2024年7月度(第152回)mwe交流会を開催しました! | mwe

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Medical Welfare Environment

◆今月のmwe交流会のテーマは?
今月のmwe交流会のテーマは、
医療費・介護費の増加を少しでも減らし、社会保障の持続可能性を高めるために…
『誰もが毎日を健康で、生き生きと暮らせる健康長寿社会づくりを考えよう!』
です。


今後、シニア層の人々が急増する中、世界のどの国も経験したことのない超高齢化社会

を迎えることになります。そして、これまで以上にQOL(Quality of Life)、
すなわち生活の質により多くの関心が寄せられるようになりました。
皆さんは5年後、10年後もQOLを維持した生活ができているでしょうか?

こうした中、一人ひとりが生き生きと暮らしていくためには、単に長寿であるだけでなく、
「いかに健康で過ごすことができる期間を長く保つか?」が最重要課題となりました。

そのためには、健康寿命の延伸健康寿命社会の実現が必要です。
これらが実現されることで、結果的に医療費・介護費の増加を少しでも抑えることができ、
国民負担の軽減につながると共に、社会保障の持続可能性を高めることになります。

健康寿命の延伸と健康寿命社会の実現に向け、日々の運動習慣食生活の改善
取組むことが、生活習慣病の発症や重症化を予防することに繋がるんだということに
気付く交流会になりました!

今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆理事長によるmweフィロソフィの共有


毎月、交流会の始まりは、mwe杉田理事長によるmweフィロソフィの共有からです。

mwe活動で大切にしている理念(「利他」「協働」)を異なる側面からお話する時間です。

日頃、仕事に追われて、忘れている「大前提」「原理原則」に立ち返る時間になっています。

今月のテーマは、『「高く、大きい目標」を持ち、達成するには』です。


◆財団交流会 講演①◆


テーマ :「 健康長寿埼玉プロジェクトについて 」
     ~県民一人ひとりが健康づくりに取組む社会へ~
講 師 : 埼玉県 保健医療部 健康長寿課 総務・健康づくり担当
               主任 石坂 隼平 様 / 主査 須網 英夫 様 
               主査 飯田 浩美 様 / 主事 守 菜々子 様

交流会前半は埼玉県 健康長寿課より、埼玉県の健康寿命延伸に向けた推進事業

(➡『健康長寿埼玉プロジェクト』)について解説を頂きました。

同課から4名の講師を派遣いただきました。ありがとうございました!

<歩数管理アプリを活用した健康づくり>
石坂 隼平 様からは「埼玉県コバトン健康マイレージ」から「コバトンALKOOマイレージ」

に移行するまでの流れ、経緯、移行後の効果について解説がありました。

コバトン健康マイレージは、ウォーキングや特定特定健診の受診などでポイントを貯め、  
抽選で賞品が当たり、楽しみながら、手軽に健康づくりができる事業として平成29年~

令和5年まで実施されていました。参加者は歩数計やスマホを携帯し、歩数をカウント。

公的機関や店舗に設置された歩数計読み取り機に登録し、歩数に応じて付与された

ポイントで埼玉県産農産物や協賛企業からの商品をゲットできる仕組みです。
 

mweでも2年前に交流会内でコバトン健康マイレージの登録会を行い、

参加者24名が登録を行いました。

その後、操作性・利便性向上を図るため、ナビタイムジャパンが提供するアプリ

(ALKOO)を活用し、埼玉県版としてカスタマイズした「コバトンALKOOマイレージ」

が新装されます。歩数に応じてポイントが付与される機能はそのまま引き継ぎつつも、

より使い易く、歩くことを楽しめる機能が追加されました。
 

「より使い易く」では、アプリを起動するだけで自動で歩数を記録できるようになりました。

ジョギング時に使用するアプリと同じで使いやすそうですね!
「楽しめる」では、日陰や日なたを優先したルートを地図上に表示する機能が追加され、

この猛暑の中でも比較的歩きやすいルートを選択することが可能になりました!

また、隠れた効果として、今回のアプリ改装によって従来の健康マイレージの運営費

(2億円)が、新装版では3,000万円に削減できました!

使い易くなって、運営費も安くなり、好い事尽くしですね!

<健康経営に関する埼玉県の取組み>
須網 英夫 様からは「健康経営」について解説がありました。

まず、健康経営とは、従業員の健康管理を「投資」という経営的視点で捉え、

経営戦略に組み込み、実践することです。具体的には「健診の受診勧奨」「有給休暇の

取得促進」「長時間労働対策」など働き方改革の取り組みや、「食生活改善の情報提供」

「運動機会の提供」「受動喫煙対策」が挙げられます。
 

企業価値を産み出し、高めるのは機械ではなくヒトであるという点で、

従業員に対する取り組みが【コストから投資】へと切り替わることになります。

現在、健康経営に取組むことを宣言した事業所(健康宣言事業所)は3,351事業所あり、

実際に1年以上の取組みをする事業所(健康経営実践事業所)は2,209事業所まで

増えています(令和6年4月末時点)。

認定のメリットは以下の4点です。
 ①認定証・認証ロゴマークを交付し、県ホームページ等でPR
 ②ハローワークの求人票に認定を取得している旨を記載できる
 ③県からの情報提供

  (メールマガジンにより、健康経営に関するセミナー開催情報などの提供)
 ④融資を受ける際に、一般保証よりも有利な条件での信用保証を提供

認定登録は企業に限られた訳ではなく、大学や任意団体も積極的に認定取得が可能

ということです。今回、日本薬科大学からもお三方が参加されていますが、大学でも

健康経営を取得することで、学生たちが「健康経営」を切り口に「ウェルビーイング」

「健康寿命の延伸」といった社会課題に入るきっかけを作ることができればと思います。

埼玉県初!大学での健康経営の取得を期待しています!

<埼玉県受動喫煙防止対策実施施設認証制度について>
飯田 浩美 様からは「埼玉県受動喫煙防止対策」が生まれた背景、認証制度の現状

について解説がありました。

受動喫煙への配慮が必要な理由は、重大な健康影響があるためで、たばこの煙には

約5,300種類の化学物質が含まれ、70種類近くの発がん関連物質が含まれており、

がんや循環器疾患、呼吸器疾患等の健康リスクを高めるとされています。
 

令和2年4月1日に全面施行された健康増進法では、「望まない受動喫煙の防止」

が改正の趣旨となっています。

 埼玉県の喫煙率の推移は・・・
   平成15年  男性51.7% 女性14.4%
   令和 4年   男性23.0% 女性6.7%     減少傾向にあります。

 受動喫煙に遭遇する場所として・・・
          平成30年 ➡ 令和4年
   1位 路 上  55.7%    50.5%
   2位 飲食店  51.7%    24.0%
   3位 職 場  25.2%    16.6%   いずれも減少傾向にあります。

飲食店の場合は、「喫煙スペース」が確保されているか、「喫煙OKのお店」

と打ち出しているので、望まない受動喫煙を避けることができるような状況に

近づいていると思います。それが%の減少に現れています。
 

ただし、路上では依然として、平気で喫煙をする人って多いですよね。

コロナ禍、マスクをしていた時、路上喫煙・歩きタバコをしている人とすれ違う時、

不織布マスクで煙を吸い込むとマスクが台無しになった記憶があります…。

さて、埼玉県では、「受動喫煙防止対策実施施設認証制度」を行っており、

現在5,160事業所が認証施設として登録(令和6年3月末時点)しています。

認証の対象は、飲食店・店舗・オフィス・事業所・工場で、健康増進法上、

第二種施設として原則屋内禁煙が義務付けられている施設が対象です。
 

認証のメリットは以下の3点です。
 1.認証ステッカーと認証書が交付
 2.「埼玉県受動喫煙防止対策認証施設」として県ホームページでPR
 3.従業員の方々やお客様の健康に配慮した環境づくりに取組むことがPRできる

認証は電子申請で行いますので、ご関心がおありの際は、埼玉県専用サイト

アクセスなさって下さい。https://www.pref.saitama.lg.jp/a0704/kitsuentaisaku/shisetsu.html

<埼玉県における熱中症対策について>
守 菜々子 様からは「埼玉県の熱中症対策」について解説がありました。

埼玉県における熱中症の救急搬送は、5,719名(令和5年5月1日~9月30日)

と年々、増加傾向です。年代別、発生場所別で見てみると・・・

年代別では、最も割合が多いのが「65歳以上(53.6%)」で、次が「18歳以上65歳未満(35.1%)」となっています。18歳以上で9割近くと多いですね。
発生場所別では、最も割合が多いのが「住居(38.4%)」で、次が「道路(22.6%)」

「仕事場(12.2%)」と続きます…。意外にも住居内での熱中症が多いのが驚きでした。

これらのデータから、高齢者(独居)が自宅で過ごしている間の熱中症対策が最も必要な

時期になったと思います。特にシニアの方々はエアコンを使いたがらないケースもあり、

知らず知らずのうちに熱中症っぽくなってしまうのが心配です…。

この他、「熱中症警戒アラート」と今年から新設された「熱中症特別警戒アラート」

について解説をいただきました。
 

「熱中症“特別”警戒アラート」は、過去に例のない危険な暑さが想定され、

健康に重大な被害が生じる恐れがある場合、命を守る行動をお願いするもので、

環境省が発表します。私たち生活者は不要不急の外出をできるだけ控え、

自宅ではエアコンを使用することが求められます。
 

その他、イベント主催者側になった場合は、十分な熱中症対策ができない場合、

イベントの中止・延期・変更の判断が求められます。本当に暑い日が続きますので、

体調に十分配慮されながら、活動なさって下さい。


◆財団交流会 講演②◆


テーマ :「 明日をつくる 今日の食卓 」
     ~食事を見直し、健康長寿を延ばそう!~
講 師 : 大塚食品株式会社 法人営業部 部 長 補 佐 浅野 泰孝 様
            ヘルスケアコミュニケーション部 管理栄養士 和田 義樹 様

後半は、トータルヘルスケアに向け、自社商品で健康課題の解決に取組む大塚食品㈱

浅野様・和田様に「栄養全般」について解説いただきました。

大塚食品㈱は皆さんもお馴染みの会社ですね。“オロナミンC” “ポカリスエット”

“ボンカレー” “カロリーメイト” など、わたしも度々、お世話になっています。

大塚食品㈱は、2021年に創業100周年を迎えた老舗企業です。

企業理念【食は心にはじまり「美味・安全・安心・健康」を創る

コーポレートスローガン【大切な人にずっと元気でいてほしいからを掲げています。
その一環としてトータルヘルスケア領域での情報提供が今回の講演の主題です。

<カロリー(糖質)コントロール>
エネルギーの摂り過ぎに注意が必要で、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが
重要です。仮に1食80kcal(ご飯軽く半分程度)のオーバーを3食、毎日続けてしまうと、
1カ月で約1㎏の体重増
になってしまいます。


加齢による基礎代謝の低下も加わるとより加速します。若い頃と同じ量を食べていると
太りがちになってしまうのは基礎代謝が原因です。

 “240kcal”の食事と運動の関係性
 240kcalの食事 「ごはん1膳」 「食パン1枚」 「シュークリーム1個」
 240kcalの運動 「ウォーキング2時間」 「ジョギング45分」 「水泳30分」


いかがですか?思ったよりもカロリーって消費されないんですね。

『ごはん、おかわり!』と思っても『ジョギング45分か…』だと食欲がなくなりますね。

<塩分コントロール>
私たちの食事は本当に塩分が高い状態です…。
現状の食塩摂取量は10.1g/日となっており、これは国際的基準(WHOの基準)の5g

/日の2倍の水準です。厚生労働省は健康日本21の中で塩分摂取量8.0g/日(第2次)、

7g/日(第3次)を掲げていますが、それらにも及ばない数字です。

塩分を採り過ぎることのカラダへのリスクには、「血圧上昇・高血圧」「心肥大」

「動脈硬化」「心不全」「心筋梗塞」「脳卒中」「腎不全」「腎結石」「骨粗鬆症」

「胃がん」が挙げられます。特に腎臓への負荷が大きくなってしまいます。
 

血圧を下げる生活習慣には、減塩➡肥満の予防・改善(BMI:25未満)➡節酒➡運動

(毎日30分以上、週180分以上)➡食事パターン➡禁煙(受動喫煙も避ける)

のサイクルをぐるぐる回すことが必要です。

減塩のためにできること。
 減塩の方法は・・・
   ・漬物や塩蔵品は控えめに
   ・汁物は控えめに
   ・味噌汁は具沢山に
   ・麺類のスープは残す
   ・ドレッシングは掛け過ぎに注意(掛けるより、付ける)
   ・寿司や餃子の付け醤油に注意
 減塩調理方法は・・・
   ・調味料はきちんと計算する
   ・だしの風味や酸味を活かす
   ・酸味や辛味・スパイスを上手に使う
   ・表面に味を付ける
   ・減塩調味料や加工食品を上手に使う

<栄養管理・減塩・カロリーコントロールのためのソリューション>
大塚食品では生活者・高齢者の栄養管理のため、減塩のサポートとして「マイサイズ」
を提案しています。レトルトカレーのサイズでメニューが豊富な「マイサイズ」が

忙しい私たちにピッタリのソリューションです。

マイサイズ5つの特長
1.簡単カロリー計算
  :食事のサイズがひと目でわかるので、簡単にカロリー計算ができる
2.塩分コントロール
  :1人前、塩分2g以下の適塩設計。さらに塩分量を分かり易く表示
3.濃厚さ、コクにこだわった味づくり
  :食材選びにこだわり、食材のうま味を重ねて、よりしっかりとした美味しさが

   実感できる「濃厚さ・コク」を追求した味創り
4.充実のラインナップ
  :全18種類とラインナップが豊富で、その日の気分で味が選べる
5.簡単調理
  :箱ごとレンジで加熱ができるので、調理が簡単

大塚食品では、1日3食すべてで減塩・カロリーコントロールをするのではなく、

「1食だけ置き換え」のソフト減塩、ソフトカロリーコントロールを提案しています。
 

例えば・・・
 (Aパターンの食事)  総カロリー:2,334kcal・総塩分:15.1g
   朝:サンドイッチ・カフェオレ
   昼:ラーメン・チャーハン定食
   夕:居酒屋(焼き鳥・漬物・ビール)

     ↓ ここでお昼を「マイサイズ」に「置き換え」

 (Aパターンの食事)  総カロリー:1,390kcal・総塩分:6.3g
   朝:サンドイッチ・カフェオレ
   昼:マイサイズ(ビーフカレー+マンナンごはん)
   夕:居酒屋(焼き鳥・漬物・ビール)

      いかがですか?「1食だけの置き換え」であれば、できそうですよね。

<大塚食品の健康勉強会・講演活動>
大塚食品㈱では、今回の交流会のように食を通じた健康に関する勉強会・講演会を積極
的に実施しています。同社にとって、勉強会・講演会は消費者とのコミュニケーションの
一環として捉えています。

講演メニュー『明日をつくる 今日の食卓』は以下の6分野です。
1.栄養全般 ~おいしくカロリー(糖質)・塩分コントロール~
2.減  塩 ~おいしい減塩習慣のコツは?~
3.カロリー(糖質)コントロール ~メタボ・肥満対策~
4.たんぱく質 ~減塩とたんぱく質摂取の両立は?~
5.ブラントベースフード ~健康長寿の食材/大豆のチカラ~
6.免  疫 ~食物繊維で腸内環境を整えよう~


実際、スーパーマーケットの顧客向けの健康ミニ講座や、行政と連携した市民講座を

開催しています。その他にも薬剤師・管理栄養士・医療事務者向け研修も実施し、

幅広いコミュニケーションの場となっています。直近開催(6月22日)、和光市の

イトーヨーカ堂での彩の国フェアの様子も共有いただきました。

また、今回は大塚食品㈱ 様のご厚意で参加者への飲料(クリスタルガイザー)

お土産としてマイサイズをご用意いただきました。ありがとうございました!

 

来月、8月度mwe交流会は、お休みです。

次回、9月度mwe交流会は、9月10日(火)開催です。

<交流会テーマ> 
“がん”は万が一の病から1/2の病へと変わってきた、いまだからこそ…
『身近になった“がん”との付き合い方・折り合いの付け方を学ぼう!』


今や日本では「2人に1人」が、がんに罹る可能性があります。
また「3人に1人」が、がんが原因で亡くなっています。埼玉県でも、年間2万人※が、

がんによって命を落としています。(※2018年埼玉県がん統計より)
 

一方で、がんは早期発見・早期治療により治せる病気になっています。初期のがんには

ほとんど自覚症状がなく、早期発見のため、定期的にがん検診を受診することが大切です。
県では、がん検診受診率60%を目指し啓発活動に取り組んでいますが、

残念ながら目標に達しておらず、全国平均も下回っている状況です。
 

そこで、民間企業や団体と協力して、がん検診の重要性などの普及啓発活動や、

がんに関する正しい知識の普及啓発に取り組んでいます(mweは2013年から埼玉県

「がん啓発・がん検診受診率向上に向けた包括的連携協定」を締結しています)。

 

毎年9月は地域貢献イベント「リレー・フォー・ライフ川越」が開催されるmweにとって

大事な月です。今月は“がん”をテーマに交流会を企画しました。「事業者が知っておきたい

がんの基礎知識」や「がんのスクリーニング検査」を解説いただきます。

<講演>
講演① 「がん治療と仕事の両立の現状と、埼玉県の支援事業について」
     ~事業者が知っておきたい、“がん”の基礎知識~
講 師  埼玉県 保健医療部 疾病対策課 主幹 田中様
 

講演② 「たった6㎖の採血で“がん”と“認知症”のリスク診断が可能に!」
~症状が現れていない人の病気を見つけるスクリーニング検査~
講 師  株式会社 レナテック 最高顧問 稲垣精一様