明日は、デンマーク王立バレエ団の今シーズンの大目玉商品(作品)、新作『シンデレラ』の初演の日です。
振り付け、演出 :グレゴリー・ディーン(Gregory Dean)
音楽:セルゲイ ・プロコフィエフ(Sergej Prokofjev)
舞台装飾、衣装:ジョン・モレル(Jon Morrell)
振り付け、演出担当のグレゴリー・ディーンは、プリンシパル・ダンサーでもあります。振付家としては、主に2015年には現芸術監督改訂版の『白鳥の湖』の第二幕のディヴェルティスマン、ハンガリーの踊りとイタリアの踊り、2017年にはバレエ学校の生徒による子ども向けの作品『忘れられた子ども』を振り付けて、その才能を認められました。
そして今回三幕のバレエ『シンデレラ』の振り付けと言いう大仕事を任されるに至りました。
チケットの売れ行きはとても良く、皆んなの期待が大きい作品だと言うことがわかります。
バレエ『シンデレラ』と言うと、私の頭に浮かぶのは、パリ・オペラ座のヌレエフ版『シンデレラ』です。
DVDでしか見たことがありませんが、素晴らしい作品だと思います。
振り付けも独特で目が離せないけれど、ストーリーの展開が何よりも面白いです。主人公と一緒に夢を見ることができる作品だと思います。
さて、デンマーク王立バレエ団の『シンデレラ』に戻りますが、私は今日ジェネラルを観てきました。音楽はプロコフィエフだと分かっていたし、パリ・オペのお陰で元々良い印象がある作品なので、もちろん大いに期待していました。
振り付けだけでなく、舞台装飾、衣装の担当が前シーズン、とても素晴らしかったリアム・スカレット版の『スペードの女王』と同じジョン・モレルと言う事で、そちらを観るのもワクワク楽しみにしていました。
初日前なのに内容を暴露するような事書いていいかわかりませんが、まあ日本語だから大丈夫と言うことにしてこっそり書きます。
その私の期待は、裏切られてしまいました。
ダンサーはよかったし、衣装もまあまあ良かったし、何が特別凄く悪い、と言うわけではないのですが、私には退屈な作品でした。
何が原因か、と言うと、それがなんとお伽話の『シンデレラ』そのものだったことです。正に誰もが暗記しているあのシンデレラのお話です。
当たり前と言えば当たり前なのですが、それが私には全く信じられないことでした。
最後には、意地悪継母も妖精の魔法の棒の一振りで改心してハッピーエンド。
ディズニーのロゴがどこかに付いているのではないか?と目を凝らして探してしまったくらいです。
今この時代に、この大劇場?の舞台で、ただのお伽話の『シンデレラ』を新作として売りだすんですか〜〜???それって出来るんですね???なんだこれ〜〜!?、ちょっと、ちょっと、お子さま向けバレエですか?いや、もしかしたら、本当に子ども向けだったの?そんなわけはないよね〜......と、凄〜〜くモヤモヤした気持ちが残りました。
こんなに刺激を求めて自分がバレエを観に行っていたとは知りませんでした。
でもこの作品が私を別世界にも夢の世界にも連れて行ってくれることがなく、ただあのどうでもいい物語の再確認で終わってしまったのが、期待が大きかっただけにとても残念でした。
もちろんこれは私の個人的な感想なので、万が一チケット購入済みのデンマーク在住の方がこのブログを読んでいたら、どうぞ気にしないで観に行ってください。
ダンサー達の踊りはとても上質でした。お伽話で夢見れる純粋な子どもたちには勧めたい作品だと思います。20時開幕で2時間半強の上演時間がたまに傷だけど、マチネ公演も2回ありますよ〜〜!
『Askepot 』は、デンマーク語で『シンデレラ』と言う意味です。
この魔法の靴が、私たちをメルヘンの世界に誘う、と言う設定でした。