ちなみに、おそらく皆さんもご存知の通り、一番古いのは1713年パリオペラ、2番目は1738年サンクトペテルブルグの帝室バレエ学校でした。
デンマーク王立劇場バレエ学校はフランス流バレエの伝統とブルノンヴィルの家元としてその伝承を重んじるとても古典的な学校です。
でもそれと同時に新しい事を試すのを恐れない学校だな!と私は思います。その証拠の一つがKompagni Bです。
Kompagni B は 子どものための、子どもが出てくる、子どもによって作られる、世界で初めてのプロの子どもバレエ団です。(デンマーク人大好きの世界で初めてがここでも登場!それはどの国でも同じかもしれませんが、デンマークではこんな小さな国なのにと言うおまけが付くのが特徴です。)
大人のバレエ団のセカンドカンパニーでも、エリート的ジュニアカンパニーでもありません。大人の言う事に従って行動するのではなく、子どもがバレエ芸術と創造性に自ら責任を持ち、自発的に全ての過程に参加する事を最も重視したのがKompagni Bです。2009年に誕生、バレエ学校の8年生と9年生(13歳から16歳までの生徒)全員が団員です。
様々なメディアで子どもによる色々なパフォーマンスが溢れる現代、古典バレエは子どもの観客を持っているだろうか?バレエ学校の生徒はパフォーマーとして魅力的か?どうすればバレエ学校の生徒はバレエ芸術の大使になり得るか?伝統的なバレエ教育は現代っ子に合っているか?古典バレエは伝統的な技術を磨く事が一番大切だけどそれだけではないのではないか?などなど、沢山の疑問が生まれました。
そして、時代に合った、より良いパフォーマーを育てるには新しい教育が必要であると言う信念の元に、バレエ学校のバレエ教育の一環としKompagni Bは出来ました。
Kids2kids と言って小学生対象のワークショップを開いて古典バレエの伝承に努める活動を主に国内でしています。海外遠征もあり、アメリカ、ブラジル、最近では中国の北京バレエアカデミーとの交流が親密です。その他、毎年子どもたちが製作の第一歩から責任を持って関わった一時間位の作品を中学生対象に発表し旧舞台で公演します。
その公演のタイトルは「ブルノンヴィルと朝食を」と決まっていますが、内容は毎年新しく表現したいテーマを決めて、振り付けは勿論、プログラミング、衣装、舞台装飾、全て自分達で作り上げます。
去年までは7年生から団員になったので、8年生の娘は今年は団員2年目です。11月末から12月初めには一週間地方公演にでかけるため、今その準備でとても忙しそうです。