「シベリアからモスクワへ」 | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

「シベリアからモスクワへ」と言うバレエをご存知ですか?1876年に初演された、ブルノンヴィル(1805-1879)最後の大作だそうです。

昨日、ブルノンヴィルと言えばこの人!と世界的に有名なディーナ・ビヨーン(Dinna
Bjørn)さんの講演会に行って来ました。

ニーナ・アナニアシヴィリの依頼で、2009年に「シベリアからモスクワへ」を
グルジア国立バレエ団のために復元した時のお話をされました。

1874年にロシアを訪問したブルノンヴィルは、マリウス・プティパと交流して、彼の作品を複数鑑賞しました。そして帰国後、ロシア滞在で得たインスピレーションで、「シベリアからモスクワへ」を発表しました。

この作品は1904年まで計46回大好評で上演されたそうですが、その後デンマーク王立劇場のレパートリーから消えてしまいました。

1917年に再演しようと準備していたものの、ロシア革命が勃発して諦められたそうです。

物語は、シベリアに流された乙女が、同じ様に流された軍人と恋に落ち、最後にはロシア皇帝に認められてモスクワでハッピーエンド、と言うものだそうです。

ブルノンヴィル自身の手書きのノートを元に、ディーナ・ビョーンが手掛けた作品の復元に関しての講演は、ノートの解読作業中の苦労話、その過程での新しい発見等の逸話が、珍しいリハーサル中のビデオと共に、本当に興味深かったです。休憩では、ブルノンヴィル直筆のノートを見ることもできました。

実は我が家にも王立劇場の役者だった先祖宛のブルノンヴィル直筆の手紙があります。ゴシック様式のアルファベットで書かれたブルノンヴィルの字は、とても美しいのですが正直全く読めません。

普通の手紙でもこれですから、略語や記号を使ったバレエの振り付けノートを解読し、1つのバレエ全幕を復元したディーナさんのお仕事はまさに大偉業です。

グルジア国立バレエ団芸術監督ニーナ・アナニアシヴィリはデンマーク王立バレエ団と関係が深く、ブルノンヴィルの良い理解者だそうです。

2018年には「シベリアからモスクワへ」が再演されると言うことで、来年は皆んなでトビリシに行こう!との呼び掛けで講演が終わりました。

下に貼り付ける「ジョッキーダンス」は、今でこそ有名ですが、これも1979年に、ディーナさんが苦労して復元されたもので、「シベリアからモスクワへ」第二幕の「ヨーロッパの河」ディヴェルティスマンの1つ。「Themsen」つまり「テムズ河」イギリスの踊りです。

因みに他にも「Guadalquivir」(スペイン)、「Rhone」(フランス)、「Rhinen」(ドイツ)、「Neva 」(ロシア)があって、2009年、グルジア国立バレエ初演の時の録画を観ましたが、面白かったです。本当にトビリシに行きたい!