タロットとビジネス、占いとそれ以外 | タロットの煌めき マルセイユタロット活用術

タロットの煌めき マルセイユタロット活用術

伝統的なマルセイユタロットを使っての、自分と人のために活かせる知識と方法をお伝えしています。

私は中級以上の講座で、希望者にはタロットリーダーを養成(する講座を提供)していますが、タロットビジネス(タロットを使った営利的業務の構築と実施)を指導しているわけではありません。

 

ただ、タロットにおけるビジネスの状況については、私の知る範囲で解説しています。

 

タロットを使ったビジネス・営業となりますと、現状、タロット占い師になるというのが、もっともメジャーなものになるかと思います。

 

また、タロットヒーリングとか、タロットカウンセリング、タロットコーチングなど、とにかく、タロットを使って、人様の問題の解消や軽減に当たるという方法が考えられます。

 

それでも、いまだ、タロットは「占い」のツール、方法という一般的な認識が強いですので、営業としてやっていくのにも、「占い」でのアピールをするほうが、市場に向けてやりやすいのは確かでしょう。

 

そのため、占いではないタロットの活用を最初に志していた人でも、営業としてやっていくために、占いにシフトにしたり、占い向けに対象を変えて行ったりすることが少なくありません。

 

言ってみれば、「タロットリーダー」と名乗るか、占いを強調して「タロット占い師」として名乗るかみたいなことになります。

 

タロット占い師を名乗ることになるのなら、当然、お客様は占いを期待して来られますので、現状、及び過去や未来を含めて、当たるか当たらないかの点には、こだわりを持たれたり、問われたりすることになります。

 

占い師として初めから占い的にタロットを読む技術を教わっている、あるいは独学ながら、占い技術の研鑽をしてきたという人ならば、占いに期待するお客様に対しても、当たり前ですが、スムースに応えることができます。

 

少なくとも、自分のやっていることと、お客様が求められるものとの違いに悩まされることはあまりないでしょう。つまり、ビジネス・営業としても葛藤がないわけです。

 

しかしながら、占いではないタロットの使い方を目指してきた人、学習してきた人(特にマルセイユタロットでは、そういう方向性になりやすい)は、占い市場が多いタロットにおいてのお客様と、自分のやろうとする理想との間に、大きな違いがありますので、齟齬や葛藤が生じます。

 

ですから、占い市場で稼ぐとか、営業するとかの目的をもってタロットを使いたい場合は、最初からバリバリのタロット占い指導者(ビジネス的にも結果の出ている方)のもとで学び、訓練されるとよいと思います。

 

ちなみに私は、占いではないタロット(マルセイユタロット)になりますから、初めに述べたように、タロットリーダーになるための講座は開講していますが、あくまで、それはビジネスではなく、結局自己研鑽のためのものという目的になります。

 

私の考えでは、他人向けにタロットリーディングすることも、自己の認識を深め、(統合的に)成長するための方法のひとつであり、しかも、なかなか効果的な手段でもあるのです。

 

その過程で、タロットリーディングに代金をいただくこともありとしていますが、それはビジネスとして稼ぐ、それ一本で生業していくというようなものではなく、あくまで補助的なものです。

 

金銭を介することで、タロットリーダーとクライアントとの間で現代社会においては、ある種の契約や誓約ができるので、ともに真剣になるという利点があるのと、エネルギー的にも等価交換的なことになって、リーダー側の一方的消費に終わらないということがあるためです。

 

従って、ビジネスとして成功するためのタロットリーディングを教えているわけではありません。

 

もっとも、タロットと占いという結びつきは、今の一般的な意味でのタロット市場では強いですが、それも次第に時代遅れになりつつあると見ています。ただ、占いへの需要は、人々の大幅な霊的な向上がない限り、まだまだあると思います。

 

そもそも、タロット占い自体、かなり古い時代からあると考えられ、特にフランスでは、あの革命前後の時代に人心が乱れ、社会への不安が増したので、それまでキリスト教的には禁止され(ずっと禁止されているものですが)、特殊な階層の人でしか、していなかった占いが一般に広まり、巷で占いをする人、見てもらう人が激増したと言われます。

 

そこから見ましても、数百年、いまだ占いへの需要と供給が続いていると言えます。だから、まだまだ続きそうです。

 

ということは、規模はどうあれ、タロット占いとしてのビジネスの可能性もしばらく続くことが予想されます。その意味では、タロット占い師としてやっていくと、決意されるのもありでしょう。

 

一方、先述したように、従来型の占いも時代遅れとなりつつあり、変化が加速することでしょう。すると、タロットを占いではなく使っていく方法や、新たなタロットでのビジネスということも考えられます。

 

タロットというもの自体、男性はともかく、女性においては、おそらく結構名前と存在だけは知られているものと思います。

 

そのため、タロットそのものをウリにして、それをどう使うのかというよりも、「タロットを使って、あなたを幸せにする」というフレーズ(目的)で、使う方法はリーディングでも、ヒーリングでも、コーチングでも、そして占いでも何でもよいとするやり方も可能に思います。

 

要は使い方ではなく、いかに来られた人を楽にできるか、勇気や希望をもってもらえるか、価値をもってもらえるかということです。

 

これはタロットというツールが知られれば知られるほど、そういうこと(使い方・方法技術ではなく、タロットそのものをウリにすること)が、やりやすい環境になると思われます。

 

それから、少し高度なテクニックになりますが、あくまで占い市場に身を投じながら(お客様の層を、占い認識での方々をメインとしながら)、やっている中身はタロットリーディングやタロットカウンセリング、という方法もあります。

 

結局、よいタロット占い師さんは、当たりはずれのタロット占いの技術だけを提供されているのではなく、来て良かった、救われたとお客様が思う、人への親身な相談ができるからです。

 

それはお客様・クライアントにとって、実は当たる当たらないが本当の目的ではないとも言えます。

 

何のために占いに来られているのかを想像すれば、自ずと、タロット占い師・タロットリーダーが(タロットを使って)行うことの意味がわかるはずです。

 

ただ、市場自体が「タロットと占い」という、ステレオタイプ的な見方で凝り固まっているため、タロットに占いを求めていくという手段(スタイル)が確立され過ぎているのが問題と言えます。

 

ちなみに、私のところの講座では、タロット占いでの質問と、タロットリーディングでの質問の違いを明確にしており、それを理解すると、形式的にタロット占いをしながら、タロットリーディングに至ることができるという方法を指導しています。

 

つまるところ、ビジネスにおいても自分次第であり、タロット占いでないと営業は無理ということではなく、工夫次第なのでしょう。

 

私はビジネスのプロでもなく、むしろその才能はないですから、そうしたことは指導できませんが、専門の人や才能のある人にウリ方を依頼する(考えてもらう)のもいいと思います。

 

しかし、私も結構経験しましたが、当然ながらビジネスプロの方は、あくまでビジネスのプロであって、タロットを本当の意味で理解しているわけではありませんので、いくらウリ方を提案されても、その方法は相いれない(自分の思うタロットの道からはずれる)ということが多かったです。

 

そのあたりになると、根本的に資本主義経済の問題に行き着くこともあるので、本質的には難しいことです。

 

それでも、タロットは本来、自由になるためのものと言えますので、使い方は人それぞれであり、自分の思うやり方、自分が(タロットを使うことで)悩まない方法がよいかと思います。

 

タロットをやって、成長のために多少の葛藤や苦しみはあっても、タロットを扱うこと自体がつらいということであれば、それは本末転倒なので、あなたのタロットの使い方・目的を考え直すことです。