デンマークの6月の終わりの風物詩、それは学生帽です。
6月半ばを過ぎると、ポツリポツリと独特な形と色の学生帽を被った、誇らしげな若者の姿が目に留まります。
それが、6月の終わりになると、街中、学生帽の若者で溢れます。
それは、こんな帽子です。
事情を知らない観光客は、(何でこの変な帽子が、今デンマークで若者の間でこんなに流行っているのかなぁ?)なんて不思議に思うかもしれません。
これは、高校卒業試験に合格した子たちが被ることが許される帽子です。
1856年からある伝統です。
元々、普通高校卒業生のみが被ったエンジ色のバンドの帽子だけでしたが、1970年代から技術高校等の高校卒業生も色違いのバンドで同じ形の帽子を被る様になりました。
元々帽子は黒かったのですが、直ぐに白が主流になりました。今では、黒い帽子を被るのは、5科目以上でAレベル(最高位)を選択した生徒に限ります。
この帽子は、各生徒が最後の口頭試験科目を終了した直後に、その科目の担任の先生に被せてもらいます。
口頭試験の日は、生徒によって違いますが、うちの長女は今日でした。
そして、この日にも欠かせない伝統があります。
生徒が試験を受けている最中に、家族は花束やシャンペンを持って試験会場の前に集合します。
試験が終わって、生徒が出てくると、先生とほかの高校から来た審査員が採点している間、皆んなで教室の外で待ちます。
先生が出て来て、評価を伝え、「おめでとう」の言葉と共に帽子を被せてくれます。
感無量の瞬間です。
この日を体験するのは、長男、次男に続き3度目ですが、また涙が出ました。長女、本当によく頑張りました。
おめでとう!
高校に到着すると、お馴染みの国旗が出迎えてくれました。
娘の最終試験科目は「歴史」「コミュニズムの崩壊について述べよ」と言うテーマを引いた娘は、約30分の口頭試験の最中です。
私達は、この日に欠かせない一輪の赤い薔薇を持って、教室の外で待機。
被せてもらう帽子も準備OK。
「おめでとう」と歴史の先生。娘は最高点の12点を頂きました。
帽子を先生に被せてもらう娘。
おばあちゃんから、大きな花束を受け取って感無量の娘。