バレエを美しく表現するために「足」は重要な役割を果たすようです。
念のため断っておきますが「脚」ではありません「足」です。
だから、素人で、そこまで「足」の意味がわからないながら、今は洗脳されて、ダンサーを見ると、自然と足に目が行くようになりました。
とにかくバレエ学校の「足への拘り」は恐ろしいほどです。
特に女の子。
私の目には全てが整っているように見えるクラスメイト達が退学になった理由の断然トップは「足の甲が伸びない」です。
そして、我が家のバレエ少年が最近気になっているのもこの「足」です。
左足はまあまあ満足しているようですが、右足の伸び具合が気に入らないようです。
学校から頂く評価表の「足の伸び」の項は、今まではいつも「目標に達している」でした。
人間、左右が完全に対照ではないし、まだ成長過程の息子の体、これからまだまだ変わって行くし、なんでそんなに気になるのか、正直、私には理解できません。
でも息子はとても気になるようで、一所懸命ストレッチしています。
最近は、インターネットで自分で調べて、「僕の右足が伸びきらないのは足首のこの欠陥があるからだ、いや、あれかもしれない」とまで言い始めました。
(これは精神衛生上よくないなぁ〜)と思ったので、「お母さんに言ってもわからないから、そんなに気になるなら、担当の先生に自分で相談しなさい」と私は息子に言いました。
この「足への拘り」は、私の理解の域を超えていました。
そして私は息子のこの心の悩みを先生に説明できないし、ダンサーはダンサー同士でやってほしい、と思ったからです。
翌日息子は、担当のバレエ教師に相談したそうです。
先生は「フィジオの時間を予約しよう」と即約束してくれたそうです。
そして先生が約束して下さってから約1週間経った昨日、息子は劇場内のフィジオセラピストに行ったそうです。(はい、私には全て事後報告です)
フィジオの先生は、息子の説明をジッと聴いて、相談にのって下さった後、問題の右足を「クリック」と言う音が出るまでグッと引っ張って、足首のなにかをはめ直してくれたそうです。
「以来スプリングした時の痛みが消えた」そうで、そんな痛みがあった事さえ知らなかった私は少々焦りました。
こんな、なにもわかっていない母親ですので、フィジオの先生から家庭への連絡は一切ありません。
もし重体だったら連絡があると思うので、大した事はなかったんだなぁ〜と思っています。
なにはともあれ、精神的にも肉体的にも凄く楽になったのか、夕飯後に息子は、ビュンビュン、ピルエットをして見せてくれました。
「お母さん、ちょっとこれで脚のマッサージ手伝ってくれる?」と息子がケーキローラーを持って私の所にやってきました。
(ちょっとお詫びするか)と、ケーキローラーで、コロコロし始めたのはいいのですが、調子にのって向こう脛をコロリとやった私に、「お母さん!そこに筋肉ないよ!痛い 痛い」と息子。
全く今回は、ダンサーになるなら、自分で頑張るしかないな!と息子に実感させてしまった一件だった、と思います。
でも、それが可能な環境に息子がいる事、本当に良かったな〜と感謝しています。
息子は2週間後にもう一度フィジオの先生の所に行くそうです。
「まだ、この右足の伸び具合がちょっと気になるんだよなぁ〜」と、今回は私を揶揄う目付きで言う息子。
(はいはい、そうですか!どうぞ納得行くまで先生に相談しておくれ!)