バレエ学校終業式の「聖劇」 | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

バレエ学校のクリスマス休暇前の終業式は、クリスマス礼拝も兼ねて、ホルメン教会での行われるのが伝統です。

ホルメン教会は、今年設立400周年を迎えた歴史の古い教会です。

教会のホームページを開けると、

「1619年、国王クリスチャン4世が、フレデリック2世の古い停泊地を教会に改築しました。以来ホルメン教会は通常の教区教会として、また海軍の教会としての役割を果たしてきました。ホルメン教会は、水に直接面しているデンマークで唯一の教会であり、上のような歴史を深く象徴しています。コペンハーゲンの中心にある教会として、宗教的な教会の活動、その他の活動、コンサート、王室の儀式、さまざまな国家記念日に利用されています」

とザッとこんなことが書かれています。

1967年、女王さまの結婚式もここで行われました。

ネットからお借りした写真↓

このクリスマス終業式では、低学年の子たちが前に出て歌ったり、中学年の子がリコーダーを演奏したり、参加者全員で賛美歌を歌ったりするします。

またさらに「8年生による聖劇」と言う伝統があります。

去年は、子どもたちが忙しすぎて準備が整わず(子どもたちが自作自演するので)演じられませんでした。

今年の8年生は、息子のクラスです。

今年も色々行事が重なって、出来る、出来ない、とやりとりがありました。

が、3日前に突然(バレエ学校あるある)出来ることが決まりました。

息子は、劇の脚本を書く係、兼、語り手でした。インストラクターも務めていたようです。

2日間で聖劇を仕上げる為によく頑張っていました。

聖劇は、一応キリスト誕生の物語、なのですが、「8年生の聖劇」は、そのパロディで、笑える作品なのが伝統です。

キリスト降誕劇のパロディを、そんなにも歴史の深い教会で演じていいのか!?ってなものですが、そうなんです。(デンマーク人は風刺が大好き!)

昨日、脚本を読ませてもらいましたが、家族で爆笑してしまいました〜〜!

そして、今日はもちろん行って来ました。

ホルメン教会を正面から写すとこんな感じ。
霧がかかってジメジメとグレーな天気でしたが雰囲気はたっぷりでした。


中に入るとこんな感じ。流石に立派です。


クリスマス前のこの時期は、何かとソワソワ忙しく、思えばこの終業式に出席したのは、3年前に娘のクラスが聖劇を演じた時以来でした。

色々昔のことを思い出しながら、懐かしくみていました。

息子たちの聖劇は上出来だったと思います。

息子は語り手として少し高い所にある牧師台に立って、役目をきちんと果たしていました。

「2日しかなかったのに、これが出来たのはKompagni B で鍛えたチームワークがあったからだわ〜」と学級担任の先生が感想を話していました。

子どもたちに丸投げされた、中学生向けのバレエ公演のプロデュース。
Kompagni  Bの主な活動は、その課題に取り組むことです。

子どもたちは、自分たちの力で思考錯誤して、協力しながら、計画、実行、やり直しを繰り返し1つの作品を作り上げます。

その過程で、沢山のことを学びます。

得意なこと、苦手なこと、やりたいこと、やりたくないこと、お互いを尊重して、補い合って、より良い作品に仕上げます。

見せたいものは何か?観客が見たいのは何か?じっくり話し合いながら……。

それが「チームワーク」です。

そして、一人ひとりの成長は「チームワーク」の助けによるところが大きいです。

1人で黙々と先に進むのが好きな息子ですが、皆んなでやる時は、やれることを精一杯やる。討論にも参加する。そして自分の領域を少しずつ広めているように感じます。

デンマーク独特の、この丸投げ教育の賜物だなぁ〜と思います。

この2日間の国語の授業は、この聖劇の特訓に捧げられたようですが、得るものは授業よりもずっと大きかったに違いありません。