待ってるからね | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

明日、デンマーク暮らしの大先輩だったSさんの追悼茶会に出席するために、歌の練習をしています。

茶会に歌?どんな茶会なんだ?と思われるかもしれませんね……

Sさんは、日本の生花文化をデンマークに普及したお花の先生として、デンマークに住む日本人のお手本のような人でした。

好奇心が旺盛で、知的で、エネルギッシュで、シニアの年齢に達した後で大学院に入り修士号を取得したと言う努力家でもありました。

細く小柄なSさんでしたが、その行動力は体の大きさに反比例していました。

お花以外にもお茶を嗜む方でした。

私は彼女とコーラスでご一緒させて頂いていました。

同じアルトのパートだったので、隣同士で肩を並べて、声を合わせて歌っていました。

素晴らしい音感と声の持ち主でした。ピアノも弾く方だったと思います。音を外すと「外れてるよ」とハッキリ指摘するSさんでしたが、サッパリした彼女から何を言われても嫌な気持ちにはなりませんでした。笑顔がとてもチャーミングな人でした。

明日の追悼茶会のために私が歌の練習をしているのはそのためです。

一周忌を兼ねた「追悼花寄せの茶会」と言う素晴らしい会に、お茶の会の皆さんからお招きを頂いたからです。

去年はコロナの規制で葬儀に参加したくても出来ない人が沢山いました。私もその1人でした。

お花の会の方たちは、それぞれ茶花を持参して花寄せの献花をし、歌の会は、花にちなむ唱歌を歌う予定です。

合唱は、心を合わす作業でもあります。

在デンマーク数十年と言う日本人ばかりが集まって、日本語の歌詞の、言葉の一つひとつの意味を再発見したり、歴史的な背景に想いを寄せて涙したりしています。

あれは、なんの唱歌を歌った時だったか?それは覚えていないのですが、「私はここに(デンマークに)骨を埋める覚悟ができているので……」と私が言った時、「頼もしいこと言ってくれるじゃないの!」と、Sさんが嬉しそうにはっきりと仰ったこと、でも少し思いつめたような表情だったこと、鮮明に思い出されます。

今思うと、あの時既に、自分の余命が短いことを彼女は知っていたのかもしれません。

明日は彼女のために一所懸命歌います。

Sさんは天国できっと大笑いしてくれることでしょう!

「も〜ヤダ〜、下手ね〜!」「やっぱり私がいないとダメね」って!

そして……「待ってるからね」って!

明日の追悼茶会が開かれる茶室について以前書いた記事をこの下に貼り付けますので、もし良かったら読んでください。

https://ameblo.jp/mwins/entry-12377118024.html