秋休みが終わってから、毎日『くるみ割り人形』のリハーサルで大忙しのバレエ学校の子供達。息子は11月11日初演の芸術監督ニコライ・ヒュップ改訂版、新作『ライモンダ』にも出演するため、両方のリハーサルでそれこそパンパンのスケジュールです。
明日からその『ライモンダ』の舞台リハーサルが始まり、夕方にはいきなり一般公開リハーサルもあります。
この公開リハーサル、入場無料で誰でも気軽に入る事が出来ます。いつもは水以外の飲み物や食べ物を持って観客席に座る事は出来ませんが、公開リハーサルの時は、食べ物持ち込みOKです。土曜日の午前中の時が多いので、ブランチを持って入場する人が多いです。明日は17:30分からです。コーヒーやワインを片手に楽しむバレエは最高ですよ!明日は芸術監督と衣装担当のRichard Hudsonへのインタビューもあるようです。ご興味のある方、詳しくはこちらでどうぞ!
さて、『ライモンダ』の「奴隷の子供達」の役はキャストが1つで、ただ忙しいだけですが、『くるみ割り人形』は、第2キャストに配役された息子、まあ色々と苦労があるようです。
第1キャストと第2キャストの違いは、去年も書いたので繰り返しになると思いますが、少し書きます。
第1キャストはプレミアで踊ります。そして地方や海外ツアーがある時、出かけるのは第1キャストです。
リハーサルでは第1キャストの練習が優先されます。第2キャストの子達は、第1キャストの子が踊るのを見て、その子達が注意されるのを聞いて、踊りを覚えます。そして、やっと自分達がリハーサルする時が来たら、役を直接指導してもらっていなくても、踊れなければなりません。
それでは、どうやって第1、第2キャストに分けられるか?と言うと、それはインストラクターに聞いてください、と言いたいです。
でも娘と息子を通した経験から想像できる、第1キャストに配役される子の大きな2つの特徴は、
1.最もその役に適した子。
2.バレエ学校在学歴がより長い子。
だと思います。それに第3条件として、配役される子達同士のバランス、が加わるでしょう。
また1.の最もその役に適した子、とは何か、と言うと、子役の場合バレエの才能とはあまり関係ありません。例えば主役級の役ですと、子供の時にガンガン踊って、大人になってバレエ界に残る子はデンマークでは比較的少ないです。では何かと言うと、それはズバリ容姿です(顔、髪の色、背丈)。それに演技力と集中力が物を言います。
とにかく、小学校の途中で入学した娘は、始め第2キャストに配役される事が多かったです。後になって第1キャストに昇進?しました。
だから、踊りたくても踊らせてもらえないで見ている辛さ、しっかり踊りを覚えられなくて嫌味を言われた時の悔しい思い、何度も何度も聞きました。
同じ年齢の子達の中では1番の古株の息子は、ほぼ毎回第1キャストで、そう言う苦労をしないで過ごして来ました。
でも今回第2キャストに配役された事で、それがいいメンタル・トレーニングになっているようです。
昨日は、練習が始まって1週間半が経って、初めて第2キャストが踊る事になったそうです。
しかも、結構長い第1幕のクリスマスパーティーのシーンを、いきなり通しで踊らなければならなかったそうです。
息子は2年前も『くるみ割り人形』に出演しました。男の子と女の子6人ずつで踊るこのシーンの踊りは、役が違うので動く位置は違いますが、ほぼ覚えていました。
12人中経験者は息子を含めた2人だけだそうです。
息子は12人の中で最年長(小学校6年生)の1人、しかも役を知っている、そして何より第2キャストの運命を理解していたので、第1キャストが指導を受けている時、横でグループをまとめて、出来る限り一緒に踊るようにしていたそうです。
ですが、たとえバレエ少年少女とは言え、まだまだ小学生、皆んなが皆んな、第1キャストが先生から指導を受けている横で、グループの踊りに集中出来ていたわけではなかったようです。
やっと自分達の番が回って来て、一通り踊り終わった後「間違えだらけで、通しで踊らせて時間の無駄だった」と先生に言われたそうです。
「僕たちの踊りを見て、第1キャストの子達、クスクス笑っていたよ」「直接指導受けてないんだから、仕方ないんだよ」と息子。
自分と役を分けている子に「キチンと踊れていたのは君だけだった、でも1つ間違ってたところがあるよ」と指摘されて、カチンと来たそうです。
「第1キャストに配役されたら言葉と態度に気をつけようと思った」そうです。
頑張れ、息子!