18年前の7月5日、正確には7月4日の夜も酷い大雨が降っていました。
その日、陣痛がいよいよ本格的になって、これは朝までもたないな?!と思ったので、主人に車を出してもらって、大雨の中を病院へ向かったのでよく覚えています。
一旦陣痛が始まると、事態がグングン発展して、たちまち子どもたちを産んで来た私を、過去に3度みてきた主人。
「この子が、大雨の日に生まれたってことは一生覚えてると思うなぁ〜」と、雨に文句を言いながら、一所懸命出来るだけ速く車を飛ばしてくれました。
黒い空、フロントガラスに打ち付ける雨、すごい速さで動くワイパーを覚えています。
次女は、分娩室に入って、20分経つか経たないかのうちに生まれてきました。
「エクスプレス便だったわね」が、助産師さんのお祝いの言葉でした。
無事に産めてホッとする私に渡された次女は、青い目をしていました。
驚く私に助産師さんは、「生まれて暫くの間は、どの赤ちゃんの目も青いものよ」と教えてくれました。
次女は私の4人目の子。
(そんなことはない、うちの子たちは皆んな茶色い目だったぞ、それはデンマーク人の場合だろう)と、心の中で思いました。
青い目で私を見つめる次女は、「貴女は誰?」と言っているようでした。
(産み落としたら自動的に母になれるって訳ではない)(この子は私のことをまだ良く知らない)(赤ちゃんの信頼を得ることが出来るかどうかは、これからの私次第)
エキゾチックな青い目に、そう気付かされたように感じました。
「はじめまして、私は貴女のお母さんです。信じてもらえるように頑張ります。よろしくね」と心の中で自己紹介しました。
あれから18年。18歳。デンマークでは成人です。
次女はマジック: ザ・ギャザリングが大好きで、毎週のようにクラスメートたち(男が多い)と集まっては、朝までマジックする、完全理数系オタク女に成長しました。
色々驚かされることが多かった次女。これからも驚かされ続けることでしょう。
でも、お母さんはいつまでも、貴女の味方です。
もうわかっていると思うけど……。
デザートは、誕生日の付き物のレイヤーケーキ。
「ロウソクは立てないで!」と言われたけれど、その言葉は無視して、18本を一本にまとめて立てました。
恒例の誕生日ソングの合唱の後、次女は、照れくさそうに、でもちょっと嬉しそうに、ロウソクを吹き消していました。