世界では、2万以上の産科施設が、「赤ちゃんにやさしい病院」と認定されています
そして日本では・・・
「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けている産科施設が、73施設あります
(2016年7月まで)
さて、「赤ちゃんにやさしい病院」とは、どのような病院なのでしょうか
それは・・・
名前のとおり、赤ちゃんに優しいことをしている病院です
きちんとした認定基準を知りたい方は、ページ後半の記載をご参照くださいね
具体的には、生まれたばかりの、赤ちゃんの気持ちになってみると、よくわかります
赤ちゃんは、約10ヶ月ママのおなかで、温かい羊水の中でウトウトと気持ちよく過ごしています
ある日、勇気を出して、お外の世界に生まれてくると…
まぶしい、寒い、時には痛い(吸引で頭をひっぱられるなど)、知らない人ばかり
そんな時に…
生まれたらすぐに、ママのお胸の上で抱っこをしてもらえるように、お手伝いをしてもらえる
生まれた時から、ママとずっと一緒に安心して過ごせるようにしてくれる
ママのおっぱいを、飲みたい時に、飲みたいだけ、飲めるようにしてくれる
ボク(ワタシ) がじょうずに飲めない時には、お手伝いをしてくれる
ママが不安になったり、困った時には、いつでも助けてくれる
そんな病院が「赤ちゃんにやさしい病院」です
もちろん、すべて医学的に安全だと判断された場合にのみ、行われます
「赤ちゃんにやさしい病院」以外の病院はダメなの
もちろん、産科には先生、看護師さん、助産師さんがいるので、母乳育児支援を受けることができます
けれど、その内容は、病院によって大きな差があるのです
「赤ちゃんにやさしい病院」ではなくても、赤ちゃんにやさしい環境を整えられるように、積極的に取り組んでいる病院
赤ちゃんにやさしいかどうかに、あまりこだわっていない病院
これは、病院を受診しただけでは、わかりにくいのですが
ホームページに載っているところもありますし
実際に出産された、ママにきいてみるのも一つ、病院の先生や、助産師さん、看護師さんにきいてみると、いちばん確実だと思います
確認するための4つのポイントはこちら
生まれたらすぐに、赤ちゃんをママの胸の上に乗せて、お肌とお肌の触れ合いをしてくれる(カンガルーケアをしている)
生まれてから退院まで、ママと赤ちゃんが同じお部屋で過ごす(母子同室制)
赤ちゃんが、おっぱいをうまく飲めない時は、お手伝いをしてくれる
医学的に必要がない限りは、母乳以外のものを与えない
ただ、
「赤ちゃんにやさしい病院」は、病院全体のことですが・・・
「赤ちゃんにやさしい病院」の認定病院であっても、「母乳」だけにこだわるあまり、ママの気持ちに十分寄り添うことを、忘れてしまっているスタッフと出逢うこともあります
「赤ちゃんにやさしい病院」の認定病院ではないけれど、ママと赤ちゃんに寄り添いながら、ケアをされているスタッフの働く病院も、たくさんあります
大切なことは、病院のスタッフ一人一人が、赤ちゃんとママの体に、心に良いことは何かを学び
出逢った、赤ちゃんとママに寄り添いながら、その時の自分にできる、最善のケアを提供していること
近くで、ママの思いをたくさん聴いてくれるような、ママが笑顔でいられるような、やさしいスタッフがたくさんいる病院に、出逢えますように・・・
さて、
ここからは、「赤ちゃんにやさしい病院」について、詳しい認定基準を知りたい方のために、記載させていただきます
「赤ちゃんにやさしい病院」とは・・・
世界保健機構(WHO)が出している、
母乳代用品のマーケティングに関する「国際規準」(WHOコード)を守り、
ユニセフと、世界保健機構(WHO)が出している、
「母乳育児成功のための10か条」を実践していると認定されている産科施設のことです
では、「国際規準」とはなんでしょうか
簡単にいうと・・・
企業は、営利目的に、赤ちゃんとママを利用しないでくださいね、ということです
具体的には・・・
「ミルクの缶や果汁のビン、お茶、食品に、ママが買いたくなるような、可愛いパッケージを使用しないでくださいね」
「ママが手にとった時に、これって赤ちゃんに与えたほうがよいのかしらと思うような、宣伝文を使用しないでくださいね」
1ヶ月から飲める麦茶、3ヶ月から飲める果汁など、1ヶ月から飲める麦茶、フォローアップミルクなど・・・
「病院ではママへのお土産にミルクや試供品を配らないでくださいね」、
ミルクのお土産を配るということは、病院にミルク業者さんが入っています
病院は、ミルク業者さんから収入を得ることができます
また、お土産でもらったママは、必要性を感じていなくても、「もったいないから」「せっかくだから」使ってみる方も多いのです
ミルクが本当に必要なママには、それがいつでも手に入る、「適正に販売するようにしてくださいね」、ということです
こんなに厳しい規準が出されたきっかけには、企業が利益を優先にして、子どもの命が奪われてしまったという悲しい背景があります
2度とこのような、悲しいことが起きないように、「安全で、十分な栄養を、すべての乳児に供給すること」という目的で、国際規準が定められています
また、この「国際規準」はママの意思に反して母乳育児を強いることを目的にしているのではなく
ママが赤ちゃんの栄養法に関して、「科学的で事実に基づいた情報を得る」ことができるようにするための規準でもあります
この「国際規準」・・・
法規制がされていない日本では、守られていないのが現状です
ミルクや、赤ちゃんの飲みもので、可愛いパッケージは普通に売られています
一方、海外では・・・
オーストラリアでは、法制化はされていないけれど、国際規準に準じた、国内規準を策定されています
インドでは、店内で目の届くところにミルクを置いていませんが、必要な人はすぐに購入できるように、お店の裏の棚には、常に準備されています
ブラジルでは、世界一厳しい国際規準の国内法制化がされています
日本製の人工乳も、ブラジルでは、お薬のようなパッケージで売られています
イタリアでは、規準に違反した小児科医、ミルクメーカーの営業担当者が、収賄容疑にかけられました
次に、母乳育児成功のための10か条とは
1989年に発表された、WHOとユニセフの共同声明です
「赤ちゃんにやさしい病院」では、院内に、このポスターが必ず掲示されています
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