mwe

mwe

Medical Welfare Environment

◆今月のmwe交流会のテーマは?
今月のmwe交流会のテーマは、
高齢者・障がい者の“身体機能の改善・補助”で、QOLを高めるために…
『健康・福祉の現場で“ヒトとロボットが融合”した先進事例から学ぼう!』


皆さんは、“HAL”(ハル)をご存知でしょうか?足・腰に装着するロボットスーツで、
人の動作を支援・補助する世界初のサイボーグ型ロボットです。

人は身体を動かそうとする時、その運動意思が脳神経系から筋肉に伝達されますが、
その際にわずかな生体電位信号が発生し、皮膚表面に漏れ出します。HALは、皮膚表面に
貼りつけたセンサーでその電気信号を読み取り、それをもとにパワーユニットを制御して、

筋肉の動きと一体になって人の動作を支援してくれます。

一言で言えば、「人の意思を読み取り、人の動きをサポートするロボット」です。

今回、HALを開発し、上市したCYBERDYNE株式会社が直接、ロボットスーツHALの
デモンストレーションを行いました。日本全国130を超える医療・福祉の現場で300体が
稼働するHALに直接、触れる機会になりました。

また、後半は他の調剤薬局とは一味違う!“未来型薬局”に取り組んでいるファーマシー中山

の健康づくりの取組みをご紹介しました。健康測定機器による健康チェックに留まらず、

ロボットスーツHALを活用した運動習慣づくりの先進事例を共有いただきました。
今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆理事長によるmweフィロソフィの共有


毎月、交流会の始まりは、mwe杉田理事長によるmweフィロソフィの共有からです。

mwe活動で大切にしている理念(「利他」「協働」)を異なる側面からお話する時間です。

日頃、仕事に追われて、忘れている「大前提」「原理原則」に立ち返る時間になっています。

今月のテーマは、『「子供の使い」から「プロの使い」に』です。


◆財団交流会 講演①◆


テーマ :「 装着者の運動意思を読み取り、

      人と一体化して機能する装着型サイボーグHALの運用現場より 」 

     ~ ロボットスーツ“HAL(ハル)”の開発物語 ~
講 師 : CYBERDYNE株式会社 / CYBERDYNE STUDIO 代表 貴志 浩通 様

交流会前半は、2004年の創業以来、ロボットスーツ(HAL)の開発・改良を加え続け、

全国130を超える医療・福祉の現場で活用するまでに普及したCYBERDYNE㈱から

講師を派遣頂き、HALの開発物語とデモンストレーションを行いました!

講師の貴志様(“きし”様とお呼びします)は元々、医師になる夢がありましたが、

「病気の人を治す」よりも「病気にならない人を創りたい」という思いの下、

介護分野を経て同社に入社されます。現在、全国でHALが稼働し、

運動機能の回復・維持をする人々を支えています。

<サイバーダインってどんな会社?>
CYBERDYNE㈱は『⼈』+『サイバー・フィジカル空間』を扱う「サイバニクス技術」

を駆使し、人とテクノロジーが共⽣し相互に⽀え合う「テクノ・ピアサポート」の実現、

社会変⾰・産業変⾰の実現に挑戦する未来開拓企業です。

(サイバニクスとは、ギリシャ語で“夢”の意味です)

<ロボットスーツHALって何?>
HAL(Hybrid Assistive Limb)は、人の脳神経と筋系を繋ぐことで、装着者の意思に

従った動きを実現し、着るだけで⼈をサイボーグ化する世界初の技術です。

腕や脚を動かすだけではなく脳神経系と繋がり、ヒトと⼀体化することで、

脳神経・⾝体系の機能が低下した人の、機能を改善・再⽣・拡張してくれます。

実際にデモンストレーションを見て感じたことは、「HALを装着しただけでは

ピクリとも動かない」ということです。装着した人が『動かしたい』という意思から

発せられる微弱な電気信号を受信し、「本人が動こうとした時だけ動く、

人の意思を反映して動く」のがHALの特長です。

HALの動作原理は以下の通りです。
1.身体を動かそうとすると、脳→脊髄→神経を通じて筋⾁に電気的な信号が流れる。
2.その信号を⽪膚表⾯に貼ったセンサーで読み取る。
3.本人の意思として関節のモーターを制御し、本⼈の意思に沿った動作をアシストする。

4.身体を動かそうとするだけで、電気的な信号が伝わり、微弱な⽣体電位信号を検知し

  運動をアシストする。

<公的保険の適用を受けるHALと自費サービスのHAL>
現在、HALは緩徐進⾏性の神経・筋疾患のみ医療保険の適応を受けていますが、

脳卒中・脊髄損傷・パーキンソン病などは、治験・臨床検査実施中につき、現在は

医療保険の適応を受けていないため、医療保険による治療が受けることが出来ません…。

そこで、HALによるリハビリサービスを広く受けて頂くために、医療保険・介護保険

ではない、保険外⾃費リハビリサービスとして“ロボケアセンター”が設⽴されています。

現在、全国18カ所のロボケアセンターがあり、HALを使⽤したプログラムNeuro HALFIT
を自費で提供しています。施設はフィットネスクラブのような明るい雰囲気でリハビリ、

治療という雰囲気ではなく、ポジティブな場となっています。

実際にロボケアセンターに通う人々は、40%が脳卒中、30%が脊髄損傷のある

50代~70代の方々です。

身近なところ(関東エリア)のロボケアセンターは、四ツ谷・つくば・浦安・湘南・

さいたま・とちぎの6カ所です。

ロボケアセンターグループ専用サイト:https://robocare.jp/

<HALが支援するのは利用者+介助者>
HALは、運動機能の回復・維持のため利用者が活用するだけでなく、介助者の

作業軽減にも効果を発揮します。姿勢や動作に応じたアシストを行うことで、

移乗介助時の負担軽減・腰痛防止に役立っています。

動画でHALを利用する介護職員(女性)
 『若い人であれば、移乗介助は負担にならないけれど、自分(50代)は腰への負担が
  心配だった…。でもHALのお陰で大分、楽になった』
 『1ヶ⽉から2ヶ⽉に1回程度発⽣していた酷い腰痛が、HALRを使い始めてから1年、
  いや2年近く発⽣していない事に気づいた』

とコメントしていましたが、よく分かります。

もちろん、利用者の自立支援、歩行支援でもHALは大活躍しています。
 『これ(HAL)をつけてると、「スっ」て介助してくれてるように感じるので、
  前より気を使わなくなった』


サイバーダインでは、「重介護ゼロ」を目指し、生活する側・働く側双方の環境改善に

取組んでいます。

貴志様の講演の中で印象的なエピソードがありました。
イギリスの研究事例について・・・
 【⽜乳は飲むより売る⽅が健康になる】
 【ロンドンバスの運転⼿より⾞掌の⽅が⼼疾患に罹患する確率が低い】


病気になってから治す努⼒と、その⼿前で引き返すための努⼒では、後者の⽅が

明らかに少ない努⼒で済むということですね。まさに“未病”の考え方ですね!

<HALの新たな活用展開>
HALは、医療機関で使うもの、障がいなどがある⽅がリハビリで使うもの、のイメージが

ありますが、介護予防・ロコモフレイル予防・健康増進など健康な⽅でも⼗分にHALの

特性を活かしたプログラムの実施が可能で、新たな活用シーンが生まれています。

実際にフレイルと診断された高齢者に対しては・・・
フレイル、プレフレイルと診断された⾼齢者79名を、HAL実施群と⾮実施対照群に分け、

週2回×5週間、合計10回の運動プログラムに参加。その結果、10m歩⾏速度は開始時点

と比較して、HAL群で36%の向上が見られ、さらに⾝体の衰えを⽰すロコモスコアも

93%改善するなど、HALを⽤いたプログラムが⾼齢者の移動機能の⼤幅な改善に

寄与することが⽰唆されることとなりました。

この他にもスポーツ選手がHALを装着してパフォーマンス向上に取り組んだり、

工事現場の作業員・農業従事者がHALを装着し、重たいものの上げ下げ作業、

背伸び・屈む動作の負担を軽減する取り組みも拡がっています。

近年、大規模災害の被災地での復旧作業でもHALが活躍しています。がれきの撤去、

支援物資の運搬作業など、ハードな作業が必要なケースでもHALがいることで、

作業者を選ばないという効果がありました。

講演の最後には、HALのデモンストレーションが行われました。
三井ホーム 井上さんがHALを装着し、動作の負担権限を体感しました。装着はとても

スムースで遠隔のタブレットで電気信号を受信し、貴志様の指示の下、デモが進みました。

井上さんの体感としては・・・
 『太ももを使って立ち・座りをしてきたけれど、HALを使ってみて、股関節を
  うまく使うことで、負担が軽減されるのが分かった。HALのお陰で効率的な
  カラダの動かし方が判った気がする』

と仰っていました。

皆さんの街にもロボケアセンターが徐々に広がっています。


◆財団交流会 講演②◆


テーマ :「 未来型薬局に向けた“この街”の健康管理 」
     ~ 多職種連携・ロコモ・フレイル研究会~
講 師 : ファーマシー中山株式会社 取締役社長 矢部 貴之 様
      ライフステージ 事業部長・社会福祉主事 石塚 広大 様

後半は、いままでにない「未来型薬局」というコンセプトで地域の健康管理に取組む

ファーマシー中山の取組みをご紹介いただきました。医療・福祉の領域で活動する

mweメンバーにとっては先進事例としてベンチマークする機会になりました! 

【保険調剤薬局の挑戦】 ファーマシー中山株式会社 取締役社長 矢部 貴之 様
<ファーマシー中山の取組み>
ファーマシー中山は栃木県栃木市に本社を置き、栃木県・茨城県内に15店舗の

調剤薬局を持つ地域密着型の調剤薬局です。顧客志向の様々な取組みが特長で、

特にドライブスルー薬局は車社会ならではの取組みです。

患者様ファーストを掲げ、患者様の負担を減らすため、現在3店舗がドライブスルー化

されています。来客する患者の95%超が車で来店されることからファーストフード店

をベンチマークして取り入れました。

また、ファーマシー中山では、老人ホーム紹介センターとして施設紹介事業にも

取組んでいます。老人ホームをどうやって選べばいいのか分からないご本人・ご家族と、

サービス内容が千差万別の老人ホームとの間に入り、中立公平な立場で

老人ホーム探しをサポートしています。

さて、ファーマシー中山では先にご登壇されたサイバーダインのHALを取り入れた

ヘルスケア事業「コスモヘルスラボ/とちぎロボケアセンター」を立ち上げました。

これはサイバーダインが全国に17店舗展開するFC事業でとちぎロボケアセンターは

18番目の設置です。

 

調剤薬局の2階で利用者の皆さんが運動機能の維持・回復に取り組んでいます。

<調剤薬局とは?>
保険調剤を取り扱える薬局(保険薬局)は一般的に調剤薬局と呼ばれています。

町でよく見かける「保険薬局」や「処方箋受付」と看板やのぼりを立てている薬局が

これにあたり、保険薬局に医療機関で交付された処方箋を提出すると、健康保険の療養の

給付の一環として、患者は通常3割の自己負担で薬剤交付などのサービスを受けられます。

調剤薬局は分業形態によって点分業か面分業に分類されます。医療機関の近くにある

点分業が全体の4分の3を占め、それ以外の面分業は残りの4分の1となっています。

【点分業(門前薬局・門内薬局)】
特定の医療機関からの処方箋を中心に応需する分業形態。医療機関を受診したあと

すぐに薬を受け取れるため利便性が高く、薬局にとっては処方箋を応需する診療科が

決まっていたほうが薬の在庫管理がしやすい。

【面分業(かかりつけ薬局)】
医療機関を限定せず広く処方箋を応需する分業形態を、点分業に対して面分業と呼びます。

かかりつけ薬局は医薬分業の原点とされ、厚生労働省も「患者本意の医薬分業」

の実現に向けて、調剤薬局のかかりつけ薬局化を推進しています。

<調剤薬局の“医薬分業”とは?>
現在、薬局の数は63,000店あり、これはコンビニエンスストアの57,000店を大きく

上回っています。あれだけ目に付くコンビニよりも、調剤薬局の方が多いのは意外ですね。
また、薬剤師の数は32万人で、薬局数・薬剤師数ともに年々増加しています。

医薬分業の課題と薬局・薬剤師の在り方として・・・
従来の医薬分業の弊害
  ①皆保険制度により軽症でも医療機関を受診し、投薬(➡くすり漬け、分業)
  ②保険薬局は院外処方箋対応のいわゆる「調剤薬局(薬局の75%)」になった
薬剤師は調剤室に籠り、患者さんからすると薬局・薬剤師が見えなくなってしまった…。

そこで、「薬局・薬剤師は患者様に寄り添う存在にならなければならない」との考えの下、

先ずは医療機関に行く前に薬局・薬剤師に健康相談できる環境が必要として、

以下の3点がかかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師のあるべき姿とされています。
  ①処方箋なしに薬局薬剤師に健康相談ができる。
  ②薬剤師は患者さんの状況に応じて「受診勧奨」「OTC服薬」のアドバイスができる
  ③くすりの「投与後」に責任を持ち、医師と連携し服薬後の患者さんを観察する

従来は、薬(モノ)が中心の医薬分業から、患者さん(ヒト)が中心の医薬分業に

シフトしていくことが求められています。私たちも薬局を利用する時、機械的に薬を

処方されるだけでなく、薬剤師とのコミュニケーションがあることで、

適切な薬の服用が可能になりますね。

ファーマシー中山では、究極の姿として、【薬剤師が薬を触らない。薬歴を書かない】

状態を目指し、薬剤師が対人業務に専念できる環境の構築に取り組んでいます。

<ファーマシー中山が目指す“未来型薬局”>
未病から治療、介護までをトータルサポートするため、薬局併設型「ヘルスラボ」を

開設しました。セルフメディケーション意識の高まりが想定されることで、

未病の段階から、気軽に立ち寄れる「地域の総合健康ステーション」を設置。

 

お薬相談だけでなく管理栄養士による栄養相談、ヨガ教室や健康体操など対面で

サポートできる体制。(体組成計、脳年齢、血管年齢、骨健康度、AGEsの測定など)

この他にも薬局内でのオレンジカフェ(認知症カフェ)を開催しています。

矢部様からは『認知症カフェを開設した気づきとして、認知症の当事者・家族だけでなく、

健康に関心がある人、近所の人も参加してくれたのが意外な効果だった』と仰っていました。
まさに地域に溶け込んだ活動になっていますね。

最後に「とちぎロボケアセンター」について紹介します。
自費のトレーニング施設として未病から難病までをサポートする取り組みです。

ロコモ・フレイル予防(機能訓練)と共に、後遺症や難病までを対応できる

自費トレーニング施設の運営が特長です。

ファーマシー中山では、本業の「薬局」と、健康チェックを行う「ヘルスラボ」、

患者様の状態・レベルに応じたケア「ロボケアセンター」が三位一体となって

町の健康ステーションとして機能しています。

【老人ホーム紹介事業について】 ライフステージ 事業部長 石塚 広大 様
<老人ホーム選びのサポート>
ファーマシー中山ではライフステージ(老人ホーム紹介センター)が老人ホームの選び方、

視察、サポートを行い、老人ホームを思うように見つけられない、選べないという方々の

支援を行っています。

2022年からの3年間で、累計400件以上の相談を受け、地域の生活者と老人ホームを繋ぐ

役割を担っています。その副次的な効果として、新たに施設処方箋を獲得した施設も

15施設に上っています。

老人ホーム選びをスムースにできた利用者様からは…
  『母の施設が思うように見つけられなかったときにケアマネジャーから紹介があり、

   相談しました。不安なことを相談するとすぐに対応してもらえたので助かりました』
  『老人ホームでの不安要素を丁寧に対応して下さっただけでなく、引越や不動産の

   相談等にも乗っていただきました。いつも迅速・丁寧な対応に感謝しています』
との声がありました。

賃貸物件を探すのとは違い、高齢者やご家族にとって老人ホームを選ぶときに気軽に

相談できる先がないの状況で、ファーマシー中山ではかかりつけ薬局という身近な

ポジションで、気軽に相談に応じているのが特長です。

まさに【街の不動産屋さんの老人ホーム版】のような存在になっていますね。

<老人ホーム・介護施設を選ぶポイント>
ライフステージでは、ハード面よりもソフト面を重視し、以下の5つの視点を提供します。

 1.場所
   ・家族や友人が面会に行きやすいか?
   ・自宅から1時間以内に通えるか?
   ・交通の便が良いか?
 2.建物・設備
   ・居住スペースは狭く感じないか?
   ・今まで住んでいた自宅と比較してどうか?
   ・必要な設備は整っているか?
 3.ヒト・サービス
   ・入居時、スタッフの表情は明るいか?
   ・スタッフ同士、スタッフと入居者家族は笑顔か?
   ・必要なサービスを受けられるか?
 4.相性・好み
   ・施設内の雰囲気は自分に合っているか?
   ・自分に合う他の入居者がいるか?
   ・自分のライフスタイルに合うか?
 5.料金
   ・入居一時金や月額料金を払えるか?

この中で、「3.ヒト・サービス」「4.相性・好み」のウエイトが80%を占めており、

ソフト面を重視した老人ホーム選びへのこだわりを感じました。


次回、4月度mwe交流会は、4月8日(火)開催です。

<交流会テーマ> 
自分が病気の時、親の介護が必要になった時に備え、支え‐支えられる関係構築に向け
『草加市で始まる地域コミュニティ構想に、ビジネス視点でアイデアを出し合おう!』


“みんなの保健室 陽だまり”は、2015年 7名の看護師(草加市)による「みんなの保健室を

つくる会」から始まった活動です。当時は“地域包括ケアシステム”という考え方が

打ち出された頃でした。

「住み慣れなれたところで、自分らしい生活を最後まで続けられるようにする」ため、

地域での繋がるなかで活動を拡げ、深めてきました。

現在は、「安心・安全のインクルージョン型居場所」というコンセプトで同年代の交流に

留まらず、子どもから高齢者まで世代を超えた(学校や家庭・家族・職場とも異なる)

第3の居場所(サードプレイス)を提供しています。

実際、陽だまりに行ってみて感じるのは、大家族をイメージした拠点づくりです。
 1.毎月開催するイベントを通じて、自分らしくいられる居心地の良い場所
 2.相談よりも雑談の中から、生活者のお困りごとの早期発見の場所
 3.地域の多様な人が集う特長を生かし、お困りごとと支援が繋がる場所

さて、みんなの保健室 陽だまりでは、医療・教育・福祉が重なり合う拠点に

「生活者と事業者が混じり合う場所」という機能を加え、いままで以上に

サードプレイスとしての価値を高める取組みを検討しています。

今回の交流会では、ビジネスプラン・ゴングショーとして、代表の服部さんに

構想を発表頂いた後、ご参加の経営層の皆様が“ビジネス視点”で意見交換をする中で、

新たな繋がりづくりに向けたブレイクスルーを見い出そうという企画です。

地域活動にご関心の皆様に参加頂きたいです!

<講演>
講演① 「 仮) 地域の健康を発信する地域コミュニティづくり 」 
     ~生活者と事業者が混じり合う“場”~
講 師  一般社団法人 みんなの保健室 陽だまり  代表 服部 満生子 様


講演② 《ビジネスプラン・ゴングショー》 
    「地域コミュニティづくりをビジネス視点で考えよう!」
講 師  mwe交流会にご参加の皆様同士による“意見交換”
               (ファシリテーター:mwe事務局 櫻井)
 

◆今月のmwe交流会のテーマは?
今月のmwe交流会のテーマは、
人生100年時代、高齢者の5人に1人が認知症になるリスクから財産を守るには?
『身近な人が、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを考えよう!』


まず、最初にこのテーマを設定した背景をご紹介します。
私のお客様が、実際に身近な人が認知症に罹患したため「経済的に判断能力がなくなった」

とみなされしまい、困ってしまった事例です。

事例1.預金をおろせなくなってしまう・・・
 ➡親族が亡くなった後、銀行口座から預金をおろせなくなった経験はありませんか?

  今回も銀行口座から預金をおろすことができなくなってしまいました。施設の

  入居費用をこの銀行口座から充てようと思っていただけに困ってしまいました…。

事例2.契約行為自体ができなくなってしまう・・・
 ➡親御さんが施設に入居することになり、一人暮らしをしていた自宅(不動産)が

  空き家状態になってしまうため、売却をしたかったのですが、売却ができなくなり、

  処分するにもできなくなってしまいました…。

その他にも、アパートの高齢オーナーが認知症になってしまい、賃貸借契約の更新・解除が

できなくなってしまったケースもありました…。そのような状況で残されたご家族が

困らないよう「認知症からファミリーの財産を守るための具体的事例」解説しました。
今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆理事長によるmweフィロソフィの共有


毎月、交流会の始まりは、mwe杉田理事長によるmweフィロソフィの共有からです。

mwe活動で大切にしている理念(「利他」「協働」)を異なる側面からお話する時間です。

日頃、仕事に追われて、忘れている「大前提」「原理原則」に立ち返る時間になっています。

今月のテーマは、『積極的に仕事を楽しむ』です。


◆財団交流会 講演①◆


テーマ :「 埼玉県 地域福祉の推進に向けて 」
     ~ 第7次 埼玉県地域福祉支援計画 ~
講 師 : 埼玉県 福祉部 福祉政策課  政策企画担当 主査 田中 久美 様

交流会前半は、埼玉県 福祉部 福祉政策課より講師を派遣頂き「埼玉県の福祉政策」の全体感

についてお話を頂きました。シニアを取り巻く現状や、県の施策を知る機会になりました。

<地域福祉とは?>
埼玉県が定義する“地域福祉”は・・・
 地域において人々が安心して暮らせるよう、住民、団体、企業、行政がお互いに協力して

 地域社会の福祉課題の解決等に取り組む考え方としています。具体的には、法律等の制度

 に基づき提供される公的福祉サービスや住民・ボランティア団体などによる支え合いの

 取組などを相互に生かしながら、住民の福祉ニーズに応えていくものです。

平成30年4月1日、社会福祉法が一部改正されました。
大きな改正点は、以下の3点です。
 1.「地域共生社会」の実現に向けた「我が事・丸ごと」の地域福祉の推進
 2.市町村が包括的な支援体制づくりに努める
 3.地域福祉計画の充実

 (策定の努力義務化・福祉の各分野における共通事項を定め、上位計画として定めること)

<縦割り行政の限界…>
さて、福祉制度は対象者別に制度を充実させてきた背景があります。
  高齢者   ➡  介護サービス
  障がい者  ➡  障害福祉サービス
  こども   ➡  子育て支援など
  生活保護・生活困窮者  ➡  生活保護・生活困窮者自立支援制度など

ところが、制度別(=部課別)の支援の弊害として縦割り行政の限界が見えてきました。
縦割り行政の限界の事例
  「複合課題
    80代の親が50代の自立できない子どもを経済的にも精神的にも支える
    社会問題“8050問題”に対処するには単独・単一の部課だけではなく、
    領域をまたぐ複数の部課で対応する必要があります。
  「制度の狭間
    認知症が疑われる人や、障がい者手帳を取得していないが、障害が
    疑われる人などへの支援が挙げられます。その他にも“生活困窮とDV”
    “ヤングケアラー”など近年、フォーカスされている課題も見逃せません。

<埼玉県の地域福祉への具体的な取組み>
1.市町村総合相談支援体制づくりの促進
 :8050問題、ダブルケア、ごみ屋敷の複合的な課題・制度の狭間にある課題に対して、

 縦割りを超えた総合相談支援体制が必要です。そこで、①ワンストップ型総合相談窓口

 の設置、②複合課題を調整するチームの設置を行っています。
 埼玉県では具体的に「アドバイザーの派遣」「情報交換会の開催」「人材の育成」に

 取組んでいます。埼玉県内63市町村のうち、H29:19市町村(30.1%)

 ➡R6:57市町村(90.4%)と取組みが拡がっています。
2.子ども食堂、認知症カフェなどの参加の場や居場所の広がり
 :こどもの貧困率の高さ(9人に1人のこどもが貧困状態…)、ひとり親家庭の生活困窮

 の問題に対処するため、こどもの居場所づくりを行っています。埼玉県内では、こども

 の居場所がH30:164カ所➡R4:520か所と3.17倍に急増しています。当面は、

 こども達が歩いて参加できる距離感である「小学校区にひとつ」の割合で、

 800カ所の設置が目標です。
 この間、「こどもの居場所づくりアドバイザーの派遣」「こども応援ネットワーク埼玉

 の立ち上げ」に取組んでいます。こども応援ネットワーク埼玉の会員数は741会員まで

 拡大しています。
3.住み慣れた地域での暮らしを支える地域包括ケアの構築

<第7期 埼玉県地域福祉支援計画>
さて、本講演の本題の第7期 埼玉県地域福祉支援計画の解説です。
本計画の基本理念は【「支え手」「受け手」の関係を超えて、あらゆる人が地域を共に創り、

一人ひとりが生き生きと暮らせる埼玉へとされています。なお、実施期間はR6~R8です。

計画の基本方針(3本柱)は・・・
 1.地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の構築支援
    ・社会福祉法改正で新設された「重層的支援体制整備事業」への対応
 2.SDGsの理念に基づく「誰一人取り残さない」地域の実現
    ・こどもの貧困に対する取組の強化
    ・権利擁護体制の充実
 3.超高齢化・少子化など本県で顕著な傾向への対応
    ・認知症になっても安心して暮らせる地域づくり
    ・地域の子育て力の充実
    ・こどもの貧困に対する取組の強化        となっています。

そして、具体的施策のベースは4つの “つくる” です。
1)基盤づくり
  ・市町村における包括的な相談支援体制の構築の支援
  ・地域住民等との協働による地域生活課題への対応
  ・分野横断的な福祉サービスの展開や社会参加に向けた支援
  ・権利擁護体制の充実
  ・苦情解決制度および事業者の第三者評価、指導の充実
2)地域づくり
  ・地域福祉の場・拠点づくりの促進
  ・地域住民同士の助け合い・地域の見守り体制の拡充
  ・災害時に備えた支援の取組みの充実
  ・安心して子育てできる地域づくり
  ・こどもの貧困に対する取組みの強化
  ・認知症になっても安心して暮らせる地域づくり
3)担い手づくり
  ・民生委員・児童委員の活動への支援
  ・介護、保育等サービス人材の確保等
  ・NPO・ボランティア団体への支援
  ・住民による多様な地域活動の推進
4)環境づくり
  ・《新》孤独・孤立問題への対策    ※新たに設置された施策です!
  ・住宅確保要配慮者に必要な住宅を確保するための環境づくり
  ・生活困窮者対策の推進
  ・ケアラー支援の推進
  ・ひきこもり支援
  ・障がい者への理解の促進と誰でも等しく地域の中で暮らせる共生社会づくり
  ・配慮が必要な方への支援

最後に、埼玉県では孤独・孤立対策として3つの施策を行っています。
1.埼玉県孤独・孤立対策ポータルサイト
 :社会全体のつながりが希薄化している中で、新型コロナの長期化によって、

  孤独・孤立の問題がより一層顕在化しています。孤独・孤立の問題は、

  人生のあらゆる場面において、誰にでも起こりうる問題です。

  また、個人のライフステージや生活環境によって、その要因も様々です。

  孤独・孤立の問題はあなた1人の問題ではありません。きっと誰かが支えてくれます。
  望まない孤立にお悩みの方、周りから孤立している方に対して「この社会で生きること」

  「顔を上げたらひとりじゃないよ」という思いで “つながり方” “つながる人” が集う場

  になっています。一度、専用サイトを覗いてみて下さい!
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0601/kodoku-koritsu/index.html

2.埼玉県孤独・孤立対策官民プラットフォーム
 :孤独・孤立対策では、単独の支援機関では対応が困難な課題への対応や、社会との

  つながりが希薄な方・声を上げられない方に支援を届けることが必要です。

  埼玉県における支援体制の強化と孤独・孤立を予防する地域づくりを推進するため、

  県・市町村・NPO等の各種団体・社会福祉協議会・民間企業等が幅広く参加し、

  連携して取組むため「埼玉県孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」を設置。

  プラットフォームに参加すると…
  1.先進事例の紹介や研修等を通じ、孤独・孤立問題にお悩みの方や家族の目線に立った

    伴走支援の実現に役立つ情報を入手することができます。
  2.会員同士の連携を進め、孤独・孤立の解消に向け、団体の種別や活動分野、

    地域・市町村の枠に捉われないつながりを作ることができます。
  3.孤独・孤立対策に関する国や埼玉県の情報をお知らせします。また、会員の皆様が

    実施する関連活動の情報をPF内で発信・共有することができます。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0601/kodoku-koritsu/dantai/platform/index.html

3.埼玉県YouTube動画:『自分の心を守るために。頼ることは、誇らしいこと。』
 :孤独・孤立の問題は、人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得ます。

  それはつながりが薄くなった社会の変化によるもので、個人の責任ではありません。

  つらい気持ちを一人で抱え込んでいませんか。つらいときに、誰かを頼ること、

  声をあげることは、自分を守るためにそして一歩進むためにとても大切なことです。

  (埼玉県孤独・孤立対策・つながるSAITAMAフェスタ)
https://www.youtube.com/watch?v=3_gSC1abkF8


◆財団交流会 講演②◆


テーマ :「 人生100年時代、認知症から“家族の資産”を守る方法 」
     ~ 認知症の法的リスクを知って、対応策の選択肢を拡げよう!~
講 師 : トリニティ・テクノロジー株式会社  家族信託コンサルタント 小川 一眞 様

現在、高齢者がお金や不動産の管理を子ども世代に委ねる「家族信託」が広がっています。

これは、認知症を発症すると金融機関から預金の引き出しができなくなるなど、

資産を凍結されるリスクに備えるために今、注目の制度です。

後半は、家族信託分野で国内最大の支援件数に関わり、多くの知見を持つトリニティ・

テクノロジーから情報提供をいただきました。シニア層のお客様と接する機会がある

皆様にはぜひ、押さえておいて欲しい情報です!

<どんな人が認知症になるの?>
2025年の認知症患者数は約730万人で、これは高齢者の20%に相当します。

まさに高齢者の5人に1人が認知症に罹患するリスクがあるということです。

認知症患者は高齢者が罹患するものと思われがちですが、30代~50代であっても

若年性認知症のリスクがあり、がんと同じくらいのレベルで恐れられる病気です。

認知症は脳に特殊なゴミが蓄積すると発症します。このゴミの蓄積が脳神経に

ダメージを与え、記憶力や判断力、理解力など様々な認知機能の障害をお引き起こし、

日常生活に支障をきたすようになってしまいます。

残念ながら、一度ダメージを受けた脳神経(認知症)は元に戻すことができない

言われています。そのため、ダメージの原因である脳のゴミの蓄積をできるだけ少なく、

抑える(早期発見・早期治療)が重要です。

現代病と言われている「うつ病」「睡眠不足」「歯周病」「難聴」「脂質異常症」など、

日常で罹患し易い身近な病気が血管のダメージや脳のゴミの蓄積へとつながっていきます。

認知症は、「暴飲暴食」「アルコール」「運動不足」「ストレス」「睡眠不足」が原因で

誰もが罹患するリスクがある病気です。皆さん、気を付けましょう!

<認知症による資産凍結の例>
認知症に罹患すると、当人がもつ資産にロックが掛かってしまいます。
 「預  金」 預金の引き出し・定期預金の解約ができない…
 「不 動 産」  売却・活用・管理ができない…
 「有価証券」 売却・運用ができない…


例えば、認知症に罹患した両親が介護施設に入居するに当たってまとまったお金が

必要になった場合でも預金の引き出しができなくなってしまい、

子世代が工面をしなくてはならない状況になってしまいます。

介護施設への入居費用の平均は1,000万円と言われていますので、

もしもの時を考えた準備は万全にいておきたいですね。

この他にも・・・
 「意思決定」 議決権行使ができない…
 「契約行為」 会社の契約行為が一切できない…
 「M & A」  会社売却・顧客の引継ぎができない…

例えば、M&Aのケースでは、たとえ1株しか保有していなくても、その人が認知症に

罹患してしまった場合、M&Aの行為自体ができずにがんじがらめになってしまいます。

<認知症高齢者が保有する資産凍結の額の大きさ!>
超高齢化社会の進展により、2020年時点での認知症患者数は630万人を超えており、

5年ごとに100万人増加し続け、2050年には1,000万人にも上ると言われています。

さらに、軽度認知障害(MCI)の方を併せると、現時点で1,000万人を超えています。

認知症患者の保有資産は、国民総資産の10.4%となり、金融資産だけでも200兆円

超える規模になっています。認知症に罹患し、意思能力を喪失すると、銀行預金の

引き出しができない・有価証券や不動産の売買、その他資産活用ができなくなり、

資産が凍結(ロック)されてしまいます。

<認知症による資産凍結に対する2つの方策>
認知症による資産凍結を防ぐ対策は主に2つの方法があります。
1.裁判所の監督下で行う「成年後見制度」
 (1)ご親族が裁判所に対して、申し立てを行う。
   :必要書類をまとめ裁判所に申し立て。開始までに2~3カ月要する。
 (2)裁判所が後見人を選任する。
   :裁判所が弁護士・司法書士を後見人として指定する。
 (3)裁判所が後見人が行う事務を監督する。
 (4)後見人は定期的に裁判所へ報告を行う。
 (5)後見人がご本人(認知症により判断能力を喪失)の全財産の管理を行う。

成年後見制度の特徴として、事後の対策となります。後見制度の目的は、

財産を目減りさせないこと」であり、通帳から何からすべて後見人が預かり、

親族が後見人からの許可を得て資産を最小限に抑えて使用します

成年後見制度は聞いたことはあるものの、利用者数は認知症患者全体(730万人)の

3.7%(26万8,942人)と言われています。残りの96.3%はご存知ない、活用するのが

窮屈、費用がかかるなど、家族の意思が反映されないことを理由に利用していません。

2.家族の中で管理をする「家族信託」
 (親)を委託者、(子)を受託者として親子間で信託契約(お金や不動産の管理を任せる)

  を結びます。信託契約は弁護士・司法書士が信託組成をサポートします。
 (サポート内容)
  1.家族信託の相談
  2.専門家による信託の設計
  3.信託契約公正証書の作成
  4.信託の登記
  5.信託口口座の開設

一方の家族信託は、事前の対策という特徴があり、【ご家族に財産管理を信じて託す

方法です。2016年頃から普及し始めた財産管理手法で、成年後見の代替手段として

注目されています。

財産を持っている人(親)を委託者、財産を託される人(子)を受託者とした場合、

経済的利益の所有者・受益者は(親)となることが多く(委託者=受益者)なります。

また、家族信託では、後見制度とは異なり、ご本人が保有する全財産を信託する必要は

ありません。信託する財産と信託しない財産を切り分けた管理・処分が可能になります。

信託する財産と信託しない財産の例・・・
「信託する財産」
  ・将来の介護に必要な金銭
  ・売却、活用予定の不動産
  ・賃貸不動産          ➡受託者(子)が管理・処分が可能
「信託しない財産」
  ・手元に残しておきたい金銭
  ・売却、活用予定のない不動産
  ・畑・田などの農地       ➡委託者(親)が管理可能


このように後見制度よりも使い勝手がよい家族信託は、急激に浸透しています。
2016年は4,620件でしたが、その後、徐々に増え始め、2020年には11,759件になり、

直近(2023年)は20,321件と普及・拡大しています。

<家族信託と成年後見制度、どっちが好いの?>
講演を聞いて感じたことは、従来は聞いたことがある後見制度を使ってきたと思いますが、

親族の立場から考えると家族信託が親と子にとって使い勝手が好い制度と感じました。

それが家族信託の普及スピードに繋がっていると思います。

多くの皆さんにも家族信託を知って頂き、早めの対策を取って欲しいと思いました。

講師の小川さんの話しで印象的だったのは・・・

「火災保険に入っている家庭は多いですが、火災保険を使うケースは限定的です。

 ただし、認知症に罹患して財産が凍結される不便を感じる家庭は、火災保険とは

 比較にならない程、多いと思います。だから、早く家族信託が標準装備される

 世の中になればと思います」 というエピソードです。

今回のご講演がきっかけとなってお一人でも多くの人々が家族信託を知って、

備えて頂ければ嬉しいです。

最後に家族信託と成年後見制度の比較を掲載します。
 「家族信託」
   ・初期費用がやや高い
   ・途中でやめられる
   ・対象の資産を選べる
   ・相続対策ができるが、やや自由度が高い

 「成年後見」
   ・ランニングコストが高い
   ・途中でやめられない
   ・対象が全財産
   ・相続対策ができない


このブログをご覧の皆様の中で家族信託にご興味、ご質問がおありの場合は、

mwe事務局までお気軽にお問い合わせ下さい。


次回、3月度mwe交流会は、3月11日(火)開催です。

<交流会テーマ> 
高齢者・障がい者の“身体機能の改善・補助”で、QOLを高めるために…
『健康・福祉の現場で“ヒトとロボットが融合”した先進事例から学ぼう!』


皆さんは、“HAL”(ハル)をご存知でしょうか?足・腰に装着するロボットスーツで、

人の動作を支援・補助する世界初のサイボーグ型ロボットです。

人は身体を動かそうとする時、その運動意思が脳神経系から筋肉に伝達されますが、

その際にわずかな生体電位信号が発生し、皮膚表面に漏れ出します。HALは、皮膚表面に

貼りつけたセンサーでその電気信号を読み取り、それをもとにパワーユニットを制御して、

筋肉の動きと一体になって人の動作を支援してくれます。

 

一言で言えば、「人の意思を読み取り、人の動きをサポートするロボット」です。

今回、HALを開発し、上市したCYBERDYNE株式会社が直接、ロボットスーツHALの

デモンストレーションを行う機会です。日本全国130を超える医療・福祉の現場で

300体が稼働するHALに直に触れるチャンスです。

グッドデザイン金賞を受賞したHALをぜひ、愉しみになさって下さい!

◆GOOD DESIGN AWARD(受賞ギャラリー)
➡https://www.g-mark.org/gallery/companies/fc1bf00d-b8fa-4a3d-9d31-f6f39472afa3

また、後半は他の調剤薬局とは一味違う!“未来型薬局”に取り組んでいるファーマシー中山

の健康づくりの取組みをご紹介します。健康測定機器による健康チェックに留まらず、

ロボットスーツHALを活用した継続した運動習慣づくりの先進事例を参考になさって下さい。

<講演>
視察① 「 装着者の運動意思を読み取り、

      人と一体化して機能する装着型サイボーグHALの運用現場より 」 

     ~ロボットスーツHALの開発物語~
講 師  CYBERDYNE株式会社 / CYBERDYNE STUDIO 代表 貴志 浩道 様 
                  ※HALのデモンストレーションも行います!
視察② 「 未来型薬局に向けた“この街”の健康管理 」
     ~多職種連携・ロコモ・フレイル研究会~
講 師  ファーマシー中山株式会社 取締役社長 矢部 貴之 様
     ライフステージ 事業部長・社会福祉主事 石塚 広大 様

◆今月のmwe交流会のテーマは?
今月のmwe交流会のテーマは、
子どもも大人も誰もが互いに支え合い、子どもが健やかに育つ社会づくりを目指して…
『“行政と民間の中間”で、ユニークな子ども支援を行う先進事例から学ぼう!』


今回は、第5回「子ども(の食)支援交流会」としての開催です。
  前 回、第4回:2023.10.10「子どもの食支援交流会」
  前々回、第3回:2022.11.08「コロナ禍の子どもの食支援の現状と課題を共有」
を踏まえ、2020年から継続してきた子ども(の食)支援交流会も第5回目となりました。
 
今回はアフターコロナに移行した現在、引き続き厳しい子ども(の食)支援の現状を

共有するため、埼玉県 福祉部 こども政策課・こども支援課から講師をお招きしました。

また、東京都でひとり親家庭の支援、児童・ママに対して、ユニークな子ども支援を行う

バディチームをご紹介します。行政と連携した取り組みは、mweメンバーにとっても

今までにない繋がり方を模索する場となりました。

子ども(の食)支援のいま、を知る交流会です!
今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆理事長によるmweフィロソフィの共有

毎月、交流会の始まりは、mwe杉田理事長によるmweフィロソフィの共有からです。

mwe活動で大切にしている理念(「利他」「協働」)を異なる側面からお話する時間です。

日頃、仕事に追われて、忘れている「大前提」「原理原則」に立ち返る時間になっています。

今月のテーマは、『「高く、大きい目標」を持ち、達成するには』です。


◆財団交流会 講演①◆

テーマ :「 子育て・こどもの貧困の現状と埼玉県のこども政策・こども支援 」
講 師 : 埼玉県 福祉部 こども政策課 主事 白石 希実 様 / 主事 清水右都様
      埼玉県 福祉部 こども支援課 主事 松 本  翼 様

埼玉県ではよりきめ細かな子ども支援を行うため、2024年より、少子政策課から

こども政策課・こども支援課に部課が分かれて子ども支援を強化しています。

交流会前半は、埼玉県 福祉部より講師を派遣頂き、「埼玉県のこども政策」と

「こどもの貧困とこどもの居場所」についてお話を頂きました。

こどもを取り巻く現状を知る機会になりました。

◆埼玉県のこども政策


<埼玉県の子育て家庭を取り巻く現状>

埼玉県では、少子化が進行しています。令和5年の合計特殊出生率は1.14(全国第41位)

で、全国平均1.20を下回っています。

埼玉県の子育て世帯を取り巻く環境の特徴は、高い核家族化の割合(世帯の58.6%が核家族

・全国第3位)、子育て世代の男性の労働時間及び通勤時間の長さ、転入者が多いことによる

地域コミュニティーの弱さの3点が挙げられます。

核家族(親子のみ・夫婦のみの家庭)の割合が高いということは、それだけ子育てに親族の

支援を受けにくい家庭が多いということです。

少子化の要因には未婚化・晩婚化と夫婦が生み育てるこどもの数の減少の2点が挙げられ、

その背景には、経済的基盤や育児不安などが考えられます。

-未婚化・晩婚化の推移-         ※国勢調査より
○未婚化            
 ・男性の50歳時未婚率 平成7年8.9% → 令和2年30.2%(全国第46位)
 ・女性の50歳時未婚率 平成7年3.5% → 令和2年16.7%(全国第28位)
○晩婚化            
 ・男性の平均初婚年齢 平成12年29.1歳 → 令和5年31.7歳(全国45位)
 ・女性の平均初婚年齢 平成12年27.1歳 → 令和5年30.1歳(全国45位)

<埼玉県の少子化対策・子育て支援の全体像>
埼玉県では子育て支援の中で特に以下の4点に力を入れています。
 「子育てムーブメントの創出」
 「地域における子育て環境の充実」
 「保育サービスの充実」
 「ひとり親家庭に対する支援」

子育て支援策の根拠となるのが、令和2年度から令和6年度までの5か年計画

「埼玉県子育て応援行動計画」です。

基本理念を【「すべての子供の最善の利益」を目指し、「子育ち」「親育ち」の支援や

地域全体での子育て支援を通じて、子供を生み育てることに希望を持てる社会づくり】

に定めています。

ちなみに、「子育ち」は子ども自身が心身ともに自ら成長していくこと、「親育ち」は

子育てを通して親自身が成長していくことです。

施策は以下の7つの柱で構成されています。
1.「結婚・出産の希望実現」
 結婚を望む人への支援、不妊・不育症に悩む人への支援、ライフデザイン構築の支援、
 若年者の経済的自立の支援に取り組んでいきます。
2.「親と子の健康・医療の充実」
 妊娠から子育てまでの切れ目のない支援、周産期医療の充実、小児医療の充実を
 図ります。また、医療に係る経済的な支援をしていきます。
3.「「子育て」と「子育ち」の支援」
 「孤育て」にしない地域の子育て力の充実、子育てに係る経済的負担の軽減などに
 取り組んでいきます。
4.「ワークライフバランス・男女の働き方改革の推進」
 企業による働き方改革の推進、社会全体の気運醸成などを図っていきます。
5.「「こどもの貧困」対策の推進、配慮を要するこどもへの支援」
 「こどもの貧困」対策の推進を行います。ひとり親家庭への支援などに取り組みます。
6.「児童虐待防止・社会的養育の充実」
 こどもを虐待から守る地域づくり、社会的養育の充実に取り組みます。
7.「子育てしやすいまちづくりの推進」
 安全・安心なまちづくりと子育てしやすい住環境の整備を進めます。
 また、こどもの交通安全を確保し、犯罪から守る取組を推進していきます。

<ひとり親家庭に対する支援>
R2国勢調査によると、埼玉県内のひとり親家庭の数は、母子家庭・父子家庭合わせて

36,589世帯、全世帯に占める割合は1.2%となっています。また、R4国民生活基礎調査

によると、ひとり親家庭の相対的貧困率は44.5%であり、母子家庭は平均年間所得が

328.2万円と、経済的に非常に厳しい状況にあります。

母子家庭のお母さんは8割以上の方が働いていますが、そのうち正規雇用されている方は、

働いている方全体の48.8%であり、それがこどものいる世帯との稼働所得の差に

なっていると考えられます。

そこで、埼玉県では特に就業支援(2点)に力を入れて支援を行っています。
1.就業支援専門員による支援
 就業支援専門員は、県の東部中央・西部福祉事務所にそれぞれ2人ずつ、北部福祉
 事務所に1人配置されており、就職や転職・キャリアアップを中心としたニーズに
 対して、相談、指導、情報提供などを行います。
 具体的にはキャリアカウンセリング、履歴書の書き方や面接の指導、ハローワーク
 への同行、そして就職・転職後のフォローアップなど、いわばオーダーメイドの
 支援を行っています。なお、この就業支援専門員は、平成26年7月、埼玉県が

 全国に先駆けて配置しました。

2.資格取得への支援
 安定した収入の確保には、資格を持っているのは大きな強みとなります。そこで、
 看護師や保育士などの資格取得を目指すひとり親を支援しています。
1)高等職業訓練促進給付金の支給
 ひとり親の方々が経済的自立に効果的な資格、例えば看護師や保育士などの資格の取得

 を目指して、6月以上、専門学校などで学ぶ間、生活の安定のために給付金を支給。
 所得制限があるため、全てのひとり親が対象となる訳ではありませんが、市町村民税
 課税世帯の場合は70,500円、非課税世帯の場合は10万円が毎月支給されます。
2)高等職業訓練促進資金
 前述の高等職業訓練促進給付金を受給している方を対象とした貸付制度。養成機関を
 卒業後、県内で5年間、取った資格を活かして働くと返済が免除。貸付もR3年度から

 新たに、自立に向けて意欲的に取り組んでいるひとり親を対象とした住宅支援資金貸付

 を行っており、新たに就職したり、有利な転職を行い1年間継続した場合は返済が免除。
3)ひとり親家庭資格取得応援事業」
 「看護学校受験対策講座」は、看護学校の受験を目指す方を対象に、受験科目に特化
 した講座を開き、合格を支援。「医療事務講座」、「調剤薬局事務講座」でも、
 それぞれの資格取得を目指した講座を実施。

<虐待防止講座>
埼玉県内における児童、高齢者及び障害者虐待の通報件数は年々増加傾向にあり、

深刻な状況が続いています。特に児童虐待は年々増加しており、

(H22)3,493件➡(R4)18,877件と5倍超に急増しています。

虐待をなくすためには、虐待はいかなる理由があっても禁止されるものであるという認識を

県民全体で共有し、虐待を絶対に許してはならないという強い姿勢を県と県民とが率先して

示す必要があります。

そこで、県では児童、高齢者、障害者虐待に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため

平成29年7月「埼玉県虐待禁止条例」を制定し、平成30年4月1日に施行しました。
条例の特徴は・・・
 ①児童、高齢者、障害者の各虐待を一元的に規定したもの(都道府県レベルで全国初)
 ②虐待防止に関する法律の範囲を越えた規定を含む
 ③通報を行いやすい環境の整備

具体的には保育所等の児童福祉施設の従事者や学校の教職員、入院施設を持つ病院の医師・

看護師等が虐待をし得る者として規定されました他、児童養護施設や高齢者、障害者の

施設の職員が虐待に関する研修を受講することが義務付けられました。

さらに県が市町村と連携し、虐待の通報を行いやすい環境を整備するよう規定されました。
この規定を受け、県では「埼玉県虐待通報ダイヤル#7171(なないちなないち)」

を運用しています。このダイヤルは児童・高齢者・障害者の各虐待の通報等を24時間365日

受け付け、対応するものです。

「埼玉県虐待通報ダイヤル#7171」は埼玉県HPも参照下さい。
 ➡https://www.saitamaken-npo.net/html/topics/211112fu002.html
虐待防止ポスター
 ➡https://www.saitamaken-npo.net/html/R3_A4ptr_omote.pdf

◆こどもの貧困と「こどもの居場所」について


<こどもの貧困について>

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、こどもの貧困率(相対的貧困)11.5%で、

9人に1人のこどもが貧困状態にあります。

相対的貧困は、日本人を年収の多寡で並んだ時、中央にいる人(約250万円/年)の半分

(125万円/年)の収入で生活している家庭を指します。月10万円程度の収入で親子の

生活を支える厳しい状況です。

相対的貧困では、「当たり前の生活が営めない状態」であり・・・
 ・3食きちんと食べられない…
 ・修学旅行に行けない…
 ・塾に行きたくても行けない…
 ・部活動の道具やユニフォームが買えない…
 ・家が狭い、うるさい、机もない…  といった状態にあります。

また、この貧困状態を放置すると親からこどもへと貧困が連鎖してしまいます…。
1.親の収入が低い(貧困)
  ➡ 2.十分な教育が受けられない
      ➡ 3.進学に不利
          ➡ 4.就職に不利 
              ➡ 5.こども世帯も貧困
                  ➡ 1.親の収入が低い(貧困)
貧困の連鎖を断ち切り、同じスタートラインに立てるよう環境整備が必要です。

そして、こどもたちが『生まれた環境に左右されない』生活ができるような支援のため、
こどもの居場所づくりが各地で積極的に立ち上がっています。

<こどもの居場所ってどんな場所?>
さて、「こどもの居場所」とはどんな場所なのでしょうか?大人が考える居場所ではなく、

埼玉県ではこども・若者に直接、居場所づくりに重要なことをヒアリングしています。

その中で出てきたキーワードは、「居たい」「行きたい」「やりたい」の3つです。
「居たい」
  ・信頼できる人、味方になってくれる人がいること
  ・ありのまま、素のままでいられること
  ・誰かとつながれること
  ・話をきいてくれること
「行きたい」
  ・自分を受け入れてくれる誰かがいること
  ・気軽に行ける、ひとりでも行けること
  ・お金がかからず行けること
  ・自分と同じ境遇や立場の人がいること
「やりたい」
  ・一緒に学ぶ人、学びをサポートしてくれる人がいること
  ・未来や進路を考えるきっかけがあること
  ・新しいことを学べること
  ・自分の役割があること

そんな場がこども達にとっての“居場所”です。

私たち、大人が考える“居場所”と同じでしたか?

<こどもの居場所の具体的事例>
埼玉県では、こどもの居場所を「家でも学校でもない、安心して過ごせる第3の居場所」
と定義をしています。具体的には以下の3つの第3の場所(サードプレイス)が
立ち上がっています。

1.こども食堂
 :ご飯を食べるだけではない、“地域とつながり、信頼できる人と出会える場”
  現在では、職業体験などの非日常とセットで食事をする場が各地で開催。
2.学習支援
 :地域のボランティアがこども達に無料で勉強を教える“現代の寺子屋”
  ボランティアの中には、自身も子供の頃、学習支援を受けた側にいたが、
  成長し、今度は教える側として関わる学生も出てきています。
3.プレーパーク
 :プレーリーダーの見守りの下、こども達が自ら考え、自由に学ぶ“冒険遊び場”
これらの居場所が、地域の有志・民間団体の創意工夫によって展開されています。

ここからは埼玉県内の事業者によるこどもの居場所づくり(子どもの食支援)の事例を
ご紹介します。

<企業とのコラボによるこどもの居場所づくり>
◆ピックルスコーポレーション
 :同社は、収穫体験&食育&食事の三位一体の取組みを行っています。県内の野菜畑で
  こども達は収穫体験を行い、採れた新鮮野菜を漬物にする中で食について学びます。
  その後、漬物を食べることで、食べ物を頂くという流れを体験します。
  食に関する企業だからこその取組みですね。

◆アルファクラブ武蔵野
 :同社は埼玉県で冠婚葬祭を執り行う儀式事業者です。「創業から60年、地域の儀式に
  関わることができた恩返しがしたい」という思いから、こどもの居場所づくりに積極的に
  取組まれています。具体的には、結婚式場でのこども食堂の開催です。
  テーブルマナーを学びながら、食事を頂く非日常を体験しています。

埼玉県 こども政策課・こども支援課から講師を派遣頂き、ありがとうございました!


◆財団交流会 講演②◆


テーマ :「 誰もが互いに支え合い、みんなで子育て 」
     ~ バディチームの自治体と連携した支援活動 ~
講 師 : 特定非営利活動法人バディチーム 代表理事 岡田 妙子 様

後半は、東京都で特長的で、ユニークな子ども支援を行うNPO法人バディチームの活動を

紹介しました。元々、川口エリアでこども食堂を運営する佐藤匡史さんからのご縁で

バディチームとつながりました。

バディチームは現在、東京都が中心的な活動エリアとなっており、今後、埼玉・千葉・

神奈川と幅広いエリアで子育て支援が波及するきっかけになればと思い、企画しました。

埼玉県行政にもバディチームの活動が周知でき、今後の連携も楽しみです!

<バディチームって何?>
バディチームは、2007年 こどもの虐待防止を目的に設立された特定非営利活動法人です。

様々な背景や事情があり、子育てが大変になっている家庭や里親家庭等に訪問し、

保育・家事・送迎・学習支援等を通じて、親子に寄り添う活動を行っています。

特に虐待が疑われる家庭や里親家庭に「直接、訪問する」点がバディチームの特長であり、

大きな強みでもあります。

現在、子育てパートナー(80名)・地域登録支援者(自治体有償ボランティア120名)・

事務局スタッフ(18名)で組織し、東京都を中心に以下の5事業を行っています。
 1.子育て世帯訪問支援事業
 2.里親家庭支援
 3.食の支援等運営管理
 4.訪問型養育支援強化事業
 5.居場所関連事業
これら5事業を、東京都を含む14都区から委託されています。

<バディチームの支援が求められる背景【児童虐待の急増】>
児童相談所における児童虐待相談対応件数は、(H2)1,101件から(R4)219,170件

30年余りの間に200倍に急増しています。虐待件数が10万人までは30年超掛かっていたのに

対して、10万人~20万人まではわずか5年しかかかっていない点からも急増が分かります。

さて、ここで虐待の種類を確認します。
 1.身体的虐待
  :殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる
   溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など
 2.性的虐待
  :こどもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる
   ポルノグラフィの被写体にする など
 3.ネグレクト
  :家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する
   重い病気になっても病院に連れて行かない など
 4.心理的虐待
  :言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、こどもの目の前で家族に
   対して暴力をふるう(DV)、きょうだいに虐待行為を行う など

ネグレクトでは、「こどものご飯は安価なインスタント食品で済ませながら、自身は高価な

化粧品やプチ整形をする母親」の事例があり、やるせない気持ちになりました。

<誰もが子育てが困難になりやすい社会的背景>
今の社会では以下の理由で、いつ自分が子育て困難になってしまうかもしれません…
 ・孤立化した育児、育児不安
 ・新型コロナウイルスの影響 
 ・子どもの貧困
 ・ヤングケアラー

養育困難になりやすい家庭は、以下の要因が複合的に絡み合っています…
【子どもの要因】
  保護者にとって何らかの育て難さを持っている
  (乳児期/未熟児、多胎児/慢性疾患/発達障がい)
【保護者の要因】
  妊娠出産を通じたリスク(予期せぬ・若年…)
  保護者自身が抱えるリスク
  (保護者自身が虐待を受けて育ってきた/親からの愛情を知らない/精神疾患、

   精神的な不調、発達障がい/身体疾患、慢性疾患/性格的な問題/知識不足)
【環境要因】
  経済的な困窮・生活基盤が不安定/孤立無援・ひとり親家庭/家庭内の不和・

  DV(配偶者間の暴力)/外国籍である、など

保護者の要因のうち、産後うつがコロナ前(10%)からコロナ禍(25%)と増えている

状況も見逃せません。こどもの支援に留まらず、妊産婦の支援も喫緊の課題の一つです。

<バディチームの訪問型支援>
バディチームの特長である「親も子も支える訪問型支援」を紹介します。
要支援家庭・訪問型支援の意義・役割は以下の4点です。
1.孤立を防ぐ
 :話し相手・相談相手(専門的ではなく)となり、信頼関係を築き精神的支えになる。

  行政・専門家ではないからこその受け入れの良さ(民間の強み)があり、親以外の

  大人が定期的に家庭に入ることで家庭内の空気が変わる
2.具体的な支援(保育・家事・送迎・学習支援等)
 :具体的支援により家庭内のニーズに応え、負担を軽減し、訪問家庭の生活環境の改善

  を目指す。具体的な支援をきっかけに(切り口として)コミュニケーションが広がる。
3.ロールモデルとなる
 :普通を知らない家庭にとって、「普通に健康的な大人の存在」を知ってもらう意義。

  現場支援者の家庭内での言動・立ち居振る舞いを見て、知る・気づく・学ぶ

  子どもと一緒に・または親と一緒に手を動かす。
4.状況を確認して次につなげる   
 :定期的に継続的に家庭に入るからこそわかることがある。現場支援者が困難家庭

  のことを一番知っている。その後、行政に繋げるパターンも。

実際の支援事例で驚いたのは、虐待されていた児童が親元を離れて1カ月里親家庭で

過ごしたケースです。このケースでは、里親家庭から戻ってきた児童が「別人?」

と思うほど変わっていました。

里親家庭では3度の食事や散髪で身なりが整った姿で児童が帰ってきました。そして、

さらに驚いた点は、児童があまり話をしない(できない?)状況だったのにも関わらず、

わずか1か月の里親家庭を経て、積極的に話をするようになっていた点です。

1カ月という本当に短い期間でもこれだけの変化が児童に見られるので、1人でも多くの

こども達が早く普通の生活の中で暮らすようになってほしいと思います。決して、

我々大人が凄いことをしている訳ではなく、普通の食事、コミュニケーションでこどもと

接する中で、こどもの可能性が大きく開いていくことに大人の責任を感じます。

バディチームの「現場支援者」は、学生から70代以上までの男女が、空いている時間帯を

活かして、それぞれの得意分野で参加し、「性別・年齢・経験・資格の有無」は不問です。

加えて、事務局コーディネーターが訪問型支援事業の要となり、家庭・現場支援者・

行政の間に入り、あらゆる調整を行います。

今後、「現場支援者」を希望される皆さんに、現場支援者に向いている方をお示します。
 ・子どもが好きな方
 ・気持ちにゆとりのある方
 ・自分の価値観を押し付けず、どんな人にも偏見なく接することができる方
 ・家事は得意ではなくても、一生懸命でき、チャレンジしたいという方
 ・どんなご家庭でも、その家庭の状況をありのままに受け止められる方
 ・利用者さんの話をよく聞いて受け止めることができる方
 ・移動時間が苦にならない方

バディチームの活動、現場支援者にご関心がおありの際は。バディチームの専用サイトを

ご確認下さい。 ➡https://buddy-team.com/

<子育て世帯への訪問支援の現状-都道府県別>
こども家庭庁「令和6年度取組状況調査(生育環境課実施)における令和6年度取組見込

自治体数分布」によると、子育て世帯訪問支援事業の各都道府県別の実施見込状況は、

全国平均39.7%であり、埼玉県44.4%となっています。

実施見込率が高い順に、①兵庫県78.0%、②栃木県72.0%、③大阪府69.8%となっており、

実施見込率が低い順は、青森県15.0%、宮崎県15.4%、岩手県18.2%となっています。

埼玉県は平均を上回っているものの、半数以上の自治体で未実施となっています。

ただ、「伸びシロがある」と思うと期待が持てますね。

<バディチームから企業の皆様へ…>
「みんなで子育てする社会」に向けて、バディチームから3つのお誘いです。
1.寄付(月々1万円~)
 ・制度の狭間対応、訪問型や居場所活動を通じて困難な状況にある子どもや親に対して

  継続的に関わることで親子を支えることができます。
 ・中間支援に対して、地域での訪問型支援団体を増やすことで一人でも多くの親子を

  支えることができます。
2.交流
 ・社内研修、社内イベント等へお招き下さい。これまで、企業内研修では「テーマ:

  社会課題について」の開催実績があります。児童虐待の背景やバディチームの

  取組み等についてお話しさせて頂きます。
3.広報協力
 ・現場支援者募集に関する発信や説明会の開催
 ・SNSなどを通じた情報拡散の相互協力、イベントの協働企画・制作など

mweでは2025年も引き続き、こども(の食)支援交流会を企画して参ります。


次回、2月度mwe交流会は、2月18日(火)開催です。

<交流会テーマ> 
人生100年時代、高齢者の5人に1人が認知症になるリスクから財産を守るには?
『身近な人が、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを考えよう!』


厚生労働省は、「認知症の高齢者が来年2025年には471万6000人となり、団塊ジュニア

の世代が65歳以上になる2040年には584万2000人にのぼる」と推計しています。

これは高齢者のおよそ15%(6人)に1人にあたり、今後1人暮らしの認知症の人が増え、

家族の支援が限られる中、地域でどう支えるかが課題となっています。

そこで、身近な人が、身近な地域で生き生きと暮らして欲しいと思い、埼玉県の取組み

第7期 埼玉県地域福祉支援計画)をご紹介します。支援計画の中にある「地域住民同士の

助け合い・地域の見守り体制の拡充」や「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」

から埼玉県の現状を知り、地元での地域貢献活動≒事業活動のお役に立ててください。

また、私のお客様で、実際に身近な人が認知症になってしまったことで出来なくなって

しまったお困りごとを2点共有します。
 

認知症になると判断能力がなくなってしまうため・・・
1.預金をおろせなくなってしまう・・・
 親族が亡くなった後、銀行口座から預金をおろせなくなってしまった経験はありませんか?

 同様のことが認知症に罹患してしまうと発生してしまいます・・・。
2.契約行為自体ができなくなってしまう・・・
 不動産や金融資産の売却ができなくなり、処分するにもできなくなってしまう・・・。

 いま、空き家が増えていますが、子・孫の世代で契約自体ができずに放置せざるを得ない

 空き家も多い状況です・・・。

その他にも、アパートの高齢オーナーが認知症になってしまい、賃貸借契約の更新・解除が

できなくなってしまったケースもあります・・・。

そのような状況で遺されたご家族が困らないように交流会後半では、「認知症から財産を

守る方法」を解説します。皆様のご家族、従業員に留まらず、貴社のお客様にも有用な

情報となります。ぜひ、ご参加をお待ちしております!

<講演>
視察① 「 埼玉県  地域福祉の推進に向けて 」
     ~第7次 埼玉県地域福祉支援計画~
講 師  埼玉県 福祉部 福祉政策課 政策企画担当 主査 田中 久美 様

視察② 「 人生100年時代、認知症から“家族の資産”を守る方法  」
     ~認知症の法的リスクを知って、対応策の選択肢を拡げよう!~
講 師  トリニティ・テクノロジー株式会社
アライアンス事業部 家族信託コンサルタント 小川 一眞 様

◆今月のmwe交流会のテーマは?
毎年12月は【全国各地の先進事例の視察】を行っています。
今回は、【東日本大震災の被災地である福島県相馬市を訪問】しました。

mweでは震災(3/11)の翌月(4/12)、2t トラック2台分の支援物資と共に、

被災地(4カ所の体育館・公民館)を訪問しました。それから13年が経過した被災地が

その後、どのように復興を遂げてきたのかを視察して参りました

今回の視察では、相馬市観光協会・相馬スポーツツーリズム推進協議会のご協力で

企画を作成しました。2011.3.11震災を実体験された“ガイドさん”“語り部さん”

と共に各地を移動ししつつ、当時の様子を解説いただきました。

被災地視察・語り部さんからのお話から改めて、有事(自然災害)に備える

きっかけとなれば、企画した甲斐があります。

今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆被災地視察①◆


テーマ 「 震災当時の被害状況、その後の復興状況について① 」
     ~防災備蓄倉庫・磯部メガソーラー・相馬双葉漁港の視察~
講 師  相馬市観光協会 相馬市復興支援員・防災士 渋谷紀子様

<同じエリアで度重なる自然災害>
視察は現地の馬陵タクシーでジャンボタクシーを手配してガイド:渋谷さん、

mweメンバー6名で行いました。車中では渋谷さんから「東日本大震災の後、

復興に向かう中、震度6強の地震が2度、豪雨災害で町が浸水してしまい

度重なる自然災害に遭ったこと」をお聴きしました。

今年1月1日の能登半島地震でもその後、復興途上の中で集中豪雨があり、

『自然災害って同じエリアで集中するんだなぁ』と感じました。

令和に入って発生した震度6強の地震を経験したことが、

“防災士”の資格を取得するきっかけになったそうです。

渋谷さんの解説の中で地震発生直後の写真を観る機会がありました。それは渋谷さんの

自宅、寝室の1枚でタンスが倒れたすぐ横で息子さんが寝ている写真でした。幸い、

その自身では渋谷さんファミリーにケガはなかったということで安心しました。

倒れたタンスの写真を見せながら渋谷さんは

『家にある家具につっかえ棒を挟んで固定をしていたけど、壁に固定して安心していた』

『本当は壁の裏に柱があるかを確認して、そこにつっかえ棒を固定しないとダメだった』

と被災したからこそのアドバイスがありました。

もしかしたら、私たちの生活の中にある数億本のつっかえ棒のうち、半数以上は

付けてあるだけで効果が薄い(無い)状況にあるのかもしれません…。

<防災備蓄倉庫・顕彰碑の視察>
最初の視察地は「防災備蓄倉庫」です。
この倉庫の役割は自然災害が発生した時、相馬市民(3.2万人)のうち、

1/3(1万人)が3日間生活する中で救援活動を待つ時間を確保することです。

せっかく、防災備蓄倉庫をつくるなら、相馬市民全員(3.2万人)を対象とした方が

いいのでは?という疑問がわきますが、相馬市は沿岸部・市街地・内陸部と横長の

エリアのため、敢えて1/3ずつに分割して防災備蓄倉庫を作っているということでした。

倉庫の中はヒンヤリとしていて、食料・水・寝具・コンロなどの火器関連の物資が

貯蔵されていました。通常、一般には公開されておらず、今回のような視察時、

市役所から専用鍵を持ち出し、開錠します。

防災備蓄倉庫では、地元のこども達が防災学習をしたり、パーテーションで区切ると小さな

部屋を作ることができ、支援者(全国からの救援活動)の簡易宿泊施設にも転用できます。

支援物資が高く積まれた棚と共に特徴的だったのは、「支援物資を受けた自治体」

「職員派遣を受けた自治体」が自治体のロゴマークと共に掲示されていたことです。

これらは相馬市との災害・防災の協定締結の有無に関わらず、支援-受援の関係があった

自治体すべてが掲示されています。

(埼玉県や比企郡小川町もあり、埼玉とも支援-受援関係がありました)

支援物資を送る側の視点ばかりがフォーカスされますが、相馬市では被災当時、

集まった支援物資の管理が行き届かず、食料を廃棄せざるを得ない状況となってしまった

苦い経験を活かし、「受援体制の整備」の重要性を発信しています。

実際、1月1日に発生した能登半島地震では、相馬市長から能登市長に対して、受援体制の

整備として地元の体育館を一つ支援物資用に確保するアドバイスを行いました。

被災時、全国から山のように送られてくる支援物資が混乱することなく、体育館に

一時保管されたことで、目立った混乱もなく、支援物資が行き渡ったということでした

さて、防災備蓄倉庫では「顕彰碑」を視察しました。この顕彰碑は東日本大震災で

亡くなった消防団10名を追悼して建てられたものです。年齢が30歳~48歳と

まだまだ若い団員の皆さんの名前や相馬市長から碑文が掲示されています。

顕彰碑の真ん前(ガイドさんの足元)がへこんでいる部分がありますが、

これは東日本大震災後、2度の震度6強の地震で顕彰碑が倒れた跡です。

顕彰碑の幅と同じ、亀裂があるのが分かりますね。

顕彰碑も一部、欠けてしまっていて、地震の威力を思い知らされました。

<災害危険区域に広がるメガソーラー>


続いて車窓から磯部地区のメガソーラーを視察しました。国道6号線と海岸線を

挟んだエリアに広がるメガソーラーはちょっと違和感のある光景でした。

現在も災害危険区域のため、市民が住めないエリアとなっています。

19.8万枚ものソーラーパネルが敷き詰められ、1.7万世帯分が1年間生活できるだけの電力

を供給しています。相馬市の世帯数が1.4万世帯なので、残りは東京へ売電を行っています。

ソーラーパネルの隣りには田んぼが広がっているエリアがあり、ここでは“相馬方式”という

土壌改良方法がとられ、津波による塩害から田んぼが復活している姿が見られました。

(相馬方式は土壌の上部分と下部分を総入れ替えし、石灰質の粉を噴霧するものです)

<相馬の自然を体感できる松川浦・海苔の養殖>
メガソーラーを抜けると松川浦を走り抜ける松川浦大橋を渡ります。この橋は海岸線と松川浦

を区切るように通っており、右側に防潮堤と海岸線、左側に松川浦を観ながらの疾走します。

震災前、相馬の海苔は全国2位の生産量を誇っていましたが、震災で生産が急減します。

現在でもピーク時の20%ほどに回復している状況で、まだまだ海苔の生産は途上です。

松川浦の海苔の養殖でのエピソードとして、「海に番地がある」という珍しい事例です。

海苔の生産者は決まったエリアで生産をしており、その場所は住所地登録がされ、

代々相続されていくそうです。海の中の住所って聞いたことないですね。

ガイドの渋谷さんからおススメのお土産を紹介いただきました。

相馬市観光協会が「相馬ブランド認証品」に認定している土産物で、現在14商品が

選ばれています。特にその中でも“松川浦かけるあおさ”がおススメと言うことで、

mweメンバー全員が2個ずつ購入しました。

(パスタに和えたり、フランスパンに乗せたりとアレンジメニューが広がります)

 

◆被災地視察①◆

テーマ 「 震災当時の被害状況、その後の復興状況について② 」
     ~慰霊碑・鎮魂祈念館の視察~
講 師  語り部さん:相馬市で建設業を経営されている小幡広宣様

<震災直後のDVDを視聴>


鎮魂祈念館では最初に、DVD「あの日を忘れることなく、心のよりどころとして…」

を視聴しました。津波に映像と共に強く印象に残っているのが、撮影者の方の

『えっ!大変だ!』『どうしよう!』などの声です。

私たちが報道で見た映像にはない、地元の方々の生の声が自然災害の大きさを

物語っていました。

<語り部さんが語る、震災直後の1か月間>
今回、震災当時の様子をお話頂いたのは、相馬市で建設業を経営されている小幡さんです。

震災時は30代半ばで3歳のお子さんがいらした状況でした。幸い、奥様・祖父・祖母も

無事ということでした。

3月11日2時46分、その時、小幡さんは建築現場に向かうトラックの運転中でした。

警報では3mの津波だったのに、瞬く間に10mの津波に変更され、

『これは、大変なことになる…』と感じたそうです。

一旦、自宅に戻った小幡さんは奥様と『避難訓練のつもりで避難しよう』と高台に避難。

その後、巨大津波が眼下に広がります。最初は『自宅の3階に避難すれば大丈夫』

と思っていたようですが、実際は3階部分も津波の跡があったので、避難が大正解でした。

小幡さんの家は海岸線から200mほどの位置にあり、津波が周りの家を全てのみ込んで

しまいます。津波の後、自宅に戻ると、小幡さんの3階建ての家以外はがれきの状態で、

1軒だけぽつんと残っている状況でした。

実際の写真を観ることができましたが、1軒だけ残った家は伏木が光景でした。

あれだけの津波の中、なぜ残ることができたのか?特別な建て方をした訳ではなかった

ので、偶然の中の偶然だったとしか思えないと仰っていました。

小幡さんは『自分の家は家族も全員無事だったけれど、まだ捜索途上の人たちもいて、

町中にはがれきの山だったので、何かしなくては!』との思いで、

ここからの1か月を過ごされます。

まずはじめに建設業で保有していた重機でがれきの撤去を行います。ただ、通常は重機を

トラックで運搬した後、作業を行いますが、当時はトラックの手配もできませんでした。

市役所に事情を説明したところ、『通常、道路が傷ついてしまうので、重機での公道走行は

できないけれど、非常時でがれきの撤去が優先』ということで、直接、重機で公道を移動し、

作業を開始します。

本当は明け方から作業を始める予定でしたが、明け方を待たずに暗いうちから作業を

開始します。朝から夜まで作業しても100mも作業が進まない状況でもがれきの撤去・

生存者の捜索を続けます。

<津波に追い打ちをかけるように原発事故が発生!>
がれきの撤去を行う中、原発事故の報が飛び込んできます。原発事故の被害がまだまだ

分からない状況の中、作業を続けていましたが、隣りの南相馬市では全住民(7万人)が

避難することになります。

自身が暮らす相馬市はどうなる?市役所とのやり取りの中、全住民の避難は行わない

という意思決定が下されました。現場での作業する人も限られる中、相馬市長の

リーダーシップのもとで小幡さんを始め、地元の建設業者や消防団などが

がれきの撤去・生存者の捜索を行っていきます。

当時の様子を小幡さんは…
  『震災直後は相馬市が全滅してしまう…、と本気で思ったほどだった』
また、苦しい1か月間は…
  『本当に大変だったけど、人生の中で一番生きていることを実感した1年だった』
その後、2度の震度6強の地震、豪雨災害を経て…
  『飲食店の仲間も何度も立て直しをして再起を図っている。人間って強い!』
と振り返ります。

小幡さんは、熊本地震や能登半島地震のボランティア活動にも参加されており、

  『今後、mweの地元 埼玉で自然災害が発生した時も、わたしは応援に行きます!』

と仰って頂きました。

巨大津波に周りの家が全て飲み込まれる中、1軒だけ残った家であったり、

震災後の救援活動、そして、その後の全国各地での被災地応援など、

小幡さんが“何かの力”でお役目を担当されているような見えない力を感じたお話でした。

そして、帰路はジャンボタクシーでスタート地点のJR相馬駅に戻りました。

今回、運転を担当頂いたドライバーは20代の男性で、被災当時は中学校の卒業式でした。

卒業式を終えて自宅で被災したそうです。

その中学生が、いま、こうして被災地視察の移動をサポートしてくれています。

こういったご縁も有難く感じました。

改めて、今回の視察を企画して頂いた相馬市観光協会 渋谷様、語り部を担当頂いた

小幡様には感謝いたします。今回の視察が改めて、有事(自然災害)に備える

きっかけになれば幸いです。

わたしもさっそく、我が家の防災備蓄品をチェックします。
このブログ記事を観ている皆さんもぜひ、防災備蓄品をチェックしてみましょう!


次回、1月度mwe交流会は、1月14日(火)開催です。

<交流会テーマ> 
子どもも大人も誰もが互いに支え合い、子どもが健やかに育つ社会づくりを目指して…
『“行政と民間の中間”で、ユニークな子ども支援を行う先進事例から学ぼう!』


今回は、第5回「子ども(の食)支援交流会」としての開催です。
  前回、第4回:2023.10.10「子どもの食支援交流会」
  前々回、第3回:2022.11.8「コロナ禍の子どもの食支援の現状と課題を共有」
をふまえた、5回目の開催です。
 
今回はアフターコロナに移行した現在、引き続き厳しい子ども(の食)支援の現状

と共に東京都で行政と連携しながら、子ども支援を行う事例をご紹介します。

講師は、埼玉県 福祉部 少子政策課から分かれた「こども政策課」「こども支援課」

から講師をお招きし、ご登壇頂きます。また、東京都でひとり親家庭の支援などを行う

バディチームの現場での支援の様子をご紹介します。

 

子ども(の食)支援のいま、を知る交流会です!

<講演>
視察① 「 子育て・子どもの貧困の現状と、埼玉県のこども計画・子育て支援について 」
     ~埼玉県 少子政策課からこども政策課・こども支援課に分かれた取組み~
講 師  埼玉県 こども政策課 主事 白石希実様・清水右都様
     埼玉県 こども支援課 主事 松本翼様
 

視察② 「 誰もが支え合い、みんなで子育て 」
     ~バディチームの支援活動~
講 師  特定非営利活動法人バディチーム 代表理事 岡田妙子様 理事 濱田壮摩様

 

◆今月のmwe交流会のテーマは?
今月のmwe交流会のテーマは、
一生のうち、何処かで一度は水害(自然災害)に遭ってしまう時代だからこそ…
『災害が起きた“その時”を想定し、自分事として災害への“備え方”を考えよう!』


平成30年に発生した大阪府北部地震・西日本豪雨・北海道胆振東部地震、令和元年の

台風19号・20号・21号など、全国各地で大規模災害が多頻度で発生しました。そして、

今年元日に発生した令和6年能登半島地震は甚大な被害となり、未だに復興途上にあります。

さて、平成~令和にかけて全国の市区町村で発生した水害の調査によると、この間に

被災ゼロの市区町村は2.4%に留まっていることが分かりました。日本全国の市町村の

数は1,741ありますので、被災ゼロはわずか41市町村しかありませんでした。つまり、

私たちは人生のうちで一度は自然災害に遭ってしまう時代にあるということです。

そこで、今回の交流会では、「災害対策を講じる立場」である県警察本部から講師を

お招きし、大規模災害を疑似体験すると共に、「今までにない男女共同参画の視点」

で日ごろの備えを考える機会になりました。

今月の交流会もよろしくお願いいたします!


◆理事長によるmweフィロソフィの共有


毎月、交流会の始まりは、mwe杉田理事長によるmweフィロソフィの共有からです。

mwe活動で大切にしている理念(「利他」「協働」)を異なる側面からお話する時間です。

日頃、仕事に追われて、忘れている「大前提」「原理原則」に立ち返る時間になっています。

今月のテーマは、『「みんなのために」仕事をする』です。


◆財団交流会 講演①◆


テーマ :「 大規模災害について 」
     ~埼玉県の大規模災害発生時の警察活動について~
講 師 : 埼玉県 警察本部 危機管理課 災害対策補佐 長田 忠邦 様

交流会前半は、埼玉県 警察本部 危機管理課より講師を派遣頂き、「災害発生時の警察活動

について」お話を頂きました。私たちが知っている警察の姿からは想像がつかない支援がある

ことが分かりました。私たちの生活を支えてくれている様子が少しでも伝われば幸いです。

<大規模災害に備えた警察の災害派遣隊>
災害時の支援は、消防や自衛隊という印象が強いですが、警察も救助支援を担当しています。

警察災害派遣隊と呼ばれる部隊には即応部隊・一般部隊があり、広域緊急援助隊を含む

即応部隊は1万人を擁する舞台となっています。

1月1日に発生した能登半島地震でも埼玉県の即応部隊が派遣され、消防・自衛隊と共に

被災者の救出救助を行いました。10月末時点でのべ6,600人が派遣されています。

即応部隊は災害発生から3日~7日の災害発生初期対応を担当します。

今回、豆知識として警察・消防・自衛隊の見分け方があることを知りました。
それは、救助隊が着用している防護服で識別するそうです。
  「黄色+水色」の場合  ➡ 警 察
  「オレンジ色」の場合  ➡ 消 防
  「迷 彩 色」の場合  ➡ 自衛隊

報道などで災害支援の様子を観た時、防護服もチェックしてみて下さい。

さて、長田様からは能登半島地震への支援時のエピソードがありました。
埼玉県からは元日の地震発生後、すぐに即応部隊を派遣しましたが、能登半島入りが難航…。

能登半島に通じる道路が地震の影響で、支援用の大型車両が通行できない状況でした。

そこで、ヘリコプターでの移動を試みますが、天候不順によりこちらも断念することに

なります。再び、スタート地点に戻った後、小型車両で被災した道路を進み、現地入り…。

ようやく到着した時には、1月2日に日付が変わってしまっていたそうです。

警察の即応部隊の皆さんは震災発生後、休む間もなく、現地入りを試みていただき、

その責任感・行動力には感服します。

<埼玉県で想定される2大災害>
埼玉県が備えるべき災害は、「地震」と「水害」の2大災害です。
1つ目の「地震」では、特に首都直下型地震、南海トラフ地震に注意が必要です。

首都直下型地震は、今後30年間のうちに70%の確率でマグニチュード7クラスの地震が

発生すると言われています。M7というと1月1日の能登半島地震と同等クラスです。

また、南海トラフ地震は、神奈川県~宮崎県・鹿児島県の太平洋岸の広域で被害想定が

される発生する地震で、90~150年周期で津波を伴う地震が発生します。今後30年以内に

マグニチュード8~9クラスの地震が、70~80%の確率で発生すると言われています。

ちなみに国は指定する南海トラフ地震防災対策推進地域に、埼玉県は含まれていませんが、

埼玉県は推進地域に指定されている静岡県を応援することになっています。

ここでも即応部隊が活躍します。

2つ目は「水害」です。埼玉県は海なし県ですが、水害には要注意です。

というのも、埼玉県は県土に占める河川割合が全国2位の広さとなっており、

荒川・利根川・江戸川流域の影響を大きく受けることになります。

記憶に新しいところでは、令和元年東日本台風では、台風19号により記録的な大雨となり、

川越エリアでは浸水してしまいました。報道では4階建ての高齢者施設が2階部分まで浸水し、利用者さんたちが屋上に避難した様子や、警察・消防・自衛隊が連携し、

ボートを利用して救助する様子がありました。

<いまから、身近なところでできる防災対策>
講師の長田様からは「みなさんへのお願い」として、「自助」「共助」「公助」の話が

ありました。災害発生時、まずは自分の身を守る「自助」に充分取組み、自分や家族の

安全が確保できたうえで、「共助」に取組んで欲しいとの話がありました。

そのためには、日ごろから「防災備蓄が足りているか?」「ハザードマップで自宅周辺は

どうなっているか?」で備えを万全にしておきましょう。この自助➡共助の流れが

スムースに進むことで、初めて公助が活きてくるという話でした。

実際、阪神淡路大震災では、30万人の人々が被災した状況に対して、救助隊は1万人

あったようです。救助隊1万人で助けられる数には限りがありますので、自助・共助が

できる人が1人でも増えることで、公助が本当に必要な人に行き渡るんですね。

そして、埼玉県が全国に先駆けて取り組んでいる「水害リスクマップ」をご紹介します。
【国や県では、これまで、水防法に基づき住民等の迅速かつ円滑な避難に資する水害リスク

 情報として、想定最大規模降雨を対象とした「洪水浸水想定区域図」を作成し公表して

 きました。今後はこれに加えて、土地利用や住まい方の工夫の検討及び水災害リスクを

 踏まえた防災まちづくりの検討など、流域治水の取組を推進することを目的として、

 発生頻度が高い降雨規模の場合に想定される浸水範囲や浸水深を明らかにするため、

 「水害リスクマップ」や「多段階の浸水想定図」を作成・公表しました】

以下のURLにアクセス頂くと、埼玉県が関わる利根川水系・荒川水系の河川名別

水害リスクマップ」「多段階の浸水想定図」がチェックできます。

一度、最寄りの河川をチェックしてみて下さい!
https://www.pref.saitama.lg.jp/a1007/kasen/suigairisukutadannkainosinnsuisouteikuikizu.html

<グループワーク:災害を想定したリスクの見える化>
続いて、DIGと呼ばれる災害図上訓練を行いました。
DIGとは・・・
  災 害  Disaster
  想像力  Ⅰmagination
  ゲーム  Game

の頭文字をとって名付けられた防災訓練方法です。

身近な文房具を使い、地図や見取り図に参加者自身が書き込みをすることで、

自分の地域や住まい・職場に潜む災害の危険性を「見える化」し、

被害を少なくするためにはどうすればよいかをみんなで考える、頭の防災訓練です。

参加者が3班に分かれて、DIG専用のシートに記載し、その後、意見交換を行いました。
(金融機関のコメント)
 『当行は3階建てで、近隣のお客さまも多く来店いただきます。災害発生時、

  スムースな非難ができるよう、私だけでなく、行員全員が被災時の初動活動を

  理解し、役割分担ができるようにしていきたい』
(医療・福祉事業者のコメント)
 『たとえ、被災時の計画があっても有事を想定(リスクを見える化)することで、

  改めて計画が活きてくると思う。』

今回、公務がある中、研修プログラムを作成いただき、危機管理課の皆様には感謝します。

演習(DIG)でも通常版をアレンジしたバージョンで実施して頂き、

参加者もスムースに災害の見える化ができました!


◆財団交流会 講演②◆


テーマ :「 災害・防災と男女共同参画 」
     ~ 男女共同参画の視点から考える防災対策 ~
講 師 : 埼玉県 男女共同参画推進センター(WithYouさいたま) 黒須 さち子 様

後半は、WithYouさいたまから講師を派遣頂き、ジェンダーフリーの立場から、

女性視点での防災対策について、解説頂きました。

今回の研修は、東日本大震災時、さいたまスーパーアリーナ・旧騎西高校での被災者の

皆さんの一時避難先としての経験から実際に感じたことも含め、講演を頂きました。

<被災者が置かれがちな状況>
災害発生直後は、「指定避難所(小中学校・体育館)へ行く」「指定外の施設(集会所・

事業所)へ行く」「自宅に留まる」のいずれかとなりますが、何処へ避難するのか?

どの立場(支援される側・する側)になるのか?は不透明な状況です。

避難時は「避難行動要支援者」と呼ばれる、移動が難しい人や集団生活に馴染めない方も

いることを理解しましょう。

避難行動要支援者:妊産婦・乳幼児・障がい者・要援護の高齢者・外国人など

また、「災害関連死」と呼ばれる避難所の環境が劣悪で、避難所生活でのストレスなどで

亡くなってしまう方の存在にも注意が必要です。

<「災害関連死」は減らせるのか?>
「災害関連死」とは、自然災害による建物の倒壊や津波などが原因で亡くなる

直接死とは別に、避難生活や環境変化のストレスから体調が悪化してなくなり、

災害が原因と認められるケースです。

東日本大震災時の災害関連死は以下の通りです。(数が多い順に記載)
 ・避難所における生活の肉体・精神的疲労
 ・避難所への移動中の肉体・精神的疲労

 ・病院の機能停止による既往症の増悪
 ・地震・津波のストレスによる肉体・精神的疲労   

東日本大震災では、3,800人もの災害関連死が発生しており、約5割は避難所における

疲労が関係していると言われています。ちなみに、熊本地震では死者50名に対して、

関連死218名(4倍)となり、能登半島地震では、死者401名に対して、関連死174名

なっており、その数の多さが際立っています。

せっかく、災害そのものから助かった命なのに・・・という思いでいっぱいです。ある意味、

減らそうと思えば減らすことができる事象なので、避難所生活の組み立て方は重要です。

<避難所生活での“あるある”>
実際に避難所生活を体験した人たちの声からまとめられた、避難所生活でよく起こる課題を

カテゴリー別に以下に記します。
1.生活環境(プライバシー・衛生など)
 ・仕切りや更衣室が設置されない避難所があり、プライバシーが確保できなかった。
 ・衛生状態が悪く、体調を崩す、病気になる。(東日本大震災では、震災1ヶ月後、

  週1回しか入浴できない避難所33%、一度も入浴できない避難所5%)
 ・避難所にいづらい/いられない避難者がいた(障害者・乳児・高齢者・認知症の人や

  その家族など)
2.物資の不足と管理
 ・女性用・妊娠前後の衣服や下着、生理用品、育児用品等(ミルク・離乳食・オムツ・

  おんぶ紐・哺乳瓶等)の不足

 ・避難所リーダーや物資担当者は男性が多く、女性が必要な物資をもらいに行ったり、

  要望を出しづらい。

 ・在宅の避難者へ物資や食料がいきわたらない。配布手段も限られた一方、

  在宅の避難者には物資を渡さなかった避難所もあった。
3.安全・安心(治安・暴力など)
 ・災害時でも女性と子どもへの暴力は発生する。(世界的傾向)
 ・街灯もなく、暗い。避難所の仮設トイレも屋外で男女別でない。見知らぬ人も多い。

  停電・節電。治安面で不安。
 ・人気のない場所だけでなく、多く人がいる場所でも発生。被害者の年齢層も幅広い。

  加害者は顔見知りの場合も多い。
 ・災害時には女性や子どもの安全確保は優先順位が低く、平時に増して、訴えにくい。
4.心身の健康
 ・高血圧・高血糖・喘息など慢性疾患の悪化、肺炎・インフルエンザ・胃腸炎などの

  感染症、便秘、低栄養や生活不活発病、介護者不足による褥そう(床ずれ)形成や悪化、

  ストレス・不安・不眠など。
 ・女性特有の症状(膀胱炎・外陰炎など……体を清潔に保てない、下着を干す場所が

  なくこまめに交換できないことなどが原因)。
 ・極度の疲労・ストレスを溜め込みがち(特に責任ある立場の男性)
5.固定的性別役割の強化(炊き出し、介護・子育てなど)
 ・ライフラインが停止する中、保育・福祉・医療サービスの機能低下による家族のケアの

  増大(主に女性が負担増。介護・育児している男性、高齢者・障害者世帯も困難に)。
 ・女性のみが炊き出しを担う。早朝~夜まで整わない環境で大量の調理を行い、疲労蓄積。

  乳幼児や要介護の家族のいる女性は、家族と地域のケアの二重の負担。
 ・避難所の責任者の大半が男性。過度な負担の集中。
 ・仕事を持つ女性は家族と仕事の板ばさみ。
 ・父子世帯への支援は平時から少ない。

<災害対策に「男女共同参画の視点」を盛り込む>
避難所生活でのストレスをできるだけ軽減し、避難するすべての人々が急場を凌ぎつつ、

避難所生活の質を下げないためには、「意思決定の場に参画する男女間の格差・不平等」を

無くしていくことが必要です。

具体的には・・・
 ・自主防災の組織に女性の役員を増やす。障害者や外国人の参画も確保。
 ・避難所運営の責任者層には男女両方が入ることを、避難所運営ガイドラインに明示する。
 ・平常時はもちろん災害時にも、世帯主や自治会長・区長だけの意見で防災や復興の方針を

  決めるのではなく、広く多様な住民・個人から意見を聞く。
などが挙げられます。

重要なのは、被災者/避難行動要支援者の「半分は女性である」ということを再認識し、

女性が地域の役員や組織の責任者により多く就けるようにし、男女双方で対策を進める 

(班などのメンバーも男女混成で)ようになるとより良い地点に辿り着けると思います。

最後に、「男女共同参画の視点」の地域防災活動上のメリットを2点記します。
1.多様な被災者の要望に応えることができてこそ、被災者の命と健康を守ることができる

(➡災害関連死の減少)。女性のリーダーが増えることで避難所生活での対応力も向上!
 ・男性リーダー自身が、誠実で熱心かどうかと、女性を含む多様な視点で被災者支援が

  できるかどうかは、全く別問題
 ・女性、若い世代、要援護者といった多様な人たちの能力を引き出し、

  その人たちもリーダーシップを発揮できる環境をつくることが大切
2.女性や子育ての視点での避難訓練や災害時の学習会がポイント!
 ・女性たちや若い世代が、関心を持ったり、活動の遣り甲斐を感じられる場を提供できる

  ようにすることが大切(学習テーマ・訓練方法の工夫、女性や若手に企画・運営を任せる)

黒須様からは「災害対策での男女共同参画」をテーマにした参考資料をご紹介頂きました。

いずれもWith Youさいたまのライブラリーに所蔵されていますし、市町村図書館からも

借りていただくことが可能です。
 ・『災害支援に女性の視点を』
   竹信三恵子・赤石千衣子編、岩波書店、2012
 ・『子連れ防災手帖 : 被災ママ812人が作った 』
   つながる.com編、メディアファクトリー、2012
 ・『現場に学ぶ、女性と多様なニーズに配慮した災害支援事例集』
   東日本大震災女性支援ネットワーク、2012
 ・『復興に女性たちの声を : 「3・11」とジェンダー 』
   村田晶子編著、早稲田大学出版部、2012
 ・『男女共同参画の視点で実践する災害対策 : 災害とジェンダー<基礎編>』

   東日本大震災女性支援ネットワーク、2013
 ・『女たちが語る阪神・淡路大震災』
   ウィメンズネット・こうべ編、ウィメンズネット・こうべ、2005


次回、12月度mwe交流会は、12月10日(火)~11日(水)開催です。

<交流会テーマ> 
福島県が推進する“ホープツーリズム”で震災と原発事故からの復興を体感しつつ…
『東日本大震災後、13年に及ぶ被災地の復興プロセスから“自分事”として学ぼう!』


2011年3月11日の東日本大震災から、13年余りが経過しました。私たちmweでは、

震災翌月の4月12日~13日、2tトラック(2台分)に支援物資をいっぱいに止め込み、

被災地の体育館を回りました。

当時、幼稚園児の男の子との接点がありましたが、話を聞くと震災で両親が行方不明に

なってしまったということでした。その彼もいまは高校生の年になっています。

また、mwe事務局は、2017年・2019年の2度に亘り、東北・みやぎ復興マラソン(フル)

に参加し、防潮堤の内側や、閖上地区の復興の様子を体感しました。震災後の復興途上に

ある現地の皆さんのおもてなしの雰囲気を肌で感じることができ、感慨深かったです。

さて、この間、東北の被災地は復旧・復興を遂げ、現在の生活となっています。
mweでは震災後、13年に及ぶ復興プロセスに触れ、将来の有事に対して、自分事として

備えられるような機会にしたいと思い、震災復興コースの視察を企画をしました。

今回、相馬市観光協会・相馬スポーツツーリズム推進協議会によるご協力の下、

交流会を企画・開催することができました。ありがとうございました!

<講演>
視察① 「 震災当時の被害状況、その後の復興状況について① 」
     ~防災備蓄倉庫・磯部メガソーラー・相馬双葉漁港の視察~
講 師  ガイドさんによる被災地視察
 

視察② 「 震災当時の被害状況、その後の復興状況について② 」
     ~慰霊碑・鎮魂祈念館の視察~
講 師  語り部さんによる被災地視察