こんな話を、ある種の美談として聞いた事がある人、いると思います。
実は、デンマークでもそうだった、そうです。
でもそれは本当に美談でしょうか?
「日本人はちゃんと海外旅行保険をかけてきているのだから、払って貰えばいいのに、払ってもらう方法がないみたいなのよ」
と、ガイドをしていた知り合いが少しイライラして話していました。
それもそのはず、
デンマークに住んでいると、医療費の自己負担はゼロですが、もちろんお金がかかっていないわけではありません。公的支出、つまりデンマークに住んでいる人たちが払った税金から支出されます。
今日読んだ新聞の記事によると、
「法律に穴があったため、ヨーロッパ以外の国から来た観光客、例えばアメリカ、中国、日本からの観光客が、救急で病院に運ばれて治療を受けた時、治療費の支払いを請求する事が不可能だった」
そうです。
でも、それは「過去のこと」になるそうです。
法律が改正されて、請求が可能だった継続治療費と同じように、救急治療費も請求できるようになった、そうです。
観光客の無料治療にかかる公的支出は、馬鹿にならない額だったようです。
なんでも、ヨーロッパからの観光客にかかった請求できるのにされていなかった治療費(そちらの方が実は高額)を足すと、外国人観光客の治療に、年間およそ400万クローナ(約70億円)かかっているそうです。
「医療費は、観光客ではなく、デンマークに住む人のために使われるべきである」が保健相からのメッセージ。
これには、我が家のデンマーク人も大いに納得しています。
今後は、デンマークにやって来て、運悪く怪我をして病院に運ばれた時、「旅行保険がありますか?治療費の請求先を教えて下さい」と尋ねられる、と思います。
だから、これからは、デンマークに旅行でいらっしゃる時も、万が一に備えて、海外旅行保険、お忘れなく!