「デンマークの新型コロナ対策は緑のカーブだ」
4月6日の特別記者会見で、「開国長期政策」を国民に伝えるために、デンマーク首相が使った言葉です。
感染症がコントロール出来ない程の速さで拡大し、医療崩壊が起きるとはどう言うことかを説明する時に、世界中の専門家が取り出す下のグラフ。医療崩壊が避けられた時の例を示す「緑のカーブ」は、言語を超えて皆んなの脳裏にもうスッカリこびりついていると思います。
「出来るだけ多くの国民の命を救うために、社会的距離を保ちながら、段階的に、あくまで慎重に、コントロールしながら、ゆっくりと開国する」
これが「緑のカーブ」作戦です。
もちろん「うちは赤のカーブで行きます」なんて国はなく、どの国も「緑のカーブ」内で収まるような対策をとっているわけですが、ストレートに、シンプルに伝えられて、(首相お上手だわ〜!)と感心し、印象に残りました。
さて、長期開国計画第1フェーズがスタートし、保育施設、小学校(5年生以下)、民間企業、複数の個人事業が再開されました。
はじめは、距離は保てるのか?衛生面は準備が出来ているのか?感染が再び広がるのではないか?と不安な声が上がりました。
ですが、あれから3週間。
毎日発表される集中治療室に入院する重症者の総数は着実に減少して、新型コロナ感染症による死者は、10人以下の日が続いています。「1」以下だと安心だと言う、今のデンマークの実効再生産者数は「0.6」だそうです。
「緑のカーブ」は横ばいしていて、丘の頂上にいる、と言うところでしょうか?
下り坂を歩き始めたかもしれません。
3週間前の再開の影響がハッキリわかるのは、来週になってからのようですが、感染症専門家によると「状況は完全にコントロールされている」そうなので、本当に良かったです。
もう直ぐまた特別記者会見が開かれて、第2フェーズ再開計画が発表されるでしょう。
さあ、そこに小学校6年生以上の子どもたちが入るのか入らないのか?
レストラン、カフェ、バーが先か?それともショッピングセンター?デパート?スポーツ?いやいや高齢者ホームへの家族の訪問が先だ!
第2フェーズの再開に、何を優先すべきかが盛んに討論されています。
私は、子どもたちのために、6年生以上の学校再開を望んでいます。
強い者は強いまま、弱い者はますます弱くなる。
それは勉強も同じです。休校が続けば続くほど、恵まれた子とそれほどでもない子の差は開きます。そして、結局はお互いのためになりません。
さあ、どうなることでしょうか?
どちらかと言えば負のイメージがある「下る」と言う言葉。でも「緑のカーブ」に限っては下り坂がいいですね!