら嬉しい」とも語ってました。68歳、まだまだ現役らしく、とても若々しく見えました。