デンマークに暮らしていると、きっと誰もが覚える事。
それはパンを焼く事です。
デンマークの家庭では、ホームメードのパンは当たり前。デンマークのパン屋さんのパンは焼きたてでとても美味しいので、別に自分で作る必要も無いのですが、それは結構の値段がするからでしょうか?皆さんお忙しいのに本当に良く手作りしてます。
私も、勿論よく作ります。
初めのうちは、やっぱり日本風のパンを作りました。食パン、ロールパン、菓子パン、クロワッサン、デニッシュ。自分で書くのも何ですが、パン作りは結構自信があります。
デンマークのライ麦パンも良く作りました。
でも、最後に行き着いて、それこそ毎日のように作るのは、「長時間発酵パン」です。
前の晩に、手元にある粉やオートミール、カボチャやヒマワリの種、ゴマ、とにかくある物を数種類、適当に合わせて、それに塩と水、生イーストを豆一つくらい溶かして入れてサッと混ぜます。
一晩発酵させます。
そして、翌朝、お弁当を作っている間に焼きます。
第2発酵とかめんどくさい事は一切しません。
柔らかい生地なので、スプーンですくって、鉄板上に丸パンに形作り、オーブンで焼くだけです。
全粒子はゆっくり発酵させた方が栄養分が良く出るとかで、今でこそブームで大人気の「長時間発酵パン」ですが、私がそれを焼き始めた原因は、1998年の大ストライキです。
11日間労働ストライキが続き、スーパーから、食料品の多くが姿を消しました。その中で特にイーストが買えなくなった事が大問題を引き起こしました。「あそこのお店にはイーストが売っている」と言う噂が流れると、客が殺到して溜め買いをする、1つのイーストを争って喧嘩する、それは「イースト騒動」として歴史の本に残るんじゃないか!?と言う程の物でした。
その時私が学んだのは、「手元のイーストを長持ちさせる」と言う事でした。つまり「ちょっとだけ使う、イーストが少ない分長く発酵させる」と言うことでした。
朝焼きたてのパン、まだ熱々なのを割って、チーズを挟んでお皿の間でペシャンコにして溶かします。子供達は「パニーニ」と言って喜んで食べてくれます。
その晩の気分で入れる粉も量も違うのでレシピなどありません。
今朝のパンには、ライ麦粉、マニトバ粉、グラハム粉と、オートミール、塩と水とヨーグルト、それから豆粒大のイーストが入っています。
今日も一日頑張ろう!